東京都議会の厚生委員会で「都立病院」について質問しました。

 

今回の都議会からパソコンを持って参加してOKになったので、初めてペーパーレスで質問することができました!!(いやぁ、、、世間からすると時代錯誤している感は否めませんが、とにかく、とっても便利になりました⭐️)

 

質問した内容は以下の点です。

 

①小児総合医療センター(東京都府中市)

・すべての病室や院内でWi-Fiを利用可能に!!

・長期入院する子と家族への支援

・小児医療から成人医療への「移行支援」

 

②医療的ケア児支援センター

 

③LGBTQ等性的マイノリティの方々への医療

 

④精神疾患のある患者への医療

・都立病院全体での対応実績

・早期発見と早期介入

 

 

ちなみに、今回の質問は、令和4年度の都立病院に対する実績評価結果が出たのを受けてしました。↓↓↓↓↓

 

 

都立病院が昨年度、どのようなことに取り組んで、どんな成果を出してきたのかなどがまとめられているものです。質問内容と、答弁を以下にご紹介します。(ブログで分かりやすいように質問文は一部編集しています)

 

 

 

 都立小児総合医療センターは世界に誇れる小児医療

 「都立小児総合医療センター」は、合併症も多く医療的にお世話になることが非常に多いスペシャルニーズ(障害)のある子とその家族にとって、とてもありがたい病院です。

 

私自身も、ダウン症がある我が子と外来でも入院でも何度もお世話になってきました。その度に本当に信じられないほどのレベルの医療とサービスを提供してくれる病院だと感じてまいりました。

 

うちの子はアメリカカリフォルニア州のオレンジカウンティで生まれたのですが、スペシャルニーズのある子どもの療育・教育・社会的な支援については、残念ながらアメリカの方が圧倒的に先進的で、「アメリカの方が暮らしやすいなぁ」と感じているところなのですが、小児総合医療センターでの経験が「とは言っても、やっぱり日本で暮らしたい」と思った最大の要因でした。本当に世界に誇れる小児病院なのではないかと感じているところです。

 

今回の評価で小児総合医療センターが「S判定」というのは、とても納得いくものであります。私個人的には「Sプラス」と、さらに高い評価をつけたいところです。

 

それを踏まえまして、さらに良くしていくために、気がついた課題について質問をしながら確認していきたいと思います。

 

 

 病室でWi-Fiを使えるようにして欲しい

 

まずは「長期入院しているお子さんと家族への支援」という観点からお伺いしていきます。

 

小児総合では、重い病気やスペシャルニーズのある子が、何ヶ月にも渡って入院していることも少なくないと思います。私の子も3回ほど入院させてもらいましたが、その際に病棟内でいろんな症状のお子さんが「暮らしている」という感覚に近い状態で、過ごしている様子も見てきました。

 

ベッドで安静に子どもが過ごすにはタブレットを活用したい

そんな中、ある長期入院していたお子さんのお母さんから頂いた声なのですが、部屋にWi-Fiがないという点に非常に困ったそうです。そのお子さんは普段はとっても活発なのですが、身体的な症状から寝返りなどもうってはいけない状況で、ベッドの上で安静に過ごさないとなりませんでした。とは言っても子どもですので、ベッドでただ天井を見ながら何もせずにじっと何ヶ月も過ごすというのは不可能ですので、やはりタブレットなどを活用しながら安静に過ごせるようになることが重要だと感じます。

 

 

通信費用が非常に高くなる

私の子が入院したのはたった2週間ですが、それでも携帯のデザリング機能を使ってタブレットを利用させたところ、その通信費用が数万円になり、かなりの痛い出費になりました。

 

 

学びの継続にもタブレット利用できる

さらに、今では学校で1人1台のタブレットが配布されるようになりましたので、Wi-Fi環境さえあれば、お子さんによってはオンラインで授業に参加したり、自習をしたりすることで学びを継続していく可能性も広がっていくはずです。

 

 

 

都立病院の計画を見ると「患者中心の医療」の項目に、「病院内でのWi-Fiの導入を推進して患者のニーズに応えられるネットワーク環境を整える」と記載されています。

 

このお母様から相談があったのが、数ヶ月前で、当時確認させてもらったところ、AYA世代患者がいらっしゃる7階と、プレールームの一部だけにWi-Fiが整備されていて、他の病室では未整備だということでした。今後すべての病室にWi-Fiを拡大していくことが必要だと思っております。

 

またこれまでに、我が会派の菅原直志都議からは、一般質問などで「都立病院全体の病室のWi-Fi整備」について要望をしてきたところです。そこでお伺いいたします。

 

