小池百合子都知事長谷部健渋谷区長龍円あいり都議公開政策会議

 

 

私が主催する「第三回東京・渋谷ミライ会議」小池百合子都知事と、渋谷区長の長谷部健さんが来てくださいました。(オンライン開催)

 

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このメンバーで東京や渋谷の未来について語れるなんて、すごく贅沢で、ありがたいことです!緊張しましたが、無事に終わりました。

 

 

  渋谷区の笹塚・幡ヶ谷・初台・本町地区まちづくりを「水道道路」から進める

 

 

私から提案したのが、笹塚・幡ヶ谷・初台・本町地区をつなぐ「水道道路」を歩くと楽しいシブヤ愛に溢れるまちづくりをする話です。

 

 

水道道路は、全長は3キロメートルで、まっすぐ東西に伸びる通りです。

 

 

こちらは上空から見たこの地域です。

 

新宿副都心から西にまっすぐ伸びて、渋谷区の一番の住宅街である本町、初台、幡ヶ谷、笹塚を通り抜けています。

 

「甲州街道」に並行して走っています。(甲州街道の上は中央高速道)甲州街道は「移動や物流」の大動脈となっています。

 

水道道路は、移動や物流という意味ではあまり役割がない通りであり、どちらかというと、この一帯に暮らす人の「生活の中の移動」に使われている通りです。

 

 

 

その水道道路を「人」を中心に考えた歩いて楽しい道路にしていきたいのです。こちらは2017年に始めて都議会議員選挙に立候補した時からの公約です↓

 

 

 

 

この地域には、十三号、十号、十号坂、六号、六号坂、不動通り、オペラシティなど下町情緒が溢れる素敵な商店街が多数あります。その商店街が創り出してきた魅力が、水道道路にまで溢れ出させて、地域を横軸で結びさらにシブヤ愛が育てられたら素敵なのではないかと思うのです。

 

 

 

 

 

  水道道路の課題は「都営住宅」ピロティ・空き店舗

 

水道道路って、ポテンシャルがとても高い素晴らしい通りで、可能性に溢れているのですが、それが活かせていないという現状にあります

 

 

車道、自転車道、歩道が完全整備されている

 

水道道路は、道路の両サイドにしっかりとした歩道があり、車道には自転車道も設置されています。「人」が安全に移動するにはとても適した通りです。

 

 

 

都営住宅の薄暗いピロティ

 

しかし、この通りは活気がなくて暗いのです。

その最大の理由が、3キロメートルある道路のうち、1.5キロメートルは、南側を遮るように都営住宅が建ち並んでいることにあります。

 

 

 

無機質な都営住宅が並んでいるだけではなく、一番の問題は、その1階部分にあります。ほとんど全ての都営住宅の1階部分が、このような空洞の吹き抜け(ピロティ)になっていて、何にも活用されていないのです。

 

 

 

 

 

 

 

ちらほらと自転車が置いてある以外には使用されていないのです。そのため、道路の印象が薄暗〜い通りになってしまっているのです。

 

 

都営住宅の長年使われていない空き店舗

 

 

 

 

さらに長期間の「空き店舗」の存在もあります。これらはかつては、この土地を所有していた方らが店舗等として活用していたそうなのですが、高齢化など様々な事情で活用しなくなった後は、「空き店舗」として長らく放置されている状況にあります。東京都の規則で、これらは商業施設として転用することが不可

 

 

  都営住宅1階のピロティはなぜつくられたのか?

 

じつはこの政策は、2017年に初めて東京都議会議員になった時からの公約として取り組んできました。「このピロティスペースを明るくしたい。地域コミュニティーの場として活用できないでしょうか?」と東京都住宅政策本部の担当者さんと初めて話した時の返事には、驚きました。

 

「このプロティスペースが、何の目的でつくられたのか東京都の建設当時の記録が残っていない目的がわからないスペースについては、使用することができないというお答えだったのです。

 

建設したのがかなり前のことなので、当時の記録が残っていないのだそうです。行政的なルールなのでしょうが、目的不明な場所は、利用ができないのだそうです。

 

しかしその後2年くらい経って、なんと東京都のご努力で「このスペースが何のために建設されたのか」が判明しました!

