ボツリヌス培養プラント⑫ | 法友(とも)へ

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生活班でも不思議なことが行われていた。



夜遅く僕がワークをしていると、バタバタと足音がして村井と遠藤が圧力鍋を持ってやってきた。


そして、それを火にかけた。


圧力鍋は全部で3つあったと思う。



村井が残り、遠藤がもうひとつを取りに行って戻ってきた後、しばらくして石井の肩に手を置いた麻原がのそりと姿を現した。


麻原の巨体が音もなく動いているのは、いつもの事ながらなんだか不思議な気がする。


村井が何か説明していたようだった。



麻原は最後に「しっかり、頼んだぞ!」と言い残してサティアンへ戻っていった。


遠藤もサティアンへ戻り、一人残った村井は圧力鍋をまるで守るかのようにそばに立っていたが、やがてシュウシュウと蒸気の漏れる音が聞こえてきた。


しばらくの間時計を見ていた村井が、「よしっ」と言って火を止めた。



背もたれのない丸いパイプ椅子の上で蓮華座を組み、僕に「寝てたら起こしてくれるか。」と言って村井は瞑想を始めた。


20分ほどした頃だろうか、ふと村井を見ると舟をこいでいたので声をかけた。


目を覚まし、時計を見た村井は「そろそろええな」と言って、生活班から借りた台車に圧力鍋を3つ乗せてサティアンへと運んでいった。