「議論を書けば会議が変わる」
私が初めてこの本に出会ったのは、今から9年前。
とんかつ新宿さぼてんで、マーケットクエストというエリアマーケティングと人材育成を融合した新しい店長研修を開発していたときでした。
その研修では、一方的な問題提議や知識の教授ではなく、現実の課題に基づいて、5~6人ひと組のテーブル毎にディスカッションを進め、それを発表するという形式で行っていました。
元になったのは、マクドナルド時代にPMOと言う名前で行っていたエリアマーケティング研修です。
この研修では、店長やスーパーバイザーなどの営業担当、店舗開発や出店調査、販売促進などの本社担当が、担当エリア毎にひとつのチームを作り、そのエリア内の戦略を構築していくという流れでした。
マクドナルド時代の私は、出店調査のスタッフの立場で、チーム内のメンバーとして議論に参加していましたが、その後、とんかつ新宿さぼてんで同じような仕組みを構築しようと開発を進めていたときの私の立場は、そのプロジェクトの総責任者。全体をまとめ上げるリーダーの役割を担っていたのです。
そんな私が最も困っていたのが、各チームに限られた時間内で「課題」「データ」「戦略」などを、まとめさせていくためのファシリテーションでした。
もちろん、私自身が、1つのテーブルでそれをまとめることに困っていたわけではありません。
ファシリテーションは、むしろ得意分野だったのです。
しかし、今度は、10チーム程の参加メンバーを同時にまとめさせていかねばなりません。
これは全く勝手が違っていました。
マクドナルド時代は、元々そう言うファシリテーションをほとんどの社員達は日頃から学び、議論を限られた時間でまとめることになれていました。
しかし、とんかつ新宿さぼてんでは、誰もそう言うことをした経験が無かったので、議論が進まなくなったり、声の大きい人が喋り続けたり、議論の道筋が大きくズレていったり、各部署のセクショナリズムがあからさまになったり、果ては、全然関係ない雑談が始まったり・・・と、見事なくらいの混乱ぶりがそこにはあったのです。
これではいけない、自分と同じようにファシリテーションが出来る様な人材を育てなくてはならない・・・と思ったものの、そうは簡単にはいきません。まあ、かんたんに行くはずもありませんよね。
そこで、採用したのが、この本が解説している「ファシリテーショングラフィック」でした。
模造紙、スケッチブック、ホワイトボード、水性マーカー、付箋などを用意し、テーマ毎に適切なテンプレートを示しながら、各テーブルが議論をまとめやすいように、ルールや仕組みなどの環境を整えていったのです。
おかげで、その後6年間、数百店舗毎の店舗戦略をまとめる研修を行いましたが、滞りなく進めることが出来ました。
それまで、ことある毎にプレゼンはパワポという風に決めつけていた私でしたが、複数人で議論をまとめて行くのは、デジタルよりもアナログの方が参加メンバー毎の解釈スピードや発言バランスの違いをうまく調整できるんだ、と言うことを、このファシリテーショングラフィックは教えてくれました。
現在、店長向けやビジネスマン向けに行っている研修でも、この手法を活用しています。
10年前に出会ったこの本。
今、改めて読み返してみて、もう一度基本に戻れた気がしています。
明日からまた、この方法を活用して、研修やコンサルティングに取り組んで行こうと思います。
堀公俊さん、ありがとうございました。
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