この夏休みは東京都の青梅・奥多摩の多摩川で、たっぷりインクルーシブ自然体験をしてきました。
(左から森村隆行代表、乙武洋匡さん、たけひろさん)
東京都青梅市は、都議会議員で都民ファーストの会の党代表の森村隆行都議の地元であります!森村さんはもともと山登りが好きということで、この地域の山や川の様々な方々と繋がっておられます。今回、乙武洋匡さんと、乙武さんの友人たけひろさん、私とニコを青梅と奥多摩に誘ってくれ、豊かな自然体験をコーディネートしてくださいました。
初日ーインクルーシブSUP経験
初日はスタンドアップパドル(SUP / サップ)で3時間もリバークルーズを、楽しませてもらいました!
スタンドアップパドルは浮力の高い素材で大きいサーフボードの様なかたちをしていて、一寸法師のように1本のパドル(オール)を漕いで進むものです。
お世話になったのは「ぼちぼちアドベンチャーsusono」さんです。代表のアッキーさんは、スーパーナイスガイでした!!本当にありがとうございました!!
白丸ダムの上流側だからなのか、川の流れはとても緩やかで、まるで湖のような静かさで、川遊び初心者には安心できました。そしてなんといっても絶景すぎて、絵画の中に入ってしまったんじゃないかと錯覚をするほどでした。この日はとても暑かったのですが、川は天然の冷房がきいていて、涼しくて過ごしやすかったです。
(一人でSUPを漕ぐ乙武さんと絶景)
ただ、車を駐車したところから川までは、かなり急な坂道を降りていく必要がありました。車椅子ユーザーの乙武さんのために、なんと手作りで背負子を制作してくださっておりました。たけひろさんが背負って、自然界の凸凹を乗り越えました。
乙武さんは最初のうちはアッキーさんと二人乗りをしていたのですが、乙武さんの身体能力を見抜いたのでしょうか、アッキーさんが「一人で乗ります?」とおっしゃいました。
乙武さんのライフジャケットの中にパドルを差し込んで、全身を左右に使って漕ぎ出すと、めっちゃくちゃ早くて、みんなびっくりしました!!普段からトレーニングされているからでしょうね!!
SUPをする乙武さんとたけひろさん!!めちゃくちゃ良い躍動的な写真!!
さてニコですが、私がサーフィンが好きだったので、ニコにも水遊びが好きになってもらいたくて1年半前から週1回を目標にプール通いをして水慣れしてきたことと、実際にサーフィンも3回ほど経験したので、あまりSUPについては心配はしていませんでした。
↑これはニコが春先にサーフィンしている様子です。
ご覧のように波に乗るためにサーフボードではうつ伏せになっています。
SUPは座っている(または立つ)ことになります。ニコは体幹が弱いからだと思いますが、背もたれなしで座っているとだんだん疲れてきてグダグダになってくるのと、川の水を触りたくてボードの上をあちこち動いてしまうのではないかという懸念があって、ちゃんと安定して座っていられるかなぁというのが心配事でした。
ところが、SUPの前側に座椅子を取り付けていただいたおかげで、3時間ほど川にいる間、安定して座っていられました。背もたれがあることで身体的にも楽だったのと、「ここがあなたの居場所」というのが分かりやすかったため、動き回ることもありませんでした。
途中からニコが、水を漕ぐパドルを自分でやりたいと言い出しました。とても楽しかったみたいで、2時間くらいはニコが漕いでいました。本人は楽しんでましたが、全然前に進みません。私が後ろで両手を使って漕ぎましたが、スピードが遅い。。。そこでsusonoスタッフのボードと連結してくださって、ぐいぐいと引っ張ってくださいました。きめ細やかな配慮が本当にありがたかったです。
(パドルで漕ぐのにはまったニコ)
というわけで、こちらがSUPをしている様子です!!!最高でした!!