Q. 現在の小児総合医療センターの入院病棟の病室におけるWiFi整備状況について伺いますとともに、都立病院全体で100%のWi-Fi整備を進めるため、他の都立病院も含めた今後の整備計画について伺います

 

 

 

<東京都 保健医療局 都立病院支援部答弁>

小児総合医療センターでは、令和3年度までに、コロナ患者にオンラインで面会できるよう2病棟の全病室で、また、AYA世代がん患者など長期入院が多い1病棟のプレイルームで先行して患者用Wi-Fiを整備した。

 

今年度(令和5年度)、小児総合医療センターの他の全ての病室等について、患者用Wi-Fiを整備する予定

 
都立病院全体では、建て替え予定の病院を除く10病院を対象に、令和7年度までに、患者用Wi-Fiを整備する計画。なお、暫定措置として、Wi-Fi環境のない病院には、令和4年度までに、簡易Wi-Fiを設置。

 

 

今年度中に、小児総合医療センターの全ての病室などで、患者様のWi-Fiを整備することがわかりました!これは利用者にとってはかなり朗報で、クオリティー・オブ・入院ライフが格段に変わると思います。また広尾病院など今後建て替えをする病院以外の10の病院については、再来年度までにWi-Fi整備がされることも分かりました。大変、明るいニュースとなったと思います。

 

 

 

 長期入院するお子さんのご家庭支援は重要

 

 

長期間の付き添いの大変さ

 さて、先ほどの小児総合医療センターで長期入院しているお母さんの、お話を伺ってみますと、お子さんご自身がもちろん大変なのですが、それぞれのご家族の身体的そして心理的な負担は大きいということがわかりました。保護者は、仕事をやりくりしながらも、毎日のように長時間に渡って付き添いをしていることが多く、疲弊していきます。

 

 私もたった2週間の入院の付き添いでしたが、一緒に泊まり込んで、心配で片時も離れることができず、身体的にはボロボロになりました。病棟の他の家族の様子を見ると、心理的にも病室で辛そうにしている方の姿も見かけました。そういう保護者さんは、他の保護者と口をきくこともなく、殻に閉じこもっている感じで、見ていてとても心配になりました。

 

 

心理的な支援も必要

 一方で、お子さんが「帰らないで」と泣き叫んで呼んでいるにも関わらず、どんなご事情があるかはもちろん分かりませんが、ほとんど面会にいらっしゃっていないご家庭もありました。お話を伺ったお母様も「面会に全く来ないご家庭もあるんだよね。その子達が夜になるとすごく泣いて、(その声を聞くと可哀想になって)辛かった」とおっしゃっていました。そこから、お子さんの病気や障害に向き合うことが難しいと感じているご両親もいらっしゃるのではないかなと、推測したりしました。アメリカでは保護者(や家族)への支援が充実していたので、どのご家庭も比較的前向きに向き合えていたと思うのですが、日本では(心理面など)その面での支援がまだ不十分だというのも感じているところであります。

 

 

きょうだいへの支援が無い

また先に触れたお母様によると、入院中の子も心配なのですが、毎日ひとりで遅くまで留守番しながら一人で食事をしている小学生のきょうだいもとても心配だったと話しておりました。「きょうだいへの支援策」についていろいろ調べてみたのですが、今のところ公的な支援がない状況だということがその際にわかりました。

 

Q2そこで小児総合医療センターにおいて、長期入院するお子さん、保護者、家族への支援をどのようにしてきたのか伺います

 

 

<東京都 保健医療局 都立病院支援部答弁>
小児総合医療センターでは、新型コロナの感染対策のため制限していた家族等の面会ルールをコロナ前と同様に戻し、両親や小学生以上の兄弟姉妹等の面会も可能としているが、感染予防のため患者と面会ができない未就学の兄弟姉妹にはボランティアなどによる一時的に見守るキッズルームを設置
 
また、今年度整備する患者用Wi-Fiにより、経済的な負担を気にせずインターネットが利用できるようになり、患者や家族が過ごす院内環境の向上につなげることができる。
 
さらに、付添いの家族に向けて、シャワー等を利用できるリフレッシュルームなどを院内に設けている。
 
同一敷地内に、公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンが運営する宿泊施設を設置

 

物理的な支援ということでは、充実を図っているということが分かりました。今後、心理的にまいってしまっている保護者や家族に対するメンタルケアについても充実していただけますようにお願いします。また家族になかなか会えずに不安な想いをしているお子さんに対する支援、きょうだい児への支援について考えてまいりたいと考えています。

 

 

 

 入院患者の満足度を高めていくために

今回、小児総合医療センターの長期入院するお子さん家族に話を伺い、入院中の課題は色々あることが見えてきたため質疑させていただきました。

 

 

