・家と家との配置など、そうした全体に、美しさと、

 何故か懐かしさが感じられた。

 

・掃除は男の人達もよくやっているが、これも労働というよりは、

 気持ち良さの為に行っている(≒この気持ち良さという概念も、

 私達のそれとは異なっている)のだ。

 

            ~~ 中略 ~~

 

・また男の人達は、土器作りを、女性にとっての織物作りと同様に楽しんでいた。

 彼らにとって土器作りは、娯楽でもあり、芸術でもあり、宗教でもあるのだろう。

 

・文明社会の陶芸家には作れない様な大胆さと、力強さが感じられる造形のセンスは、

 彼らにとってそれが、1つの精霊との交流行為であるところから、

 生じているのだろう。

 

・彼らの生活は、ある意味で全てが、芸術行為とさえ言える。

 それも、私達のいう芸術とは異なり、いたずらな美だけの追求ではない。

 

・彼らの作り上げた1つ〃は、どれを取っても生きているかの様に、

 私の心に語りかけるのだ。

 

・電気が無い彼らの生活は、7時半頃には就寝の時間で、

 朝は4時半頃には起きる。

 

・勿論これは、私達の時間概念による説明であって、

 彼らには、そんな認識はない。彼らはお日様と共に寝、共に起きるだけなのだ。

 

・日本の様に布団はなく、藁(ワラ)の様な植物素材の上に、

 布を被(カブ)せただけのベットだ。しかしこれが、意外にも心地良い香りがして、

 快適な寝心地であった。