お稽古のビルには

劇団の公演場がある。

私は、観に行ったことがないので

興味があった。



(ふぅん…)


有名そうな、お話。



ぼーっと、大きなポスターを

眺めてる。



「武田さん」


振り向くと、松下さん。

早くも、

お花に慣れて

教室では

楽しそうに

通っていらっしゃる。




「僕、優待チケットを

持っているんです。お連れしましょうか?」


「いいんですか?」




いつもの休日より、

早く起きて準備してる。



髪をストレートに

するようになってから

はじめて、巻く。



男の人と、待ち合わせなんて

とても、久しぶり。



ちょっとだけ、ヘアコロン。



「こんにちは。」


変な感じ。

これって、いわゆる

急展開、なんだろうか。


「良いお天気ですね。」


えぇ。本当に。



会場に着く。すごい列。


こんなに、混むんだ。


「大丈夫ですか?」

「…はい。」


はぐれないように

少しだけ、彼を追いかける。




スタンディングオベーション。


あ、ブラボーとか

言っちゃうタイプ?


「ふふ…。」

「え?どうされました?」

「いえ。面白くて。松下さん」

「………恥ずかしいです」

「今、なんだ。」


楽しい。


すごく、楽しかった。


➖つづく➖