こんばんは。
久しぶりに医療の話題を提供いたします。
「がん」を予防する魔法のような薬があればよいのですが、
民間療法、免疫療法はどれも科学的根拠はほとんどありません。
これまでに、アスピリンを長期に飲むことで大腸がんをはじめとした
消化器癌のリスクが減少することは知られていました。
ですが最近、あらゆる癌に、一日一錠アスピリンが効くことが報告されました。
Lancet: 2011, 377: 31-41
Effect of daily aspirin on long-term risk of death due to cancer: analysis
of individual patient data from randomized trials
簡単に説明すると、総勢25,570名、75mg以上のアスピリン服用者の20年間の癌死リスクにつ
いて検討した論文です。
結論としては5年以上長期に内服することでがんのリスクが20%減るみたいです。
10年以上内服すると肺がんの発症も抑制します。
治療開始時の年齢では、消化管癌(食道、胃、大腸)は年齢に関係なく抑制し、
非消化管癌では、高齢のみの抑制で、55歳以下では、明らかな抑制効果を認めませんでした。
SLEや抗リン脂質抗体症候群とかでバイアスピリンを毎日内服している方には朗報?かも知れません。