BMW F10 523i サーモスタット交換 | No Vehicle No Life !!

BMW F10 523i サーモスタット交換

走行中にエンストする事もなくなり漸く安心して乗れるようになりました。

が、普通に走ってるだけでラジエタファンが轟音を上げてまして……。
涼しくなって冷却効率は上がっているはずなんですが……。
高速道路走行中に油温計の針が120℃を少し超えるところまで来ていたので多分オーバーヒート気味になっていたようです。

サーモスタットのエラーコードも放置する予定でしたが流石に気になったのでサーモスタットを交換しました。

因みに余談ですが、回転を拾うセンサ類に使用している磁石は120℃を超えると減磁し始めるので要注意です。
どちらかというと水温より油温のほうが重要なんですよね。

これぐらいの部品なら個人輸入するのも面倒くさいのでこちらを購入。

BMWのサプライヤなので粗悪品ではないです。
現在はMAHLEという会社と合併してMAHLE BEHRという社名になってるみたいですね。
国内でいうところのDENSOみたいな会社のようです。

クーラントは量販店の4Lを使いました。
成分は似たり寄ったりなので多分大丈夫だと思いますが、気になるようなら純正品を使うのが良いでしょう。

しかしこの車について調べても交換手順とか本当に何も出てこないですね……。
外して交換して終わりっちゃ終わりですけど。
以下まとめてみましたのでご参考までに。

交換作業中の画像についてですが、途中で雨が降って来たりして写真を撮るのを忘れました……。
TISの画像で説明します。

やっぱり4気筒だとエンコパ内がスカスカなので整備性が良いですね。

先ずはクーラントを抜こうとして「え?」と思ったのが、この車のラジエタにはドレンプラグが付いていなくてTISにもRH側のロアホースを外してクーラントを抜けと書いてありました。
正気かw

LH側のエキスパンションタンクは実機では確認出来なかったので無視してます。

とりあえずラジエタ側のロアホースを外してクーラントを抜いて
上記画像の①のバンドをマイナスドライバーで緩めてインテークパイプを外します。
LH側の斜めに締結してあるブレースバーを取り外してエアクリーナBOXの蓋も外しておいたほうが作業が楽です。
次に上記画像①のコネクタを外して②のブローバイホースを黒矢印のロックを両側から手で押さえて抜きます。
ブローバイホースとインテークパイプを外したら吸気ラインにクーラントが入らないように開口部をビニール袋で覆っておきます。
インテークパイプとブローバイホースを外せばサーモスタットが見えるようになるので上記画像の①のコネクタを外して②のホースクランプをプライヤーで外してホースを抜きます。
③のホースバンドはマイナスドライバーで緩めて外してホースを抜きます。
④のホースはロック付きのジョイントが付いてますが、ロックを外して手で抜きます。
ロック自体は手でも外せるぐらいのものでしたがジョイントとサーモスタットの接合部が結構固く嵌合してあったのでドライバーで鐺ったりしましたが……。

こんな感じのキャリーバッグの取っ手みたいに引き出すロックになってます。
中にOリングが入っているのであまりにも古いようならロアホースASSYも取り寄せておいたほうが無難です。

サーモスタット本体は⑤の六角穴付トルクスボルト2本でエンジンブロックに締結されているだけなのでT30トルクスレンチでボルトを外して取り外します。

あとは新しいサーモスタットを逆の手順で組み付けてリザーバータンクにクーラントを補給して④のジョイントに付いている樹脂のブリーザーボルトをドライバーで緩めてクーラントが出てくるまでエア抜きします。
これです。
クーラントが出て来たら締め付けます。
これをやっておかないと電動ウォーターポンプが空回りするだけでクーラントを冷却ラインに圧送できません。

冷却ライン全体のエア抜きはエンジンを回してでも出来ますけど電動ポンプだけを動かしてエア抜きをするモードがあるみたいなのでやってみました。
この時リザーバータンクのキャップは開けておかないとエア抜きが出来ません。
TISで確認した手順は下記の通りです。

1.ヘッドライトのロービームを点灯
2.イグニッションをオンにする
  (フットブレーキは踏まずにスタートSWを押す。エンジンはかけない。)
3.エアコンを「AUTO」にして温度設定を最高温度28℃に設定し、風量を最小に設定
4.アクセルペダルを全開で10秒以上踏み続ける
5.10秒以上経ったら一旦アクセルペダルから足を離して再度踏む

上記手順でエア抜きプロセスが開始されます。

12分間電動ウォーターポンプだけが回ったり止まったりしながら勝手にエア抜きしてくれます。
上記画像のリザーバータンクのキャップを開けるとブリーザーラインが開放されてアッパーホースから分岐したブリーザーホースから矢印の方向にクーラントが流れてエア抜き出来る構造になってます。

見てると結構面白いシステムですね。

エア抜きしているとリザーバータンク内のクーラントが減っていくので適宜継ぎ足しします。
用意しておいたクーラントが足りなかったら水道水を継ぎ足せばOKです。

あとはリザーバータンクのキャップを閉めてエンジンをかけて電動ファンが回るまで放置。

これでおわりです。

走行してみたらラジエタファンの音も静かになってました。
やれやれ……。

これが元々着いていたサーモスタットですがBEHR製でした。
BMWマークも入ってました。
新品のOEM品はこのマークが削り取ってありましたが同じ物です。

材質はPA66ナイロンのガラスフレーク30%添加のようですね。

これも余談ですが、プラスチック類は経年劣化すると加水分解でボロボロになってきますがPA66ナイロンは耐加水分解性能が高く、粘りもあるので伸縮性にも優れていて熱衝撃にも強い材料です。
ただ、耐振動強度を持たせる為とはいえGF30はオーバースペックな気が……。
自分が設計するならGF15で充分と判断しますけど、この車格だとコストは二の次なんでしょうか。

最後に
上の画像を見直してみると判りますが、冷却ラインに水しか入ってませんでした……orz
リザーバタンクの色を見比べると判ると思います。
もっと早くチェックして置けば良かったです……。

ブログで紹介しておいて難ですが、あの店で車を購入した方がいらっしゃいましたら一度点検に出す事をお薦めします。

あの店での燃料ポンプ交換時からエラーコードが出ていたのですが、サーモスタットを電子制御で開閉しているという説明がありましたけどそんな機能は付いてないです。
サーモスタットの開度を検知してDMEのマップコントロール制御へフィードバックして冷却水の温度に応じて燃料噴射量を細かく調整しているようですが。

燃料系統トラブルの時みたいにいざという時に困るのでいい加減な知識をばら蒔くのは本当にやめて欲しいものです。