ボツリヌス培養プラント⑱ | 法友(とも)へ

法友(とも)へ

ブログの説明を入力します。

作業はこれで終わりではなくもうひとつあった。


液体窒素のボンベを運び、ほんの少しずつ溶液の中へ出て行くようにする。


冷やすことが目的なのではなく、これから培養する細菌のエサの補充のためだ。



準備が出来たので、広瀬が遠藤を呼びに行った。


遠藤は持ってきた試験管の中身を溶液の中へ流し込んだ。


後はポンプが十分に混ぜ合わせてくれる。



遠藤が「やって見せるから憶えてくれる。」といって実際の手順をやり始めたのだが、その程度のことなら1回見れば十分だった。


最初はドラム缶に異常がないかの確認。


蓋はきちんと閉まっているか、ポンプは正常に動いているか、設定温度は守られているか、液体窒素のボンベは空になっていないか。



次にマスクと手袋をつけ、アルコール消毒。


使用する器具類も同様に消毒する。


ドラム缶から溶液を取り出し、ピペットで正確に計量する。


デジタルスケールを使って、試薬も同様に正確に計量する。


試験管の中でガラス棒を使って混ぜ合わせ、完全に溶けたら専用の計測器に入れてその数値をノートに書き入れてグラフにも記入する。



作業が終われば使用した器具類を水洗いし、その水をポリタンクに入れる。


もう一度水洗いしてポリタンクにいれその蓋を閉める。


最後にアルコール消毒してしてティッシュでふき取る。


使用したマスク、手袋、ティッシュはビニール袋に入れ、その口を縛る。



僕の作業手順に問題がないことを確認した遠藤は、20分に1回計測するように言って出て行った。


この後、僕は一人でこの作業を2日間続けることになる。