ビートルズの「フォーセール」を買った。

 

PMC - 3062     Mono

Ⅰ.XEX - 142 -4N / XEX - 143 -4N ① 1-T ②2-RP

 

 A面はマザー1番のスタンパ9枚目になる(B面はマザー2番のスタンパ26枚目)。一桁スタンパである。今回顕著だったのは、マザー1番の一桁スタンパとマザー2番の2桁スタンパのちがい。うちのアンプはインジケータがついているので、レベルが高くなるとほぼ頻繁に入力レベルがレッドゾーンを示す。音量とは関係がないので、純粋にレコードの溝に刻まれたレベルが反映される。一桁スタンパは適度にレッドゾーンに入るが、2桁スタンパはほぼレッドゾーンの手前でグリーンゾーンを上下するのみだ。当然、ボリュームをA面・B面同じにしても、A面のほうが音も大きく₍インピーダンスが低い)B面はそれにくらべて音が小さい₍インピーダンスが高い)。他に所有している「フォーセール」の両面3N2桁スタンパ盤はインジケータがほぼグリーンゾーンで両面の音量の差がないので同じくらいの入力レベルと言える₍インピーダンスがAB同じ)。

 

かと言って、A面の音が割れているかというとそうではなくて、非常にクリアな音質なのだ。当然チリパチノイズはあるものの、モノラルなのにステレオのように楽器間の分離が良いのだ。溝が荒れていないのも良い。このアルバムはジョージのギターが結構活躍しているのだが、3桁ザコスタンパの盤で聴くと音が濁って混じり合って聴きずらいのも確か。だがこの盤はA面B面ともギターの音もティンパニもピアノもベースもはっきり聴こえるのだ。楽器が詰め込まれすぎてないのが良いのかもしれない。ある意味スカスカ感が絶妙だと感じる次第。こういうあたりが渋めに聴こえて、あまりロックじゃないアルバムという不当な低評価なのかもしれない。ジョンレノン3枚目のアルバムに続いてここでも頑張っています。ベイビーズインブラックのイントロ終わりで、ジョージがアームダウンしているよね。昔国旗盤を聴いていたときは、そこだけテープの回転がおかしいのか?と感じてたけど、UK盤を聴いているとそこはギターテクだとわかって、今回もクリアな音でそこが再確認できて感慨深い。アルバムラストの曲もジョージがのびのびとギターを弾いている感じが気持ちよく伝わってくる。

 

惜しむらくは・・・・。A面2曲目にかなり大きなボツ音が2個あったこと。1曲目の音が良くて、さて次の「俺は負け犬~」とジョンが歌いだした途端、「ボツ」・・・「ボツ」と間髪入れず2発の直撃弾が。あとで盤を確認すると、確かに大きくはっきりとわかるキズがあった。結構盤自体がキズだらけなので、あんまり気にしていなかったが。こうなると気になってしかたがない。だが気にしていても仕方がない(どっちやねん、と自分にツッコミをいれて)と観念した。

 

 

 今回もe-bayで購入したのだが、セラーさんはイギリスはロンドンからはるかかなたの片田舎に在住。発送地をgoogleで調べたら、ウェールズ地方の町で人口2万人弱であった。いやーそこから日本まで郵便が届くんだね。Royal-Mail万歳。でもって、約10日くらいで無事届いた。日本の郵便局員さんが運んでくれて、そのままポストに入っていた。通常、e-bayは送料も事前にオープンになっていて、オークション形式であれ、Buy-it-Now形式であれ、送付先の国名を入力すればS&H(送料込み)で通知されてくる。購入決定しても商品代と送料₍手数料)がコミコミ価格になっていてわかりやすい。特にe-bayは建前が個人輸入直送なので、代理店を挟まないことからイギリス国内の代理店までの送料や手数料がかからずコスト削減になっている。問題は、たとえばセカイモンみたいな代理店を挟まないので、トラブルが起きたら基本的に自己責任で相手との交渉も自分でしなければならない。もちろん、米英だと英語だし、仏独だとフランス語やドイツ語でメールを送らなければならない。一応、セラーへの問い合わせやヘルプデスクもe-bayサイトにあるが、これも英語で問い合わせを出さないといけない(と思われる、がそこまで詳しくない)。だが、今回のブツはその送料が「セラーに確認してください」となっていた。つまり、オマエの方でセラーに問い合わせして送料を確定して払えと。いや困った。ということで、まず送料を確認するところからメールでの交渉が始まった。

 

僕:「はじめまして。私はあなたが出品された商品に興味を持ちました。日本まで送ることは可能ですか?できるなら、日本までの送料をご教示ください。よろしくお願いいたします。ありがとう。」

 

と、中学生レベルの英文で、メールを打った。すると、時差を考えても数時間後に返信メールがあった。

 

セラー: ハイ! ロイヤルメールの追跡ありで、24£だよ。 よろしくね!

 

と、実に簡単で分かりやすい英語で返信があったのだ。このセラーは信用できる、と感じた瞬間だった。

で、その後入札期限→落札と、すすんだわけだが、支払いの場面になった。はて、送料はどうしたもんかいな?と考えていたら、e-bayのフォーマットで、こういう最初から送料が明示されていない出品には、落札後即座にセラーに対して「送料込みのインボイス(請求書)を送れ」と自動メールが送信されるようだ。オク!やメルカリのように落札後の「挨拶メール」みたいなものはないようで、セラーから連絡があったのか、すぐに送料込みの支払い画面に切り替わった。送料は当然、以前確認したRoyal-Mailの値段であり、ちゃんと送付先の自宅の住所も明記されていた。そこで、pay-palで即払いしたところ、簡単に決済ズミとなり、セラーから「お礼のメール」が届いた。

 

セラー: いいね!(You are cool!) 週明けには、レコード送るからね。ありがとう。

 

と、これまた簡単なメールが届いた。地球は狭い。学生時代に友人たちと自由旅行に近い形でヨーロッパ各地を訪問したが、その時ホンマモンのネイティブ外人を相手にカタコトのジャパニーズ英語が通じた時の感動をあらためて思い出した。

 

僕:このたびは、お世話になりました。商品をお待ちしております。

 

と、これまた中学生レベルの返事を出した。

 

セカイモンもいいのだが、とにかく手数料が高くてコストが余計にかかる印象があった。e-bayでは中抜きがない分、若干だがお手頃価格の感じがする。とはいえ、レコード本体が20£程度で送料が24£って、どうなの?ってツッコミが来そうだが。

 

今回は、とりあえず、チャールズ国王陛下数枚でケリがついた。