吉野彰・旭化成名誉フェローが今年のノーベル化学賞を受賞されます。
吉野さんは企業所属の研究者です。
「企業所属研究者はノーベル賞を取るのが難しいといわれてきた。
しかし今回私が(賞を)とったことで、若い研究者が勇気づけられたと信じる」
と後進の活躍への期待を口にされています。
2014年にノーベル物理学賞を受賞された中村修二カリフォルニア大学教授はもともと企業研究者でした。
彼はLED(発光ダイオード)を発明し、製品化したにも関わらず、
所属企業で給料以外に発明に対して得た報奨金は約2万円だったそうです。
アメリカの研究者仲間から、彼が低すぎる対価に甘んじているとして「スレイブ・ナカムラ」(スレイヴ=奴隷)と、
あだ名されたのに嫌気を指し、企業を退職しカリフォルニア大学教授に転職されました。
今までの日本の企業は農耕民族らしく社内にスーパースターを作ろうとしません。
私が企業に在籍していた30年前は、年功序列が当たり前で、
仕事の業績よりも年齢と経験年数で昇給額のほとんどが決まっていました。
私はそんな体制に嫌気を指し転職しました。
バブルが崩壊し年功序列も徐々に崩れてはいますが、
100人以下のオーナー企業なら役員は身内で固められ、
サル→木下藤吉郎→羽柴秀吉→豊臣秀吉などあまり見たことがありません。
希に、経営者に後継ぎがいない場合、社員から社長に抜擢される場合があります。
そういう企業は社内に活気があります。
みんなに社長に成るチャンスが有るからです。
優秀な研究者には高額の報奨金を、
能力の高い社員にはやりがいの有るポジションを与えるべきです。
出る杭がどんどん出る。
そんな企業が強い企業だと思います。