Q3.今回の評価を見ると、入院患者の満足度が目標を達成できなかった病院が14施設中11施設だったようです。これの背景にはどのような原因があるのか伺うとともに、それを今後どのように改善に繋げていくのか伺います

 

 

<東京都 保健医療局 都立病院支援部>
令和4年度の「患者満足度調査」は、コロナ前の令和元年度等の実績を目標値として設定し、実施。令和2年度から令和4年度にかけて、全体的な傾向として満足度が低下しているが、新型コロナの感染対策のため、面会制限など制約のある入院生活となったという背景。患者満足度調査の結果のほか、退院時のアンケート、投書などの患者の声を踏まえ、各病院のサービス向上委員会で改善策を検討し、患者サービスの向上に向けて取組。

 

満足度を下げていた大きな原因は「コロナ禍」による多くの制限によるものだったということでした。この点については納得ができます。今後もしっかりとアンケートに寄せられた声などを精査して、サービスの向上に向けて取り組んでいただけますようお願いします。

 

 

 

 小児医療から成人医療への「移行期医療」

次に、小児病院から、成人向けの一般の病院への移行についてです。

 

継続的に治療や経過観察が必要な病気やスペシャルニーズのある子どもの場合、さまざまな病歴があることなどから、切れ目なく継続して受診を続けながら大人の医療に移行していくことが求められております。

 

保護者同士で集まると「どうやって大人の病院に移行したらいいんだろう」という点については、悩みとして話に上がることが、よくあります。

 

 

計画には、大人向けの医療を提供している多摩総合医療センターと、併設している小児総合医療センターが連携して、患者の成長に合わせた移行期医療を提供することが記載されています。これは非常に重要な取り組みだと思います。

 

Q4.そこでお伺いしたいのが、どのくらいの人数の方がこの「移行機医療」を利用しているのか、そして、実際にどのような取り組みをしているのでしょうか?またスペシャルニーズ(障がい)のある患者については、特にどのような配慮をしているのかお伺いします。

 

 

<東京都 保健医療局 都立病院支援部>
令和4年度に小児総合医療センターから成人診療科のある病院へ転科をした患者は84名
 
転科に向け、小児総合医療センターの移行期看護外来において、患者が自分の病気を理解し、自分で治療を選択することが出来るよう、支援。
 
発達障害等の障害のある患者で、健康状態の説明や、薬などの管理が難しい場合には、精神科医師や心理士とも連携し、患者の保護者も交えながら、移行を支援
 
また、複数診療科が関わる患者や希少疾患を有する患者などが多摩総合医療センターの成人診療科に移行する場合には、関係する医療従事者が出席する合同の移行支援委員会において、患者の状況等について情報共有。

 

昨年度は84名もの方が移行できたとのことでした。その際にこんなに丁寧に移行を支援してくださっていることは、素晴らしいことだと思います!!こんな制度があることをもっと知ってもらえるように、院内等でお知らせいただくなどしてもらえると、家族にとっては安心につながりますので、よろしくお願いします。

 

 

 医療的ケア児センター

 

次に、「医療的ケア児センター」についてです。これまで委員会でもこのセンターについては質問をしてまいりまして、実際に利用した医療的ケア児の保護者の方々からお話を伺ってきましたが、創設からまもないため、体制整備にまだまだ取り組んでいるところだと認識しています。

 

Q5.医療的ケア児センターでは、これまでにのべ何人からの相談を受け、どのような支援に繋げてきたのか、お伺いします。また、効果的な支援には区市町村との連携、教育委員会との連携が重要だと以前の委員会質疑でお話ししたところですが、取り組みについてお伺いします。

 

 

<東京都 保健医療局答弁>
都は令和4年9月に、大塚病院と小児総合医療センターに東京都医療的ケア児支援センターを開設し、令和4年度は延べ259件の相談を受けた。
 
センターでは、医療的ケア児の家族から保育やレスパイトなどに関する相談を受け付け、地域の相談支援事業所等と連携しながら対応するとともに、区市町村に対して、訪問看護事業所に関する情報提供や、保育所と地域の小児科医との連携方法に関する助言などを行っている。
 
また、教員や教育委員会の職員を対象とした受入れに関する研修開催に向けて講師を紹介するなど、教育委員会等とも連携。引き続き、医療的ケア児とその家族が適切な支援を受けられるよう取り組んでいく。

 

(医療的ケア児センターでは)徐々に取り組みを充実させてきていることが分かりました。区市町村や教育委員会に対してのどちらかというとアウトリーチの支援と連携をしていることもわかってきました。

 

親としては「ワンストップで解決」するのが望ましいので、医療的ケア児センターで全ての相談に対応できるよう、さらなる連携の強化をしていただけますようお願いします。

 

→次に続きます。