JIA(若年性特発性関節炎) | In my life ~研究・育児日記~

In my life ~研究・育児日記~

2011年5月ー2014年2月までBostonに留学していました。
現在は帰国して臨床、教育に追われる日々です。

毎週金曜日の臨床カンファですが、夏はセミナー形式でレクチャーが開催されています。
今日はChildren's HospitalのPeter先生による講義。

「JIA」

についてです。

途中から参加したのですが、講義中にとったiPhoneのメモを参考に、以下気になった点をまとめます。

「Arthritis in children does not present pain」

こどもの関節炎は痛みを伴わないことがあり、筋肉痛の症状がでることもあり、大人と比べて非典型的です。Micrognathiaとspine fusionはchronic sJIAに特徴的。

「Low utility of lab marker」

自己抗体やCRP等の血液検査は成人ほど有用ではありません。例えばリウマチ因子は陽性率が低く(20%程度)、成人ほど予後予測のマーカーになりにくい。

「Be aggressive」

治療は機能予後、成長障害の観点から成人よりも積極的に行う必要があります。
Oligo、Poly、Systemicのどの病型においてもMTXは治療の中心となりますが、成人よりもMTXに対してTolerateなので、体重当たりのMTXは多くなります。
sJIAに対してはAnakinraを積極的に使用。最近はCanakinumabやTocilizumabも新たな選択肢です。彼の印象として、Tocilizumabは著効する例が比較的多いとのこと。

「Do not re-assured no pain no lab abnormality」
痛みがなくなり、血液検査が改善しても油断せずに経過をみる必要がある。前述の通り、小児の関節炎は痛みを伴わないことが多く、血液検査も病勢を反映しないことがあるため、骨破壊が進行しないように注意深くフォローする必要がある。

「Differential Diagnosis」
子供に特有の鑑別疾患に注意。先天性代謝異常やALLは常に考慮に入れるべき。

以上です。
臨床を離れて2年以上、医師としての実力ははたしてどれくらい残っているのでしょう。。。