そろそろ春の気配(花粉)もしてまいりました。

春にはイベントが2つ続けて出展予定です、エアブラシアドバイザーこんどうです。

 

展示会に出展したり、店舗実演をしたり、他社製品群を眺めていると、今更ながら説明が足りていないよなぁって思うことがあります。

特に製品選定、開発、販売となってくると必然的にエアブラシを知っている使い慣れている人目線となってしまい、

これからエアブラシやってみたい!!ってなったユーザーにとって使いづらさを覚えてしまうようになってしまってはいけませんね。(自戒)

前置きだけで色々書けることはあるのですが、本題は

 

改めて機能を使いこなしてみようということです。

 

 

昨年より発売させていただいた新製品の「Primary」シリーズではこれから使ってみるユーザーに対しての機能を強く意識。

また、現代のコンプレッサー事情に合わせて色々調整をしているんですが、

「アジャスター(ニードルアジャスター)」もその一つです。

 

▲テールキャップの後ろに位置するやつです。Primaryシリーズからエアレバにも対応するように調整しました。

 

今更だけども「アジャスター」ってなんぞや?ということですね。

 

ちなみにエアテックス公式の説明は

「ニードルアジャスターを操作することにより塗料の噴霧量を調整できます。テールキャップを締めつければレバーの引き幅が小さくなり、噴霧量も少なくなります。注意していただきたいのはニードルの締めすぎによるノズルの破損です。ニードルを締めすぎたり、アジャスターを閉めこんだままテールキャップを取り付けてしまうと、ニードルでノズルを突き破ってしまいます。」

となりますが、文章で見てもよくわからない(このブログも文章ではあるのですが)

 

限りなくシンプルに言うと、

「吹き付け操作の操作幅を制限する部品」でしょうか。

吹き付けする際の操作幅を0~100とした場合

締めすぎると操作幅が0になるから、吹き付け動作自体が行えない。

緩めすぎると操作幅が0〜100となるため、中間を維持するためには技術が必要になる

そこで調整して、0~XXとなるようにするというイメージです。

 

原理はシンプルで、操作時に連動する部品(ニードルストップネジ)がアジャスターの軸に接触することで、

それ以上後退しない、それに伴い連動しているボタンも後退できなくなる、ということです。

▲ニードルストップネジストッパーの方がわかりやすい、、、?

 

ちなみにエアテックス公式の

「注意していただきたいのはニードルの締めすぎによるノズルの破損です。ニードルを締めすぎたり、アジャスターを閉めこんだままテールキャップを取り付けてしまうと、ニードルでノズルを突き破ってしまいます。」

は今のエアブラシでは大体起こらないはずです。(ニードル自体を抑える機構があれば別ですが)

 

さてアジャスターですが、後退率を制限するものながらも基本的にはメモリとはそういった類のものはついておりません。

そこで、目印をつけました。最も締めた状態を0回転時とします。

 

▲マステでやりましたが、分かればなんでもいいです。製品に実装するとコストが、、、

 

この状態で回してみてPrimaryシリーズは、およそ3回転ほどでエアレバの操作幅0~100となることがわかりました。

▲基本的には回すだけですが、回転数あたりの後退率はわずかです。

▲3回転させてもこれぐらいです。ニードルの後退幅って結構短いんですよ。

 

この3回転でどれぐらいのパターン調整ができるのでしょうか。やってみました。

▲0.2mmでもかなり吹けるといえば吹ける。

 

実際には距離とかも考慮する必要はありますが、細かい作業を目的とするならあまり1回転以上はさせないように感じましたね。

ある意味0.2mmでも必要な仕事はできるといえばできる。塗料自体の相性もありますので一概にはいえませんが。

 

でも0.2mmならもっと細吹きのコントロールがしたいですよね。

なのでさらに区分けして、1回転を4分割しての結果は、、、

▲かなり近い距離での吹き付けとなります。

 

