合併症の検査巡り 

 

 

ダウン症がある場合、 心臓や内臓、甲状腺、聴力や視力などに合併症がある可能性があります。ダウン症の告知をいただいた後は、色々な検査があってめまぐるしかったことを覚えています。

 

 生後1カ月の赤ちゃんを連れて出歩くのは、一般的にも大変だと思いますが、 ダウン症のある子は免疫力が弱く感染症にかかりやすいそうなので、 特に神経質になってしまいました。 

 

 しかもミルクが外出先で飲めないこともあって、外出は3時間以内(授乳間)に済ませる必要がありました。

 

   

 

(この写真は生後3日目の退院時の時です!!!) 

 

カーシートが大きすぎて、 ニコを布でぐるぐる巻きにしてからシートベルトをしてました。 

 

車社会のアメリカではカーシートをガチャっと外してそのまま持ち運ぶというのが主流でした。薄手のブランケットで全面を覆ってカバーするようにしていました。

 

 利用していたブランケットは、aden+aneisです。

通気性もあるし、保温もできるし、柔らかいし、超絶便利!! 

ちょっと高いけど、他が使えないほど重宝しました。 

 

私の大変さはよそに、本人はいつもすやすや寝てくれており、 泣き叫ぶなどすることもないので、そこは楽でした。 

 

 

 

 

ちなみに、これが生後9カ月に同じカーシートで寝ているところ。 ずいぶんと大きくなりましたね。

 

 

ニコの合併症:左耳聴力がない

 

 

カリフォルニアではCalifornia Newborn Screening Programとして、 生まれた赤ちゃん全員に対して新生児聴覚スクリーニングがおこなわれています。

 

出産して入院している病室に、聴力検査技師がきてくださりスクリーニング行われました。 

 

このテストの結果で「聞こえていない可能性がある」と病院から後日連絡が来て、再検査になりました。再検査の結果、両耳とも音に対する反応がないということで、次は精密検査を受けることなりました。

 

精密検査は、大きいChildren's Hospitalにて、 音を耳に聞かせた時の脳波の反応を調べるというものでした。 

 

検査中は「寝ている必要がある」とのことで、 その前に寝かさないようにして、検査の直前にミルクを飲ませて寝たところで検査となりました。 所要時間が約40分の長い検査でした。

 

  結果、右耳は普通に聞こえているけれど、 左耳は聴力がほとんど無いことが分かりました。

 

 左耳については、どのくらいの音なら聞こえるのか質問すると 「耳のそばでジェットエンジンの音を聞かせたら、もしかしたら聞こえるかも」 というレベルの難聴だということでした。

 

とはいえ、左の聴力がほぼないということよりも、 右の聴力があることの方が、私には大きな大きな意味がありました。音楽をいっぱい聞かせたり歌ったり話しかけようと思いました。

 

日本の新生児聴覚検査スクリーニング

 

  <追記> 

このブログを投稿した頃は、まだ日本では新生児聴覚検査スクリーニングが一般的ではなかったようでしたが、厚生労働省の最新情報(令和3年3月現在)だと、新生児の9割が検査を受けているとのこと。

 

(厚生労働省の資料参照

 

すべての新生児が検査を受けるために、国は公費負担を検討しているとのことです。

 

 

東京都では検査費用の一部を公費で負担しています!

詳しくは、こちらへ

↓↓↓↓

「東京都内の区市町村:新生児聴覚検査費用の一部助成」

 

生後5カ月で「補聴器」装着

 

 

ニコには生後5カ月から「骨伝導補聴器BAHA」を使っています。 

ヘアバンドで補聴器を、聞こえない左耳近くの骨の上に装着しています。

 

 ニコの言語聴覚の先生が、 BAHAは片耳が聞こえていない子にはとても良い結果を出していると教えてくれました。  先生によると、補聴器はなるべく早くからつけた方が、 本人が嫌がらずに装着してくれるし、 立体的な音を聞きながら聴力と経験を育てることができるので 発達にいいのだと教えてくれました。

 

5カ月から装着した結果、補聴器にはすっかり慣れて、気にとめていない様子です。

 

BAHAは約50万円くらいするものなのですが、なんとオレンジカウンティーが無料で貸してくれました。 補聴器には合う合わないがあるため、 まずはお試しで3歳くらいまで使って、 その様子からどの補聴器を購入するかを決めるためにレンタルしてくれているそうです。

 

 <追記>

 2015年に日本に帰国してからは補聴器はつけていません。 日本の病院では「片耳が聞こえている場合は補聴器はつけないのが一般的。 また補聴器を購入しても保険等は適用されません。 BAHAもまだ日本では一般的に使用されていません」 と言われてしまいました。 

 

 

片耳が聞こえないと

 

追記:

このブログを書いた頃はニコがまだ赤ちゃんだったのですが、9歳となった今、片耳が聞こえないことでとても困っていることはないのですが、特別なニーズがあるなとは感じています。

 

まず音が立体的に聞こえにくいようです。音の方向がどちらから来るのか分かりにくいようです。

 

道を歩いているときに「車きたよ」と声をかけても、車がどちらから来ているのかすぐに見つけられないことや、離れたところから声をかけられるとその人がどこに居るのか分からず、周囲を見回している姿をよく見ます。

 

将来一人で移動するようになる事に備えて、周囲に十分に気を配ることを教えていかなくちゃと思っています。

 

複数の人が話しているような場所(学校の教室など)だと、誰かの声だけに集中して聞き取るのも難しいようです。集団での指導よりは、個別に声かけられる方が理解しやすいようです。

 

また聞こえない方の耳側で話されるよりは、聞こえる右側から話しかけられた方が、相手の話をよく聞いてくれています。

 

どこかのタイミングで、補聴器BAHAを着けることをまた考えたいなと思います。