ボツリヌス培養プラント26 | 法友(とも)へ

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しばらくCBIの手伝いをやっていると、中川がやってきた。


麻原が「Rはよくやったからもう一度イニシエーションを受けさせるように。」と言ったらしい。


それで一旦富士に戻り、またサティアンの2階で点滴を受けることになった。



たしかこのときに予言の説法を聞いたように思う。


当時の富士の正面入り口にある受付で説法テープの貸し出しをやっており、サマナたちはワークをしながら聞いていた。


イヤホンはどこかに引っ掛けたりしないように首の後ろに回し、他人の声が聞こえるように、また電話にも出られるように右耳だけで聞いて、左耳用は胸の前にたらしていた。



点滴は20分かかるのでその間に聞こうと思ったのだが、結構短い説法だったと思う。


まあ、僕はもともと予言には興味がないので、適当に聞き流してしまってほとんど記憶に残っていない。


簡単にまとめると、あれはオースチン彗星ではなく麻原彰晃彗星であり、こっちへ来いこっちへ来いと呼んでいるので、本来の軌道を外れて地球に接近し、地球は大変なことになる。


というものであったと思う。



この予言を信じるなら、たしかに地球が大変なことになるのは間違いがない。


しかし、上九にいるサマナはワークが忙しくてそれどころではなかった。


たとえ彗星が地球に激突しようとも、ひたすらワークを続けるしかない状況だったのである。



中川は僕の腕に針を突き刺した後、隣で横になったかと思うとあっという間にいびきをかき出した。


20分経っても起きる気配がない。


点滴の袋はどう見てもからになっているように見える。


一瞬自分で針を抜こうかとも思ったが、やっぱりやめて中川を起こすことにした。



中川に針を抜いてもらった僕はもう一度上九へ戻りワークを続行することになる。


今回で2回目の新しいイニシエーションということになるのだが、前回同様今回も何も体験はなかった。


随分後になってから分かるのだが、あの点滴はイニシエーションなどではなく、対ボツリヌス用の抗生物質だったらしい。



そりゃあ僕はたしかに、2日間ドラム缶に寄り添いボツリヌスと苦楽をともにしてきたので、念のためもう1回抗生物質を投与しておいてやれということになったのだと思う。


こうやって2回抗生物質を投与されたのは僕だけだった。


麻原や幹部達が培養がうまくいっていないと判断したのなら、2回目の点滴は必要がない。


この事実もまた、教団が本気でボツリヌスによる生物テロを計画していたことの証明になると思う。


僕はこの段階では、培養している細菌がボツリヌスであることも、点滴が抗生物質であることも知らなかったのだから。