落書き対策にインクルーシブ・アート
前回のブログで「落書きさせない街づくり」について書いて、アートが落書き防止に効果があることに触れさせていただきました。
今日は、現在進めているインクルーシブアートの取り組みについてです。
インクルーシブアートは可能性いっぱい!
私は、スペシャルニーズ(障がい)のある人もない人も、多様な人たちが自分らしく参加していると感じられるインクルーシブ社会の実現を目指しています。
そこで、多様な人たちが参加するインクルーシブ・アートの力で落書き対策ができたら素敵だなと考えています。
そう考えるきっかけとなったのは、アール・ブリュットの総本山「東京都渋谷公園通りギャラリー」のワークショップに、息子のニコと一緒に何回か参加させてもらったことです。
(ワークショップでペイントを楽しんでいる息子のニコ)
スペシャルニーズのある人ない人、年代も様々、海外にルーツがある人も参加していていましたが、アートを通じて参加者同士がコミュニケーションしながら仲良くなる様子を見て、アートはバリアが少なく、誰もが一緒に楽しめるものだなと実感しました。
インクルーシブとアートは、とても親和性があると感じたのがきっかけになり、インクルーシブアートの政策を進めたいと考えるようになりました。
渋谷区最大の落書きを消しインクルーシブアートを!
そして現在、インクルーシブアートによる落書き対策のプロジェクトを進めています。
最大級の落書きが渋谷に・・・
舞台となるのは、渋谷区東2丁目にある都営バス営業所です。
渋谷と恵比寿の中間くらいで、明治通りの一本裏の通りなのですが、なんと約200メートルにわたって落書きされてしまっておりました。
落書きの多い渋谷区内でも最大級の落書きでした。
2021年夏から都営バスを所管する東京都交通局とやりとりを続け、年明けの2022年1月に落書き消しが実現しました。
落書き消しの様子は、こちらです↓
再発防止策
落書きする人は、わずかな時間で描くのでしょうが、消すのには1週間以上の時間がかかり、そこに税金が投入されるわけです。
再犯させるわけにはいきません。
白い壁になっている部分は、落書きを防止するために現在は幕が貼ってあります。
茶色いフェンスになっている部分もピカピカになりました。
落書きする人を監視する防犯カメラが6台設置され、落書きが犯罪であることを伝える貼紙がされています。(カメラは死角をカバーするためにもう1台設置予定です)
ここまで丁寧な対策ができた背景には、東京都交通局の担当課長が、以前は都民安全推進本部で落書き対策に取り組んでいたとのことで、とても理解があり熱心だったことがあると思います。W課長、本当にありがとうございます。
SHIBUYAみんながつながるインクルーシブアート
落書きの再発防止のため、インクルーシブアートをここの壁で実現したいと考え、準備を進めてまいりました。
長くなりすぎるので詳細は割愛しますが、様々な過程を経て、今日ここに発表できることがとても嬉しいです。
SHIBUYA
みんながつながる
インクルーシブ・アート
一般社団法人 CLEAN & ART ✖️渋谷区障害者団体連合会
2つの団体がコラボ(共催)というかたちで実現することになりました
一流のアーティスト集団でもあり、落書き消しのプロフェッショナルでもあるという異色の団体です。
私が「落書き対策」に取り組むきっかけとなったのは、約3年前にCLEAN & ARTが開催した落書き消しボランティア研修を受講したのがきっかけでした。落書きについて理解を深め、ボランティア後も自主的に美化活動に取り組めるような内容の研修で、とても勉強になるものでした。
渋谷区内に住む身体・知的・精神の障がい者21団体で組織されていて、創設35年目の団体です。
アートに特に力を入れていて、主催する芸術展「どきどきときめき展」は見応えがあります。今年はなんと29回目!
継続は力なりだと感じたのが、アートが各団体に根付いているようで、展示数が多く、素敵だなと見入ってしまう作品がたくさんあることでした。心動かされ元気になる展示会です。コロナ禍でも芸術の灯火を消さないために、オンラインも併用した開催をしていました。
この2団体のプロジェクトを、東京都交通局・生活文化局、アーツカウンシル東京、渋谷区が支援するかたちで動いています。
さてどんなプロジェクトかと言いますとー
落書きが消されたこの壁を↑
完成予想図↓のようなアートで彩るプロジェクトです。
原画づくりワークショップを開催します
このアート作品は、CLEAN & ART代表壁画アーティストの傍嶋賢さんがプロデュースします。
傍嶋さんによりますと、いくらアートは自由だとは言えども、壁画は特に付近住民にとっては毎日のように目にすることになるものでもありますので、誰もが好感を持つものであり、多様な人が参加しながらも作品としても良質なものである必要があるのだそうです。
その上で、スペシャルニーズのある人もない人も、小さい子どもからシニアまでが参加し、それぞれが自分らしく表現できるというインクルーシブ・アートを実現するには・・・かなり考えていただいて、以下のようなかたちでそれを叶えることになりました。
SGDsの17色の三角形や四角形などのピースを用意し、原画づくりワークショップに参加する皆さんに、好きな図形を作成していただくのです。
身体的なハンデがあったり、視覚障害がある人、小さいお子さんでも参加しやすい工夫がたくさん込められています。
参加者の原画を、CLEAN & ARTが忠実に白塗りの壁に再現します!白い壁部分は約100mあるのですが、そこに120点の作品が、上のイラストのように散りばめられる予定です。
原画づくりのワークショップには、渋谷区障害者団体連合会に所属しているスペシャルニーズのある方々が参加します!
また、地域の方々誰にでも参加していただけける日もあります‼️
スペシャルニーズのある人もない人も、こどもも大人も、誰もが参加いただけます
参加されたい人は、QRコードを読み込んでいただくか、申し込みフォームからご記入をお願いします。
ブログの一番最後に、景丘の家へのアクセスについて書いておきます。
10月には壁に色を塗るワークショップも開催
10月には、実際に壁に色を塗っていくワークショップも開催する予定です
白い壁に、参加者がマスキングテープで自由に線を描いていきます。そしてテープが作り出す三角や四角などの空間に、SDGs17色を好きに塗るというものです。
こちらも参加者がそれぞれ表現できる工夫がされています!大きな壁に、色を広げていくのは気持ちよさそうだなと思います
こちらについても追って報告いたします。
壁画は10年、20年、もしかしたらもっと、残っていきます‼️
子どもだった時に作成したとしても、その子が成人するまで残る可能性もあります。スペシャルニーズのある人、子どもからシニアまで、多様な皆さんと一緒に作り上げた作品が壁を彩り、落書き防止策として課題解決にもなるって素敵だなと思います
SHIBUYA みんながつながるインクルーシブアートプロジェクトにどうぞご期待いただけたら嬉しいです。
景丘の家へのアクセス
景丘の家は、私とニコが大好きな渋谷区立の児童館です。
1階の入り口は↑ですが、おすすめは地下から入る方法です。
こちらの赤い矢印をご参考にしてください
Tokyo Innの隣の細い路地を入ります。
奥に入りますと、駐輪場があります。
インターホンを押して、ご入館できます。
入ったら突き当たりにエレベーターがありますので1階に上がってください。
1階の受付で、入館の手続きをしてください↑
その後、2階の「こどもテーブル」にお越しください↓
渋谷区民でしたら、ワークショップの前後に、児童館で遊ぶことも可能です💖(区民以外もワークショップは参加可能です)
![](https://ssl-stat.amebame.com/pub/content/9477400408/amebapick/item/picktag_autoAd_301.png)