この著者の作品を初めて読んだのは
『お探し物は図書室まで』で
毛糸にチクチク針を刺してる無愛想な司書さんをメインにした短編集
すごく大きな事件があるわけでもなく日常のちょっとした悩みが司書さんと話すことをきっかけに解決していく
ジワッと心が温かくなる本でした。
そして次に読んだ
『木曜日にはココアを』
短編集なんだけど、それぞれの主人公が少しだけ繋がっていく、こちらも温かいお話
そして
この『リカバリー·カバヒコ』も
カバヒコを中心の短編集ながら全てが1つの小説になって最後にほっこりできる作品
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団地に囲まれたさびれた公園の片隅にある
カバのアニマルライド
塗料も剥げていて、ちっともステキじゃない
でも
このカバにはこっそり知られている不思議な都市伝説がある
『怪我とか病気とか、自分の体の治したいところと同じところを触ると回復する』
というもの
それを聞いて、信じる気持ちはないものの
触ってみる
レベルの高い高校に入ったら全く勉強がついていけなくなった奏人
とか
仕事をやめ子育てに専念したものの幼稚園ママとの関係に悩む紗羽とか
前述の二作品と同様
自分の中の悩みは
自分一人ではぐるぐる回るだけで何も解決しない
ほんの少しだけ……
新たな第1歩を踏み出すことで……
誰かにちょっとしたきっかけをもらうことで……
いつもと違う行動ができる
それによって
自分のなかをぐるぐる回っていた悩みは外へ向かい解決していく
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私自身がぐるぐる悩んでることに気がついた人には
ちょっと背中を押してほしいし
誰かが悩んでいたら、ほんの少しだけ背中を押してあげられるようになりたいな
気候も涼しくなってきました
ちょっと寒くなる秋から冬
心を温めたい方におすすめです