 

当時は車の排気ガスが公害だった時代だったそうです。水道道路のように車が往来する通りに面している住宅は、1階部分は排ガス対策として住居にできなかったのだそうです。

 

目的が判明したため、いよいよこのスペースを活用することが考えられる状況になりました

 

(なお、1階が吹き抜けのため、耐震強度が足りないのではないか心配されるお声を頂いておりますが、現在は耐震強度を補強する工事が終わっております)

 

 

  2020年都議会一般質問ピロティをコミュニティースペースに使用可能に

 

 

(2020年3月都議会本会議一般質問に登壇)

 

そこで2020年の都議会本会議の第一定例会で、水道道路の都営住宅の1階部分をコミュニティースペースとして利用するべきとの質問をしました。

 

<2020年3月龍円一般質問>

 渋谷区では、笹塚、幡ヶ谷、初台の頭文字をとったササハタハツプロジェクトが二年前に始まりまして、行政と地域住民らがまちづくりワークショップを行ってきました。そこで繰り返し要望されているのが、このササハタハツをつなぐ水道道路沿道におよそ一・五キロにわたって連なる都営住宅の一階部分の空洞のピロティーをコミュニティスペースとして利用したいということです。
 現在は居住者の自転車が置いてあるだけで、基本的には利用されておりません。そして、居住者は高齢化も進み、見守りのニーズも高まっています。一方、周辺は商店街があり、ファミリー世代も多い地域ですので、ピロティーで居住者と地域の住民のつながりが生まれることは、双方にとっていい効果があるはずです。
都営住宅の居住者と近隣の人が交流する場所として、地域住民が都営住宅のピロティーなどのスペースを使えるようにすることが必要だと考えますが、都の見解を伺います

 

 

<住宅政策本部長答弁>

 都営住宅のピロティーなどの活用についてでございますが、居住者の高齢化や単身化が進む都営住宅において、集会所や敷地等を交流スペースとして活用し、居住者と地域住民との交流促進を図ることは、コミュニティの活性化や緩やかな見守りの実現につなげる上で重要でございます。
 都営住宅の建物や敷地は、公営住宅の用途に使用する行政財産でございますが、住宅を管理する上で支障がなく、国または地方公共団体が公用または公共用に使う場合には、使用許可することができます。
 このため、ピロティーなどのスペースについて、お話の水道道路沿いの都営住宅を含め、地元区市等からの地域交流やコミュニティ形成の場としてのニーズに対しましては、可能な限り協力をしてまいります

 

 

つまり、東京都からは、渋谷区が行政としてコミュニティースペースを設置するのであれば、このスペースを提供できるとの答弁がありました。このスペースは1.5キロに渡って建ち並ぶほぼ全ての都営住宅の1階にあります。ここを地域のために活用できるようになれば、可能性がたくさんあります。

 

異なる年代が交流できる場所、コワーキングスペース、常設の子ども食堂、10代の居場所、歩いている人たちが少し休める場所などなど、可能性は広がります。

 

 

 

  ピロティをどう活用するか?可能性色々

 

 

 

都営住宅+福祉

 

都営住宅に住んでおられる方々は高齢化が進んでおります。

 

シニアの方々のためにエレベーターを設置することを都に要望したのですが、現在の建築基準法に適合しないため「エレベーターを追加する」という工事は不可能だそうです。エレベーターを設定するには「建て替え」をする必要があるそうです。

 

都内にはもっと古い都営住宅も数多く、水道道路沿道の都営住宅についてはまだ建て替えの時期に達していないとのことでした。

 

すでに耐震強度の補強工事をしてしまったこともあり、しばらくは建て替えの計画もないとのことでした。

 

エレベーターというハード面での解決ができないのであれば、ソフト面で解決していくことが必要になります。

 

 

都営住宅の1階部分には「空き店舗」となっているところ介護施設等の福祉事業所を誘致していくことも進められないか考えています。渋谷区は家賃も高いですから、福祉事業所が参入しにくい土地柄でもあります。

 

そこで都営住宅の空き店舗などを活用していくことで、都営住宅の住人の方々に長く安心して暮らしていただけるサポートになるのではないかと考えています。もちろん地域住民の方々にとっても介護や福祉サービスが増えていくことは、長年住んで地域で長く暮らしていただける支援になるのではないかと思います。

 

今後は「都営住宅」+「福祉」を本格的に進めていきたいと考えています。

 

 

様々な可能性を検討

 

可能性は様々な可能性を、地域の方々と検討していきたいと考えています

 

 

 

 

  水道道路まちづくりを進めるには東京都と渋谷区の連携が必須

 

 

笹塚・幡ヶ谷・初台をつなぐ水道道路沿道の都営住宅1階の空きスペースとなっているピロティや空き店舗を有効活用することで、水道道路のまちづくりを進めていきたいと思っています。

 

縦軸の商店街の活気を、横軸の水道道路は人と人をつないでいくことで、街全体に広げていけると思っています。

 