いい感じではないでしょうか。細かい作業したいなら1回転内で調整できれば良さそうですね。

 

でもね、洗浄の際は思いっきり吹き捨てたい、、、そんな時は、

テールキャップ自体を緩めれば一気に解放できます。テールキャップも大体3回転ほどさせれば全開になります。

▲5回転以上回すと外れちゃうと思います。

 

注意点としては、テールキャップを着脱させる際は、アジャスターが締まりすぎ内容にしてください。

完全にアジャスターがしまっている状態ですと、テールキャップが締まりきる前にニードルストップネジが接触し、

無理やり締めると破損につながる可能性があります。

 

アジャスター機能、とりあえずこんな感じです。

せっかくある機能ですので、使いこなしてみると新しい発見があるかもしれませんよ。

 

今回使ったエアブラシ Primaryシリーズは好評発売中!!

 

 

前回の記事投稿・・・2021年12月!!

 

手が空いた時に書こうと思ってもなかなか書けない、そういうものですよね、エアブラシアドバイザーこんどうです。

 

最近は展示会もかつての賑わいを取り戻し、個別のエアブラシへのご質問も増えてまいりました。

 

このアメブロも記事を置いておくだけでまぁまぁ参考になるものがあるんじゃないでしょうかと思いながら、

アメブロには仕様上人気ランキングが出せるんですよね、放置した結果どの記事に需要があるのか見えてきます。

 

というわけでランキングが混ざる前に寝かした結果をみてみましょう。

 

第一位

ノズル周りのトラブルは一番多い、というか原因が掴めにくいことが多いですよね。

ベテランの方はこのブログを見ないでしょうから書きますけども、分解洗浄を推奨しすぎ!な傾向は最近感じます。

ノズル自体、厚みも薄く、真鍮製という柔い金属ですので、ノズル分解というのは明確に症状(つまり、逆流etc)が見えてから、でいいと感じております。

(この辺りは現代の環境、傾向を配慮した検証が必要ですが)

 

第二位

 

 

意外とうがいの仕方って書いていないのですよね。知っている前提で話しをしがち、、、というのが問題なのですが。

塗る技術とか、新しい塗料に対して、それの洗浄方法とかって意外と説明がされないんですよね。

お問い合わせで何回うがいすればいいですか?と聞かれてもモノによって違うから明言しづらい部分はあります。

 

第三位

 

 

グリスはとりあえず買っておきましょう。

それとやっぱり洗いすぎ、とか、どぶ漬けとかするとエアブラシ自体のベストな状態から離れて行くので汚れたところをしっかりと洗いましょうと。

 

第四位

 

 

おかげさまでPrimaryシリーズも世に出すことができ、エアレバもますます認知度が上がっているようなら何よりでございます。

最近はエアブラシの操作性で色々派閥がありますが、ぶっちゃけ(同じ先端であれば)どれ使っても同じことできますので、だったら色々使ってみて長時間使っても疲れないものを選ぶべきですよ。

これは自分の論ですが、練習しなくてもとりあえず作品製作に突入できる方が良い・操作ミスに起因した失敗はない方が良い。というスタンスです。

 

第五位

 

この辺りは集計時期によっても異なるのですが、特殊な吹き方ツールというのは関心度高いですよね。

吹き付けするにしても拡張性という開発目線は意識していきたいと考えております。

 

といった感じでございました。

 

ご参考になれば幸いです。

 

 

 

 

更新するタイミングを逃すと半年以上更新をしなくなっておりました。エアブラシアドバイザー近藤です。

(ある程度書いた状態からさらに一月かかりました)

 

この半年の間、世間では色々なことがありましたね。

自分もワクチン接種をしたりなんなりしてました。

 

 

さてさて!大きな出来事として、エアテックス公式サイトは見ていただけたでしょうか!

見てないという方は今すぐチェック!

https://airbrush.co.jp

 

お知らせ①

サイトが9月よりリニューアルされました!

