日本の特別支援教育を左右する国連審査が始まります!

 

東京における特別支援教育の充実と、インクルーシブ教育を進めたくて、2018年から5年連続で都議会の文教委員会に所属して取組んできました。(この秋から6年目に突入)

 

2018年からただひたすら開催を待ちわびてきた、障害者権利委員会の対日審査がとうとう始まります!(コロナの影響で2年延期されました)

 

その前に、少しこれまでの経緯を振り返り投稿します!
 

  障害者権利条約、日本は2014年に批准

 

国連で「障害者権利条約」が批准されったのが2006年12月でした。日本は国内の法律が整っていなかったため、2011年障害者基本法の改正、2012年障害者総合支援法の成立、2013年の障害者差別解消法などを経て、2014年に障害者権利条約を批准しました。

 

 

  障害者権利条約は「インクルーシブ教育」の根拠

 

障害者権利条約の第24条に「教育」という項目があります。

 

 

インクルーシブ教育が知的障害のある子も含めて「最良の教育」だとしており、「フルインクルージョン」を最終的な目標だと明記しております

 

全文は国連のリンクをご覧いただきたいのですが、障害者権利条約の第24条教育について、一部の翻訳をしました。

 

個別のニーズに対応する支援と特別な教育をしながらも、その場所は地域の学校で共に学び育つインクルーシブ教育を推進することが条約の中に示されています。

 

障害者権利条約については、より詳しい説明として「障害者権利条約ガイドブック」というのがあります。

 

ここには、なぜインクルーシブ教育を進める必要があるのか明確な理由が示されています。またインクルーシブ教育というのは、障がいのある子とない子が同じ教室内で隣り合わせで学びあい、育ちあうことであるということがここからも分かります。これも一部翻訳しました。

 

 

外務省が発表している翻訳を引用しないのには理由があって、翻訳が意図的に意味を変えてあるように思われる側面があるからです。ベネッセ教育総合研究所常任顧問の榊原 洋一教授も、6回にわたってこの件を記事にしています。

 

 

 

 

  日本は特別支援教育は充実!しかし分離教育が進む

 

日本の現状について書くとあまりにブログが長くなるので別の記事に記したいと思いますが、特別支援教育は充実していることは間違いありません!しかし全国的に見ても、特別支援学校や特別支援学級といった分離された場所で学ぶ児童生徒が増加の一途をたどっています。

 

条約では知的障害児も含めてインクルーシブ教育が最良だとしているところですが、日本では通常の学級は知的障害児は学びの場としてふさわしくないとされてしまってもいます。

 

 

  国連・障害者権利委員会での日本審査!

障害者権利条約を批准した国は、障害者権利委員会へ取組状況について報告し、審査を受け評価されます。

じつはこの審査に先立って、かなり長いプロセスがありました。DPI日本会議の説明動画がとにかくとても分かりやすいので、ここに貼っておきます。(動画の17分14秒からインクルーシブ教育について触れています)

 

 

 

2016年には、日本政府から委員会への第1回の報告レポートが提出されています。また障害者権利委員会は政府の取り組みを審査するにあたり、民間のNPO等からも「パラレルレポート」を受け付けております。

 

日本障害フォーラムが国連に提出したパラレルレポートのリンク一覧はこちらです。第24条の教育に関しても触れています。

 

 

 

これらを踏まえて、障害者権利委員会による、日本における障害者権利条約の内容についてどのように取組んでいるのか、2日間にわたって質疑等による審査が行われます。場所はスイスジュネーブの国連です。

 

 

 

日本語翻訳付きでこの審査の対話をオンラインで視聴できるそうです!!視聴はこちらから↓

 

 

 

 

  9月には障害者権利委員会から日本に「勧告」が

 

この審査を受けて、9月中旬には障害者権利委員会から日本政府に対する勧告が出される予定になっております。この勧告内容によっては、日本における特別支援教育の方向性が大きく変わる可能性もあります。とても重要な内容になっています!

 

もちろん、勧告の内容受けて私も文教委員会での質疑を9月以降に予定しておりますので、とても注目しております!!

 

 

 

  インクルーシブ教育との出会いはアメリカでした

 

私はアメリカでインクルーシブ教育に出会いました!!

 

スペシャルニーズ(障がい)のある児童生徒が、通常学級で共に学び育ちながらも、とても綿密な個別の教育プログラムに基づいて支援を受けながら学んでいることに、感銘を受けました。

 

テレビ朝日の報道ステーションが取材してくださった動画がこちら。

 

 

 

私は、東京において特別支援教育の充実と、特別支援教育の対象となるすべての児童生徒が、希望すれば通常の学級の児童生徒とともに日常的・継続的に学び育つインクルーシブな教育環境を得られるように推進していきます!