また水道道路ならではのアートやカルチャーも育てることで、さらに「シブヤ愛」溢れる街になっていくのではないでしょうか。

 

そのためには東京都と渋谷区の連携がより一層強固なものにしていかないとなりません。

 

水道道路は都道で、都営住宅は東京都の公営住宅ですから、どうしても東京都が主導することになります。しかし東京都としては、他の地域の政策とのバランスも取る必要があることから、なかなか進みにくいという現状です。

 

そこで連携を強化しながら、まちづくりを渋谷区が主導できるようにすることも重要です。

 

 

  小池都知事・長谷部区長に提案し→東京都と渋谷区の「勉強会」設置へ

 

小池都知事と長谷部健区長が参加してくださった「東京・渋谷ミライ会議」では、上で書いたようなことをプレゼンテーションしてから。以下のようなことを提案しました。

 

 

<龍円>

今後、水道道路を区道にするとか、都営住宅を渋谷区に移管して区営住宅することで、渋谷区が柔軟にまちづくりを進め、住んでいる人たちの生活もより豊かにしていけるはず!!検討しませんか?

 

 

 

<小池百合子都知事>

渋谷区は先進的で革新的なまちづくりをしながらも、地域住民とのコミュニケーションが上手!渋谷ならではのまちづくりを推進してほしいと思う。まずは都営住宅を渋谷区に移管することなどについて、東京都と渋谷区での「勉強会」を立ち上げませんか

 

 

<長谷部健・渋谷区長>

ぜひまちづくりのビジョンを東京都と渋谷区で共有するためにも勉強会を立ち上げたい。都営住宅に関しては福祉という観点から、よりニーズにあった新しい公営住宅のあり方を探りたい。また区道になれば、まちづくりがより進められると思うので、ぜひそこは龍円さんに進めてもらいたい。

 

 

 

  水道道路沿道のまちづくり東京都と渋谷区の「勉強会」を創設へ

 

小池都知事からのご提案で、この地域のまちづくりに関して東京都と渋谷区の勉強会が立ち上がることになりそうです。東京都と渋谷区が連携してよりよいまちづくりをしていけるように、私としても引き続き取り組んでいきます。

 

 

  水道道路沿道のまちづくりは公園・移動・アートも重要

 

 

水道道路のまちづくりを考えるに当たって、一番大きな課題は確かに都営住宅なのですが、その他にもたくさんの要素があります。

 

 

沿道の9つの区立公園機能性と快適性をUP

 

沿道に9ヶ所ある区立公園の機能性とクオリティを上げていくことで、この通りが「歩いて楽しい」通りになっていくはずです。

 

 

現在の区立公園は、ほとんど利用者がいません。

子どもが遊ぶ姿も、憩う人の姿もない公園が多数です。

 

 

これらのの9つの公園に、例えば、ひとつひとつにテーマ性を持たせて魅力のある場所としていくと、公園それぞれの利用者が集まるだろうし、公園巡りをする人も出てきそうです。

 

 

駐輪場・モビリティシェア移動しやすい水道道路へ

 

水道道路沿道の住民にとって、徒歩または自転車というのが現在の現実的な移動手段です。

 

しかし自転車の駐輪場は少ないこともあり、商店街等では自転車が課題になってもいます。

 

そこで都営住宅のピロティなどを、一般の方の駐輪スペースとした活用できるようにしていく必要があると考えています。

 

また、マイ自転車を利用せずとも移動が可能となるようにシェアサイクルや、シニア世代でも利用しやすいような次世代型モビリティをシェアできるようにしたら良いのではないかと考えています。

 

そのような移動手段を確保していくことで、水道道路を快適に移動しながら暮らすことが可能になってくると考えています。

 

 

 

 

アートの力で彩りのある通りへ

 

この通りは何と言っても無機質な都営住宅が雰囲気を、決定的にしています。しかも渋谷区は「落書き」という課題もあります。

 

 

都営住宅の落書き除去は、1回目は東京都が予算を出しますが、2回目以降は暮らしている住人が予算を出すというルールになっています。しかし、実際は住人がその予算を捻出するのは難しいため、落書きが放置されてしまうことになります。(この写真の落書きについては、東京都が壁の塗り替えで除去済み)

 

私が以前暮らしていたアメリカでは、壁画が街の彩りと活気を生み出しておりました。地域の子どもや多様な人たちが一緒に壁画を描くことで、彩りを生み出し、アートによる人のつながりを作り出せたらと考えています。

 

 

何れにしても、地域の皆様と今後もたくさんの機会を通じてお話を重ねて、まちづくりを進めていけたらと思います。