プライベートなことで恐縮ですが
先日こちらのブログで嬉しすぎて報告させていただきました
leccaちゃんの新曲「woman」の特別映像が公開されました。

女性が力強く自分の花を咲かせていくという歌で、
自分のあゆみと照らし合わせて「そうだよなぁー」と共感しました。

「強さ」にはいろいろあるけれど
女性なりの強さというものがあるような気がします。

私自身をふりかえると、10代の終わりごろは
これから大人として社会に出ていくにあたって
「どう生きたらいいのかしら?」と悩んでいました。

20代前半は社会人として「期待されていること」が
よく見えてなくて、どう答えたらいいのかわからなくて、
「これが私です」と表現できるものもなくて、
なんだかいつも不安で、悩んでいたことを覚えています。

それが25歳をすぎたあたりから「こういう生き方がいい」とわかって、
とにかく毎日が楽しくなりました。

30歳には「これだ!」というものに出会えました。

そして36歳で出産した後は、不思議なほど「エゴ」が消えさりました。
「私がどうなるか」ということは考えなくなってしまって、
「息子をどう育てていくのか」とか「社会のために何ができるか」とか
「みんなの笑顔が見たい」とか信念とか、祈りとか、そういうものが生まれてきました。
自分のためだけに生きるよりも、それ以外のもののために生きるようになってから
不思議と自分の中に「強さ」というものが根付いたような気がしています。


そういうwomanならではの自身の変化を
嘘いつわりなく表現しようと思って出演させていただきました。

息子のニコと普段使っている「手話/サイン」
歌詞を表現させていただきました。





"growing to be beauty"  「美しい」のサイン





”地を這う虫が 羽根を持つように” 「イモムシ」から「蝶」のサイン





leccaちゃんのニューアルバム『High Street』3月1日発売です。

ぜひ聴いてくださいねー。


さて、そんな中、最近のニコのサインしている様子です。



サインと声を使って、いろんなことを伝えてくれます。

これは「赤ちゃんがあーんって泣いてる。笑お!」と言っています。





これは突如「サインの時間」とサインをしてから、いろんなサインをしてくれました。


そして、3歳8カ月で、話し言葉もチラチラ出始めています。




ダウン症があって3歳で話し始めるのは、遅いほうではないとは思います。


ダウン症のある子にサインを教えると

「ただでさえ遅れがちなのに、話し言葉がさらに遅れるのではないか」と

心配なさっている方が中にはいらっしゃると聞いたので、

ニコの話し言葉の発達についてもシェアしたいと思います。



ちなみに、言葉を教えるときにサインを添えることが有効であるということについては、

ダウン症のあるお子さんの言葉の発達に関する研究で世界的第一人者である

Sue Buckley教授がおっしゃっていることなのですよ。

サインの取得と、話し言葉への移行については、こうおっしゃっています。

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7−8ヶ月の頃からサインを始めるのがオススメで、
サインを教えつつ、同時に発音や話すことも教えましょう。

50-100語のサインができるようになったら、徐々に話し言葉への移行を始められる。

話せるようになってくると、徐々に自然とサインしなくなる。
話せるようになっても、新しい言葉を学ぶ時は、サインを添えること覚えやすいことがある。

2語文をサインするようになるのはOKだけど、その頃には「話す」「読む」ことを教えましょう。
もし2−3語文をサインのみで伝えようとするようだったら、「発音」面でのサポートが必要かもしれない。

4歳以降は、新しい言葉や構文や文法を覚えるのにサインが助けとなるが、話すことをメインにしましょう。
4歳以降にサインを無意味に使いすぎると、話すのが遅れることがある。
しかしながら4人に1人くらいは、4歳以降もサインの補助がある方がいい子供もいる。

5歳頃にはサインを減らしていこう。

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Sueさんが主宰するDown syndrome education internationalに様々な文献が出ています。

https://www.dseinternational.org


「#1. Signing improves early vocabulary learning and communication」
https://www.dseinternational.org/en-us/education21/1/

こちらには「研究によりますと、サインは、ダウン症のある小さいお子さんが新しい言葉を覚えたり、よりコミュニケーションをとることができるようになることがわかっている」と書かれています。



Signing and Lexical Development in Children with Down Syndrome
https://www.down-syndrome.org/reviews/119/

こちらは研究の結果が書かれています。

<研究結果1>
「サイン」と「話し言葉」を教えられているダウン症のある44人(DSチーム)
「話し言葉」のみで教えられている一般的な発達をしている46人(一般チーム)
を対象に調査をしたところ、11-17カ月ではDSチームの方が語彙数が多かった。
そして17カ月時点では、DSチームは一般チームの2倍の語彙数があった。
26カ月の頃にDSチームの「話し言葉」が急激に増えて、「サイン」が減り始めた。
この研究に携わったMillerさんは、サインを使うことで、発達における重要な時期に、コミュニケーション能力を著しく伸ばすことができるとしている。


<研究結果2>
またフィンランドで行われた別の調査結果も報告されています。
サインやジェスチャーを6ヶ月から3歳まで教えられたダウン症のある12人(サインチーム)と
これらを教えられなかったダウン症のある12人(サインなしチーム)が調査対象となりました。

▶︎3歳時点
サインチームが3歳の時に持っていた語彙数は、サインなしチームよりも多かった。
サインなしチームが、サインチームに追いついたのは4歳のときだった。
(つまり1年分語彙数が多かったといことですね)


サインを教えたのは3歳までですが、その後も2チームの追跡調査が行わた。

▶︎3−5歳
サインチームは、言葉、社会的行動、自助能力、認知力、身体的発達の分野において
サインなしチームよりも発達が優れていた。

▶︎8歳
サインチームは、言葉の理解、人との交流、読み、書きにおいて、サインなしチームよりも優れていた。

サインチーム12人のうち
8人は「話し言葉」をコミュニケーション手段にしていた
1人は「サインと話し言葉」両方を使っていた
2人が「サインやジェスチャー」をメインのコミュニケーション手段にしていた。

サインなしチーム12人のうちでは、
5人が「話し言葉」をコミュニケーション手段として使っていて
1人が「ジュスチャーヤ話し言葉」の両方を使っていた。
5人は、コミュニケーション手段となるものを持っておらず、コミュニケーションスキルも乏しかった。



この研究結果で私が一番ひっかっかったのは、
サインやジェスチャーを使わなかったチームの子達のうち
8歳時点で5人が「コミュニケーション手段がなかった」という点です。

きっと頭ではたくさんのことを理解しているのに
それを「表現できない」というのは、フラストレーションが溜まることでしょう。
サインがあれば、それを回避できるのかなと思います。


The use of a reading program and signing to develop language and communication skills in a toddler with Down syndrome
https://www.down-syndrome.org/practice/153/

これはサインを使ってデイビットくんを育てたママがシェアした文章です。


というわけで、サインに対して不安視する方がいるのは了解していますが、

私はこれがいいと信じてサインの教え方をみなさんとシェアしたいなぁと思っています。