2022年12月8日の一般質問で、「インクルーシブ教育」について質疑しました。

 

 

 

 

 

<インクルーシブ教育について龍円質疑ー議事録>

 

障害者権利員会から「分離教育」への勧告 

 

 インクルーシブな社会をつくっていく上で、私が最も重要だと考えているのがインクルーシブな教育です。

 

今年(2022年)8月、国連の障害者権利委員会で、日本の取組に関する審査が行われました。その結果、委員会から最も強い懸念事項として示されたのが、「日本における分離した場所での特別支援教育」でした。国際的にも、この教育のインクルーシブが社会全体にとって重要であると認識されていることが改めて確認できました。

 

 

ダウン症のある息子ニコは「通常の学級」も
 

 

私の子供にはダウン症があり、現在は「通常の学級」に通っていますが、「親のエゴ」「教育虐待」「子供がかわいそう」などと言われ、これまで何度も心が折れてきました

 

支援が十分にないことから学校に付添いを求められ、代わりのボランティア探しにいつも奔走しており、都議会議員としても、一保護者としてもこの課題と向き合ってまいりました

 

 

日本の教育現場には分離する「遠心力」 

 

 日本において、分離教育が進んでいるのには、分離した場(特別支援学校や特別支援学級)そのものがあるからということもありますが、教育現場に自然と分離する遠心分離機のような力が働いていると感じています。何か一つを変えたらいいということではなくて、あらゆる方策を丁寧に取っていくことでしか、共に同じ教室で学ぶという遠心力の反対の求心力は生まれてこないと感じています。

 

 

東京でも5障害は9割以上が分離した場所で教育 

 

 都でも、特別支援学校の対象になっている五つの障害の小中学生の9割以上が特別支援学校や特別支援学級といった分離した場で教育を受けているのが現状です。

 

 

全ての学びの場でインクルーシブな取組を推進 

 

 この状況から、その求心力を生み出すためには、通常の学級だけではなく、全ての学びの場でのインクルーシブな取組が必要ですが、都教委はその取組を少しずつですが、確実に進めてくれていると認識しています。

 

 

東京都教育委員会のインクルーシブな教育の取組 


 Q. 都では、豊島区と日野市で「インクルーシブな教育の実践的研究」に取り組んでいます。ここで得られた知見を生かしていくためにも、実際に取組に関わった教員のほか、保護者や児童生徒の声をしっかりと聞いた上で、ほかの区市町村にも取組を普及させていくべきだと考えます。都教委の見解をお伺いいたします

 

 

<東京都教育長の答弁>

 

 

インクルーシブな教育についてでございますが、都教育委員会は、令和2年度から、豊島区と日野市を指定し、特別支援学級等と通常学級の子供の交流や共同学習を進めるインクルージョンに関する実践的研究に取り組み、今年度(令和4年度)は、教員、保護者、児童生徒に対してアンケート調査を実施し、意見を聴取しています。
 
今後、このアンケート結果のほか、事例に基づく工夫点や留意点などの研究の成果を取りまとめた「報告書」を小中学校に年度末までに配布するとともに、報告会で周知するなど、区市町村の取組を支援し、それぞれの学びの場においてインクルーシブな教育を一層推進してまいります。

 

 

 

 

分離を進めてしまう予算構造を 

 

 

<龍円愛梨の一般質問議事録>

 今後、新たに検討していただきたいのが、スペシャルニーズのある子が特別支援学校に行くと区市町村の予算負担がゼロになり、一方で地元の学校に受け入れると、合理的配慮や支援のための予算負担は全て区市町村持ちという状況の改善です。

 

 

教育的な観点とは関係のない予算のことで子供が分離されることがないように、この予算のアンバランスさを是正していただきますようお願いいたします。(←要望です)

 

 

東京都教育委員会 「インクルーシブ教育」研究事業の報告

 

 

こちらが、答弁にありました東京都教育委員会が3年間かけて実践した「インクルージョンに関する実践的研究」の報告書です。

 

 

特に、豊島区の小学校で実施した計画的な共同学習の報告は、良い内容だったと思いますし、非常に参考になります。