新渡戸学園に最強のバディ達が集まる!
7月12日:
新しいカタチのインクルーシブ教育 Day2
新渡戸Human Library Project
小学6年の児童60人が、18組のバディと「出会う日」でした。
バディとは「相棒」とか「仲間」という意味があります。
子どもたちにとって「先生」や「講師」ではなく、「バディ」になってくださる皆様が、朝から続々と学園に集まりました。
外部講師や民間の方々が校舎に頻繁に来る学校ではありますが、こんなにたくさんの人を一度にお迎えするには初とのことで、校舎内は不思議な緊張感と華やいだ雰囲気でした。
中央広場で待機していると、6年生たちが出てきてバディをお出迎え。
子どもとバディとがチームになり、校舎内の様々な場所でセッションが始まりました。
新渡戸文化学園には、このようにリラックスして話せる場所が構内いたるところにあるのも魅力です
新渡戸文化学園の平岩国泰理事長(↑写真左)もバディたちの対談をご覧になっておりました。
この"出会い"で取られた手法は「ヒューマンライブラリー」というものです。
何かしらの「生きにくさ」や「マイノリティ」の一面を持っている人が「生きた本:バディ」としてご自身のことを語り、読者は本となってくださる方を傷つけないことルールに、何を聞いても良いというもの。
このプロジェクトはバディの皆様がいらしてくださってこそなのです。バディの皆様は、個々への説明をした上で、事前説明会とワークショップに参加していただき、さらにフォローアップやコミュニケーションを重ね、最終的に参加してくださった18組なのです。
この日は、約1時間、バディと子どもたちがお話や質問をしました。
何チームか紹介させていただきます!
鈴木俊太朗さんチーム
俊太朗さんはダウン症候群があります。(ピンクのシャツ)
ドラム演奏が得意で、ハートをモチーフにしたアート作品を創っています。
ヒューマンライブラリーでは「ダウン症とは」というように大きな一般論の話をするのではなく、「私は」というあくまでご自身のことを相手に伝えます。
俊太朗さんご自分のことを、タブレットのスライドや絵本なども使って子どもたちにお伝えしていました。
隣には母親の英莉那さんがいらっしゃって、時々、コミュニケーションを手伝ったりしておりました。
終わった後、俊太朗さん安堵とともに満面の笑みで様子で、「頑張ったー」とおっしゃってました。
私もこの日は「自分らしい格好で学校に行こう!」と決めて、カラフルなワンピースで行ってみました。
俊太朗さんのInstagram
俊太朗さんのFacebook
後日談ですが、バディとなったお子さんが、俊太朗さんのハートアートからインスピレーションを得たそうで、アート作品を創って見せてくれたそうです!
ミュータントウェーブ チーム
ミュータントウェーブは、おおちゃん、まささん、あさひさん三人組Youtuberです!
こんな風に撮影しながらの参加です。
皆さんの共通点は、元なでしこリーグ女子サッカー選手だったことと、今は男性として生きるトランスジェンダーであることです。
Youtuberとして活躍される一方で、学校におけるジェンダー教育にも取組んでおられます。
よかったらミュータントウェーブYoutubeご覧ください。
こちらは別の日ですが、息子のニコと会った時のもの。瞬時に懐いてました。ミュータントウェーブの皆さんは、子どもがとっても好きなんですって!
今回の新渡戸学園での4ヶ月間のプロジェクトについても、秋以降に配信されるはずです✨楽しみすぎます。
ことさん、SAWAさんチーム
「何を伝えよう」「どこまで伝えよう」とすごく事前の準備に時間をかけてくださったことさんは、児童養護施設出身で、唯一の家族であるぬいぐるみのくまきちと、友人でトップモデルのSAWAさんと参加しました。
社会的養護のことや児童養護施設のことを伝えながら「かわいそうなわけではない」ということを話していました。家庭に居場所がなかったり辛かったとしたら、他にも居場所があったり、助けがあることなども伝えていました。
子どもからの「夢はなんですか?」という質問に、「児童養護施設のことをもっと知ってもらえるようにしたい」と答えていました。
最初は子どももバディも緊張した面持ちでしたが、最後にはリラックスして、好きなK-POPアイドルの話題なんかも出て、距離が縮まっていました。
ことさんのブログ
このブログはたくさんの方に読んでいただきたいです。
SAWAさんのInstagram
福満華子さんチーム
華子さんは、脳性麻痺があり人工呼吸器を使用し、医療的ケアが日常的に必要な18歳です。お母様の美穂子さんが付き添い、日々の生活がどんななのか、おしゃべりはできなくとも色んなことを楽しんでいて、好きなアイドルがいることなども、身振り手振りを交えて、生き生きと語られました。
華子さんとの生活は、美穂子さんの著書からも読むことができます。シングルマザーでもあり、重症心身障害児向けの通所施設も運営する美穂子さんの生き方もまた、「生きた本」だと感じます。
時枝穂さんチーム
時枝穂さんは、Rainbow Tokyo 北区の代表で、全国の自治体にパートナーシップ制度を広げていくことや、婚姻の平等(同性婚の実現)を目指して幅広く活動しておられる、トランスジェンダー女性です。
子どもたちが理解しやすいように、ゆっくりと優しい言葉を選びながら、生まれた時に決められた性とは、ご自分の性自認が別であったこと、そして現在は女性として生きていることを話されていました。
腕につけているカラフルなブレスレットを見せながら、6色のレインボーが意味していることなども話されていました。
お子さんたちは少し緊張した面持ちで、真剣に話を聞いていたのが印象的でした。先生からも「あんなに集中を途切らせずに子どもたちが話を聞いているのは、滅多にあることじゃない」とお話ししていました。
終了後の時枝さんは「子どもたちの表情を見ながら丁寧に話しました。きちんと伝わっているようで安心しました!」とおっしゃってました。
まだまだバディがいらっしゃるので、後編に続きます!
DAY1はこちら↓