宿泊は奥多摩町営の「はとのす荘」
宿泊させてもらった「はとのす荘」は、奥多摩町の町営なのですが、驚きの高クオリティのホテルでした。
インクルーシブラジオの収録のために、乙武さんとたけひろさんのバリアフリールームにお邪魔した時の一枚ですが、ベランダの眼下に多摩川が流れています!!バリアフリールームは、車椅子ユーザーとして快適に過ごせたとおっしゃっていました。
食堂は、「はとのす荘」というホテル名からは想像していませんでしたが、本格的なイタリアンでした!レストランで働いていらっしゃるのが地元の方々で、とっても温かくて素敵でした。
ラジオ_多摩川でインクルーシブな屋外体験!何を感じた?
初日の終えて、Voicy「乙武・龍円のインクルーシブラジオ」でSUP体験とホテルについて収録した放送がこちらです↓ ホストをしてくださった都民ファーストの会の党代表の森村隆行さんがゲストです。
2日目ーアドベンチャーな多摩川ラフティング
多摩川をゴムボートで下るラフティングをしました!
アテンドしてくださったのは、宿泊とラフティングや川遊びができるA-YARDのラフティングプランナー柴田大吾さん!元日本代表で、世界選手権総合準優勝もされている超プロフェッショナルです。写真の一番左が柴田大吾さんですが、やっぱり超絶ナイスガイでした。
SUPは不安がなかったと書きましたが、ラフティングにはちょっと不安がありました。ニコが怖がったりしないか、川に投げ出された時にすぐに助けに行けるかしら、乙武さんも不安があるのではないかしらなど考えちゃっていました。
しかし大吾さん達との一緒のラフテイングは、安全そのものでした!!
前日のアッキーさんから「漕ぐのが大好き」だという引き継ぎを受けたのか、ニコ用のオールが用意されていて、ニコはわくわくしていました。
ラフティングへの乗り降りもしっかりケアしていただきました。
(ニコ、漕いでます!)
私たちのラフティングの周りには、こんな風にパックラフトやダッキーと呼ばれる小さいゴムボートに乗ったスタッフの皆様が並走してくださいました。先に行って川の様子を見たり、沿岸にいる釣り人にお声掛けしてくださったり、後にいて何かあったらすぐに駆けつけてくれようと見守ってくださったり、写真を撮影してくださいました。
岩場もあるのですが、大吾さんの指示に従ってオールを漕いだり止めたりすることで、スイスイとすり抜けて行くことができました。どうやら希望すればわざと転覆して楽しむこともあるそうですが、私たちは「転覆なしの安全バージョンでお願いします」とお伝えしました。とにかく大吾さんがすごくて、どうやったらこんなにたくさんの人が乗っているボードを自在に操れるんだろうかと、驚きました。
流れが穏やかな場所で、休憩タイムもありました!「じつは水が怖い」とおっしゃっていた乙武さんも、川に浸かりながらリラックスしていらっしゃいました。
仰向けになって水に流されるという遊びがあるのですが、なんと乙武さんが「やってみる!」とおっしゃって、森村さんと一緒に流れていました。(この仰向けで流されるのは、もしも川で本当に流されてしまった時に、身を守る安全な流され方だそうです)
森村さんとたけひろさんは、途中から岩から川にジャンプを始めました。
すると乙武さんが「あそこの岩に登りたい」とおっしゃって、このポーズ!!
と思ったら「ここから飛び降りてみる」とおっしゃるではないですか!!!
そこにいた誰もが、乙武さんが岩からジャンプするのは想定していなかったので、スタッフの皆さんも少し驚いた様子でした。
ラフティングの時は余裕そうだった大吾さんも、こんな真顔になって、乙武さんが岩にぶつからないように下に入ります。乙武さんの表情からも、緊張感が伝わってきました。
そして、ジャンプ!!!
かなりの跳躍力で、無事に水の中にダイブしてました。ご自身の力ではすぐに仰向けになれないので、大吾さんがすぐさまお身体を引き上げました。本当にすごい!!
