ニコ誕生

 

これはニコ誕生から2日目の写真。 

 

アメリカでは出産費用が高いので、基本的には1泊の入院ですが、

ニコは出生体重が2449グラムの小さい赤ちゃんだったので2泊の入院でした。

 

出産自体はスムーズだったと思います。 

 

この寝顔をみながら、困り果てたのをおぼえています。

 

 愛情が大洪水みたいに溢れてきて、 そのコントロール不能な激動的な感情に自分で驚き、とまどいました。 自分よりも大切な存在ができたことで、 すごく弱くなってしまった気がしました。 でも、実際は、あのとき強さを手にいれたのですよね。

   

 

日本での出産がどのようなものなのか知らないのですが、医療費が高い米国だからなのか、この病院が特に高いのかは不明ですが、出産費用はとんでもなく高くてびっくりしました。(約25000ドル・保険が適用されてよかった)

 

病室は、陣痛から出産、その後の入院生活の すべてがこの一つの部屋で完結するというものでした。

 

 出産となると、天井から機材が降りてきて、 あらゆる装置が部屋に運び込まれて、 この部屋がいきなりオペ室に早変わり。 誕生するやいなや、赤ちゃん用の装置も運び込まれて、 産後の処置もすべてこの部屋で行われました。

 

 一番気に入ったのは、 赤ちゃんが一度も母親の目の届かないところに 連れていかれなかったことです。 自分のベッドのすぐ脇にニコのベッドを並べて、 ずっと一緒にすごせました。(といっても2泊ですが)

 

 

ダウン症を気がつかれず退院

(退院して帰ってきた誕生3日目のニコ) 

 

多くの場合、赤ちゃんにダウン症がある場合は、 出生前診断等で事前に分かっていなかったとしても、身体的特徴や合併症などから、出生とともに医師らが気がついてくださるようです。

 

しかしニコの場合は、産後、ドクター数人、小児科医、 多くの看護婦さんがいたにも関わらず、誰も気がつかずに、「健康な赤ちゃんです!」と言われ、退院をして帰ってきてしまいました。

 

 理由は、おそらくなのですが、出生前診断(クアトロ検査)で陰性であったことと、アジア人の場合だとダウン症のある子の特徴が分かりにくかったのかなと想像しています。

 

 

 

 

ふりかえれば妊娠中に兆候は見えていた気も

いまふり返ってみてみると ダウン症がある可能性を示す兆候はありました。

 

 ▼心臓に白い点があった 

エコー検査を受けた時に 「ダウン症児の心臓によく見られる白い点がある」 との指摘を受けました。 ただこの白い点は、アジア人にも一般的によく見られるものらしく、「おそらく両親ともにアジア人だからでしょう」 ということで、片付いてしまいました。 (この白い点がいったい何なのかは分からないのですが、 あったからといって、 心臓の機能には問題がないものだそうです)

 

  ▼腕の長さが短い 

妊娠8カ月くらいのころだったと思いますが、 胎児の上腕部の骨が成長していないとの指摘を受けました。 (上腕部の骨の長さを測って赤ちゃんが成長を確認するものらしい)胎盤から栄養と酸素が赤ちゃんにまわっているか、 赤ちゃんの心臓に問題はないか精密なエコー検査を受けました。 (心臓をチェックしたのは、 ダウン症がある可能性を調べていたのかな?)結果は、胎盤も問題なく、心臓も問題なし。 「ただ単純に少し小さいというだけで 健康な赤ちゃんですよ」と言われました。

 

  ▼ノンストレステストでひっかかる 

胎児が小さいことをうけて、 週2回ノンストレステストを受けることになりました。 胎児が元気かどうかチェックするため、 心拍数をモニターするものです。 他のひとは10分くらいでOKがでるのに、 私はいつも30分くらいかかっていました。 また1度は、心拍数が少なすぎるとして、 そのままエコー検査にまわされたこともありました。 そのときもまた心臓をチェックして、 結局は問題が無く、「大丈夫です」と言われました。 

 

 

 

ふり返ってみると、こうやって兆候はあったのですが、誰もダウン症があることは見つけられなかったのです。事前に見つかっていれば、生後2-3ケ月の恐怖が軽減できたのにと思います。

 

  

 

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