◆主な登場人物◆

・灰原 遊
  船橋第二中2年
  セッター
  背番号4
・早速 切矢
  船橋第二中2年
  センター
  背番号2
・クリス レイヴァン
  船橋第二中1年
  ライトアタッカー
  背番号11(6)
・棚田 明日香
  船橋第二中2年
  マネージャー
・内海 龍馬
  船橋第二中社会科担当
  男子バレーボール部顧問
★☆★☆★☆★☆★☆

船二ベンチは湧いていた!

高橋
「よかったぁ」

斉藤
「やったー」

明日香
「わぁ~~~!」


「辛勝だったな…」

そう言って、切矢の肩に手を当てた。

切矢
(くそっ!このままじゃダメだ!!)
「もうアイツにだけは負けない。そして遊。お前の全力を引き出せるプレイヤーになるぞ、俺は…」


「あぁわかった。頼むぞ。その前にまずは右手を治せ。すべてはその後だ。」
(クリスか。ハワードとはまた別のタイプのプレイヤーだな。だがまだアイツは全然力を出し切っていない。底知れない力を感じる…)

内海
(遊はもう感づいてるか…。さすがだな。クリスはまだ10%ほどしか力を出していない。本当のアイツは全中でそのベールを脱ぐ。)
「よぉし、お前ら。整列してこい!」

船二選手たち
「はい!」



こうして船二選手たちの短くも長かった戦いが終わった。


試合後、船二選手たちはリベロの高橋と切矢を除いて、特訓を続けていた。


(俺もトス以外に何か得意技を見つけないと、全中で優勝なんて出来やしない!)

と、体育館の扉が開く。

ガラァァ

明日香
「高崎キャプテン!」

そう3年の高崎が陣中見舞いに来ていた。

高崎
「おぉ、みんな今日はお疲れ。これ土産だ。」


「先輩!」

高崎
「遊、今日はだいぶ苦戦したみたいだな。」


「はい、自分の力の無さを痛感しました…」

と、ここで明日香が叫ぶ。

明日香
「先輩!このお土産ってアメリカの?!」


「え?まさか先輩も?」

高崎
「あぁ、行ってきたぜ。レイヴァン兄にも会ってきた。」


「!」



つづく

※この物語はフィクションです。
千西顧問
「なんだ!あんな端っこに誰も居や…」

なんと誰も居ないと思われていた左隅にクリスが走り込んでいた。

切矢
「ブ、ブロード!」

完全にフリー!

クリス
(yeah! It's great!)

バシィィーーーン

バァーーーン

ピッ

船二 6‐8 千西

千西ベンチがどよめいた。

千西顧問
「な、なんだあの長距離ブロードは…
あの11番真ん中より右に居たはずだ…」

内海
(けっ、素人が…。あれはクリスの移動距離もさることながら、本質はトスにあるんだよ。)

クリスは遊に寄っていった。

クリス
「やっぱりハワードのいう通り…、いやそれ以上のトスワークだ」


「よく追いついたな。お前になら手加減なしで行けそうだ。」

クリス
「お!やっと認めてくれた?」


「とりあえずこの試合、全力で働いてもらう!」

クリス
「OK!」

そしてこの後、点差は広がることはなく、クリスのサービスになった。

‐船二 7‐9 千西(船二サーブ)‐
船二・背番号11、クリスのサーブ。

ピッ

クリスはかなり後方に下がっている。

クリス
「よぉし!」

そう言ってボールを高く前方向に上げ、ジャンプした。

千西顧問
「ジャンピングサーブだと?」

今現在誰しも使用するこのサーブだが技術的には意外と難しい。
だがクリスには、天性のバネとリズム感が備わっているため、容易く出来てしまうのだ。

バシィィンッッ

ボールがうねりを上げる!

バァァァン

千西誰も動けず…

ピッ

サービスエースが決まった!

船二 8‐9 千西

もうこの後は、クリスの独壇場と化した。
そして試合はこのまま終わりを向かえた。


船二 15‐9 千西

審判
「第3セット、15-9で船二勝利!
セットカウント2‐1で船二勝利!!」

遂に苦しかった戦いが終わった…




第4話へつづく

※この物語はフィクションです。
長身(205cm)で髭面の内海が船二ベンチに寄ってきた。


内海
「お前らやっぱ遊と切矢におんぶにだっこか?この試合終わったら早速、切矢と高橋以外は夜まで弱点強化プログラムをこなしてもらうからな!」

明日香
「先生!何週間も留守にしてて、よくそんな…」

遮る形で遊が話す。


「先生、アメリカに行ってましたね?」

船二選手たち
「え?」

内海
「おーさすが察しがいいな。」


「で、そいつがレイヴァンですか?」

内海は微笑し、

内海
「あぁそうだ。メンバー表見たか?」


「だが、そいつは俺の知ってるレイヴァンじゃない!」

内海
「そりゃそうさ。こいつはお前の知ってるレイヴァンの弟だ」


「なんだって?」

クリス
「ユーが遊か。兄さんから話は聞いてる。」

内海
「てわけで、こいつも今日からうちの一員だ」

船二選手たち
「えーーっ!」

クリス
「弱み握られちゃって…」

切矢
「でも船二に入学しなきゃ無理じゃねぇか?」

内海
「なぁに元々こいつはここの生徒だよ」

船二選手たち
「はぁー?」

明日香
「部活はもちろん学校でも見たことないけど…」

内海
「まぁ去年の夏、父親の転勤で日本に来たはいいが、不登校気味でな。まぁそんなこたぁどうでもいい。まずは斉藤!」

斉藤
「は、はい!」

内海
「クリスと交代だ!」


「そんな…。俺はそいつを認めない!」

内海
「ばーか。顧問は俺だ。替えると言ったら替える」

遊は何も言えなかった。

クリス
「ってことで、これからよろしくっ!」

こうしてタイムアウトが終わり選手たちはコートへ向かった。



ポジションに着こうとする遊にクリスがささやく。

クリス
「ユー、ブロード上げられる?」


「はぁ?」

クリス
「このまま、ミーが前衛だったらたぶん行けるよ~。ヨロシクね~」

余裕を見せるクリスだが、はたして実力は…


‐船二 5‐8 千西(千西サーブ)‐

千葉西・背番号7のフローターサーブ。

ピッ

バンッッ

このサーブを切矢がうまく拾う。

切矢
「よし!遊頼んだ!」

遊へ綺麗に返ってきた。


(打てるもんなら打って見ろ!)

遊はコート一杯に左へトスを上げる。


つづく

※この物語はフィクションです。