その頃ニコはというと、前日からお世話になっているアッキーさんやスタッフの皆様が遊んでくだっており、超上機嫌でした。みなさん本当に心優しい!!
2日目のラフティングも、インクルーシブでかけがえの無い素敵な体験になりました。
あらためましてぼちぼちアドベンチャーsusonoアッキーさん、A-YARDの大吾さん、関わってくださった皆様、すべてをコーディネートしてくださった森村隆行さん、本当にありがとうございました。皆様の優しさと、心強さと、インクルーシブな心と工夫と配慮に感激しました。
ラジオー夏休みを諦めない。インクルーシブツーリズムで"体験格差"解消
帰りの車中で、乙武さんと話したのがこちらです。(ちょっと音声が聞きにくくてすみません。ボリューム上げると聴こえやすいです)
詳しくは聞いていただきたいのですが、乙武さんが「もともと僕って自然ってそんなに好きじゃないんですよ」とおっしゃったのが、意外でした。しかし、その理由を聞いて納得しました。「僕が子どもの頃って、車椅子と自然の相性が悪すぎて行く気にもならなかったんですよ。同年代の車椅子ユーザーでめちゃくちゃ自然に親しんできましたという人は、少ないと思うんです」ということなんです。
乙武さんが、経済的な理由による夏休みの体験格差を無くそうというNPO法人フローレンスのプロジェクトについて触れて、体験の蓄積が自己肯定感につながったり、新しいことにチャレンジする意欲に繋がるという研究データもあることを紹介してくれました。
そして、障害があることで「諦めないといけないこと」「体験できないこと」がいっぱい出てきちゃうので、そういうのをサポートする仕組みを作っていきたいという話になりました!
具体的にどんなことが出来そうか、作戦会議していますので良ければ聞いてください。
自然が好き
私は、何が好きって、自然と音楽が好きです。自然がないと、心の潤いを失って、カピカピに乾燥してしまう気がしています。20代は、高校時代の友人らとみんなで山登りをしていました。サクッと近場の山を登ることあれば、泊まりがけで行くこともありました。
30代に記者になって、休みが友達と合わなくなったこともあり、一人でも気軽に行ける海でサーフィンをするようになりました。と思ったらハマりすぎて、真っ黒になりましたが。。。この頃はキャンプもよくしていました。
私の人生を振り返ると、「自然」こそが潤いであり、楽しみであり、自分らしくいられるバランスを得られる場所になってきました。
だからこそニコとも自然の中での遊びを大切にしたいと考え、休日はなるべく自然の多い場所に行って遊ぶようにしています。
とはいえ、私が連れて行けるのは、整備された安全な自然に限られてしまうんですよね。
ダイナミックな自然で、スペシャルニーズのあるニコと安全に遊ぶためには、自然に対する理解とスキルがある専門的な人と一緒であること、安全な器具や備えをしておくことなど、ハードルがいくつかあります。(ニコと一緒じゃなくても自然遊びは備えが重要だと思いますが)
今回の多摩川2DAYSを経験して、あらためてこのことを実感しました。
アッキーさんや大吾さん達のようなプロフェッショナルの知識・スキル・豊富な経験に基づいての体験だったこと、きちんとした備えがされていたこと、乙武さんのための背負子だったりニコのための工夫や配慮といったインクルーシブ支援があったこと、何よりも「一緒に楽しもう」という想いを持ってくださっていたことが、重要だったと感じています。
どれか一つでも欠けていたら、インクルーシブな自然体験は難しいとも感じました。つまり「とりあえず、自然の中に行ってみりゃ、なんとかなる」ということではないということです。
乙武さんから「体験格差を無くそう」という話にも、とても共感しました。「インクルーシブな自然体験ツーリズム」に本格的に取り組んでいけたらと考えております。
その後、森村隆行都議とは「多摩地域の観光資源として"インクルーシブツーリズム"進めたいよね」と具体的に話し合いを始めております!!進展があったらまた報告しますね。