 

サイトですが、オンラインショップシステムを統合したため、これまでよりもアクセスしやすくなりました!

大きな変化として、部品請求ページをエアブラシの機種ごとにまとめて見ました。

お使いのエアブラシの機種名を検索ボックスに入れていただければ間違えることなくアフターパーツが購入いただけます!

 

新しいコンテンツとして、AIRBRUSH LIFEページができました!

定期的にエアブラシの為になる情報や、テクニックをご紹介していきますので、お楽しみに!

 

お知らせ②

さらにカタログも、新しくなりました!

既に全国のエアテックス取扱店舗に数千冊以上発送してありますので、お店で見かけたら是非お手に取ってください!

フルカラーで豪華にしてあるのになんと!無料ですよ!

https://airbrush.co.jp/img/airtex_officialcatalog2021.pdf

WEBでもPDF形式で閲覧可能!

 

※今回はPC・タブレットで見やすく横向きで作成いたしました。

 より見やすくなったカタログを是非ご覧くださいませ。

 

 

今年も早いもので後ひと月、

修理の受付は12/20までに到着したものまでが年内までのご返却となります。

年末年始にがっつりと作業する予定であれば、お早めの動作チェックをお願いします!

 

 

 


 

 

 

 

 

 

今年は何とかイベントもありそうで良かったです。エアブラシアドバイザーこんどうです。

 

今回はレギュレーター(減圧器)と風量調整器の違い、です。

よく混同されやすいものですし、まぁ基本的に大きな差は出ないのですが、同じなのかっていわれたらそうでもない。

ただまぁ価格では大きな差がありますし、サイズも違うしきっとなにか違う部分があるのだろう。

そんな2点の違いの話。

 

 

 

▲レギュレーター(減圧器)と風量調整器(エアマティックジョイント)

 

 

話が長くややこしい記事になるときは先に結論を書いてしまい、後は長々と続きます。

 

レギュレーターと風量調整器はだいたいやっていることは同じ。(普通に使う分には)

使用環境によって、使い分けましょう。

レギュレーター(減圧器)を選ぶ場合

★エアブラシを複数種使い分けても安定した圧力値を維持したい(分岐及びクイックジョイント共に)

★吹き始めから安定した圧力で作業したい

×手元で調整するにはサイズが大きい

風量調整器を選ぶ場合

★手元で微調整をしながら作業したい

★手ごろな価格で噴霧圧を調整したい

×エアブラシの本数や、環境によって、都度調整が必要(一本づかいなら影響は少ない)

×風量調整器からエアブラシまでの距離が伸びるほど吹き始めに減少前の高い空気が噴霧される。(細かく吹き付けづらい)

もちろん両立すると、より多彩なエアブラシ表現が可能となります。

その場合、「エアブラシ+風量調整」セットに個別に組むのがお勧めです。

 

レギュレーターの基本原理については

株式会社テクメイション様のページがわかりやすいと思います。これを元に話を進めていきます。

 

 

 

もう少し踏み込んだ違いですが、

レギュレーター(減圧器)と風量調整器の大きな違いは

レギュレーター(減圧器)風量調整器は、どちらもバルブの開閉度合によって、供給元の空気圧(1次圧)を減少させている(2次圧)

・レギュレーターはダイヤル(内部のバネによって)2次圧を決めているので、1次圧に増減があっても2次圧が安定する。

・レギュレーターは2次圧に合わせバルブが自動開閉するため、噴霧停止時も2次圧が保たれ、自動でバルブの開閉が行われる。

 (噴霧開始時から安定した圧が出る)

例:

・噴霧圧0.1mpaの時、 1次圧が0.2mpaから0.1mpaに減少しても0.1mpaを維持して噴霧される。

・より空気量の多い(少ない)エアブラシに変更しても0.1mpaとなるようにバルブが自動で開閉する。

  

