お昼。察丁近くのコンビニにて。
○○「恵方巻き…もうそんな時期かぁ~」
コンビニの店先で恵方巻きフェアなる出店。
美味しそうな恵方巻きのラインナップに思わず足を止めて見ていると、
ガシッ
○○「……え?」
突然手を掴まれ、
お婆さん「お嬢さん…貴女はとっても五臓六腑が丈夫だねぇ~」
○○「??? はぁ…」
確かに、大きな病気はしたことがないし……
で、でも、よく風邪引くしなぁ……
お婆さん「でも」
急に真剣な表情になるお婆さん。
お婆さん「……貴女の周りに厄災が…」
○○「え? どういう……?」
ドサドサドサっ!!
お婆さん「うちの恵方巻きと福豆持っていきな!」
○○「ええええええええ!!?」
そんな訳で
半ば銀室長に冷たい視線を投げられながらも
大量の恵方巻きを公安課の皆さんに配り終えた私は…
○○「恵方巻きは良いけど、この豆どうしよう…」
東雲「○○さん、なにその福豆。豆まきでもするつもり?」
黒澤「あっ良いですね~豆まき!厄落としでもしますか~!?」
笑顔の歩さんと黒澤さんが…
しかし銀室長に睨まれ、
サッと立ち去る二人……
○○「そうだよね、さすがに公安課ルームで豆まきは……あはは」
振り返ると歩さんは自分のデスクの恵方巻きをまじまじと見つめ、
バックにしまうとパソコンに向き合う。
○○「ええええ食べないのかな?一応、私からの差し入れって付箋しといたんだけどな…」
辺りを見渡せば他の皆さんは思い思いに
恵方巻きを手にしている。
特に恵方を向いて、という訳でもなく、
普通におやつ的な感じで…
○○「ま、まぁそんなもんだよね…」
夜になり、
歩さんの家にお邪魔した私は
恵方巻きの代わりに簡単なチラシ寿司を作った。
東雲「今日はブラック、じゃないんだ」
○○「も、もうそれは卒業しました!」
東雲「まぁ、良いけど…これ、全部自分で?」
目の前のチラシ寿司を目にして、歩さんは驚いた風だ。
○○「簡単バージョンです!あっそれより昼間の恵方巻きは…」
東雲「あぁあれね。百瀬が匂いを嗅ぎ付けて欲しそうにしてたからあげたよ。あの子、嗅覚なんなの…」
○○「そんな…」
東雲「オレ、得体の知れないモノは口にしないようにしてるし」
○○「えぇ…私が買ってきたのに…」
東雲「……買わされたんでしょ」
!?!?!?
東雲「オレと黒澤の存在に気がつかないなんてそれでも公安刑事…」
○○「あ、歩さん~見てたんなら助けてくださいよ~恵方巻きのお婆さんに大量に押し付けられて…」
抱きつこうとする私を制すと、
ぐいっと顔に何か押し付けられる。
○○「な、なんですかこれ」
顔に押し付けられたそれを取ってみると
鬼のお面。。
それから福豆を取り出した歩さんは…
東雲「キミ、厄落とししなよ。まずキミが鬼で…」
○○「違います!違います!私は大丈夫なんですけど、私の周りに厄災が多いって、、」
東雲「違わないでしょ。むしろキミが厄を引き寄せてるんじゃない? それともオレに豆をぶつける気なんだ? ふぅん。あっそう…」
○○「い、いえ!どうぞ私に豆を!!」
東雲「最初からそう言いなよ…」
あっ!!!?
○○「あ、歩さん!いきなり豆をぶつけないで…掛け声!!掛け声してください~」
それから歩さんは楽しそうに私に豆をぶつけ続け、、更に恵方巻きを口に突っ込まれ……
○○「歩さん、このっ恵方巻きは…」
東雲「もうダメじゃん途中で喋っちゃ、ほら、最初から…」
○○「ん、んぐッ!!」
ダメ、無言で恵方巻き突っ込まないで…
東雲「今年は東北東なんだって。願い事は?」
○○「ンンンン願い事…??」
…
……
○○「ぷはッ、歩さんが今年も幸せで__」
東雲「……いいんだ?そんな願い事で…」
でも他には何も思い付かなかった。
意地悪な中にもなんだかんだ優しい所がある歩さん。。今日だってきっとこの後優しく…なるはず……
○○「歩さんは恵方巻きは食べないんですか? それにこの恵方巻きはどうしたんですか??」
東雲「…質問多すぎ。キミの願い事はオレが叶えるし、オレの願い事はキミが叶えて。」
言った後、少し照れたような歩さんに、
無理矢理 背中を向けられて、、
○○「あ、歩さっ……んっっ!?!?」
そんな、後ろから……なんて…
東雲「ほら、早く」
そんなこんなで恵方巻きどころではなくなったのでした……
_完
🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏
ワンライお題「豆まき、節分」
恋人は公安刑事/東雲歩さん。
ヒロイン目線m(__)m
久しぶりの歩さん(*´∀`)♪
お目汚し失礼しました~|^▽^)ノ