・風量調整器は1次圧の空気をバルブ開閉度で減少させているため、1次圧の空気の増減に合わせて2次圧も増減する。

・風量調整器はバルブが解放されたままであるため、噴霧停止時には1次圧と同じ圧になるまで、2次圧側に空気が供給される。

 (噴霧開始時に溜まった圧が出る)

・噴霧圧0.1mpaの時、1次圧が0.2mpaから0.1mpaに減少した場合 1次圧から半減となるため、0.05mpaの噴霧圧となる。

 ※実際はもっと違う数値となると思いますがイメージしやすく

・より空気量の多い(少ない)エアブラシに変更すると、消費空気量が変動するため、噴霧圧が変わる。

 

もっと細かく解説、というのも考えましたが、長ければいいってもんでもないのでこの辺りが落としどころでしょか。

 

 

おまけ

以下検証に使った機材の話

コンプレッサーからレギュレーターを挟んで5連で分岐させて、

市販の手元レギュレーター(減圧器)とクレオス様のレギュレーター(水取機能付き風量調整器)使ってみました。

エアブラシはXP-725Premiumとコラーニです。

コンプレッサー側のレギュレーターでは0.2mpaに設定後

それぞれXP-725基準で0.1mpaに設定してあります。

 

①レギュレーター(減圧器)の場合 

 エアブラシの口径が変わっても、指定圧を維持してくれます。複数のエアブラシを扱う時に圧力に振り回されにくいです。

▲左:XP725 右 コラーニ

 

②風量調整器の場合

 口径が大きくなる分エアブラシの空気消費量が増えるため、噴霧圧は減少します。

 逆にMJ728などの0.2mm口径になると今度は0.1mpaを上回ります。

▲左 XP-725P 右コラーニ

 

使用環境に合わせてうまく設備も整えましょう

 

 

 

日の出が早くなるとはるのあしおとを感じますね。エアブラシアドバイザーこんどうです。

 

機材や個人差によって違うというのはもちろんですが、、

エアブラシをやっているとホースの重みや、たくさんつけたジョイントの重さを感じる事、ありませんか。

 

実はホースの取り回しひとつで改善できるかも、、、しれませんよ。

 

▲取り回しやすくてお勧めなブレイドエアホース

 

 

実際のところ、人によってどのようにエアブラシを扱っているのか、、、資料的には少ないのですが、

多くの方はそのまま持ちあげているのではないでしょうか。

▲ただ塗るだけならそれでもいいですが、、、

 

上の画像は机に引っかかっておりますが、細かい作業などになった際にもこすれてストロークが鈍ったり、作品に傷をつけてしまうかもしれません。あと落としたらエアブラシ破損コースまっしぐらです。

 

そこでホースが邪魔にならないように持つ「コツ」が昔からあります。

 

いい感じに腕にホースを引っ掛けるだけ!!

 

▲簡単そうですが説明しても混乱しやすい。

 

エアホースを腕に巻くように引っ掛けることで、肘までの引っかからず、また、手で支えていたジョイント等の重量分を腕に負担させることができ、疲れにくくなります。この持ち方自体は上でも述べたように昔からあるのですが、意外と伝わりにくいのが難点です。

 

やり方

①利き手側から、ホースの向こう側に腕を通します。 エアブラシを反対側の手で持つとやりやすいです。

②ホースをひっかけつつ腕を手前に寄せつつ、エアブラシをつかみます。

 

③完成です。ホースのおさまりが悪いときは反対の手でホースを調整します。肘の内側にホースがかかる感じがお勧めです。

 

慣れればくるっと簡単にできるようになります。

こうすることで腕を前に出しても引っかかりにくく、ストロークが邪魔されにくくなります。

ふいに落としてしまっても途中でぶら下がるので致命傷にはなりにくいです(大惨事にはなってそうですが)

 

▲左手仕様で描いてしまっていますが、ホースが内側に垂れるようになります。

 

ホースが常に長さがギリギリとか、スパイラスホースには向きませんが、

まずは騙されたと思って一度お試しください。