もともと、私は映画を観る習慣がほとんどなかった。
映画が嫌いだったわけではない。
ただ、日常の中で「今日は映画を観よう」と思うことがあまりなかった。
そんな私が、あるとき年間100本の映画を観るという目標を立てた。
理由は単純で、
映画を観る人になりたかった。それだけ。
趣味と呼べるものがほしかったし、映画をたくさん観る人ってなんだかいいな、と思っていた。
だからまずは、年間100本。
目標にしてしまえば観るだろう、くらいの気持ちで始めた。
実際に観るようになってみると、これが楽しかった。
こんな題材があるんだ。
こんな表現の仕方があるんだ。
こんな世界を考える人がいるんだ。
作品によって笑ったり、悲しくなったり、腹が立ったり。
「自分だったらどうするだろう」と考えることもある。
もちろん、あくまでエンタメであり、フィクションとして楽しんでいる。
何かを学ばなければ、なんて思っているわけでもない。
ただ、自分では経験することのない人生や、自分とは違う誰かの悩み、自分の知らない世界を覗いているような感覚が好きなんだと思う。
できることなら、すっきりとしたハッピーエンドが好き。
観終わって「よかったー!」と思って、そのまま気持ちよく眠りたい。
でも、ときどきそうはいかない作品に出会う。
観終わったあとも心がズーンと重い。
次の日になっても考えている。
「どうすれば、ああならなかったんだろう」
「あの人は、どうしてあの選択をしたんだろう」
自分の中で落とし所が見つからなくて、ほかの人の感想や考察を検索することもある。
「ああ、そういう見方もあるのか」
「この人はこう感じたんだ」
いろいろな考え方を読んで、また作品のことを考える。
何日も引きずってしまうほど人の心を動かす作品を作れるって、すごい。
そう思うと、心を重たくされながらも、またそういう作品を観てしまう。
そして映画を観るようになったら、今度は映画にだけ時間を使うとドラマや元々大好きなアニメを観る余裕がなくなった。
ドラマも観たい。
アニメも観たい。
話題になっている作品を見かけると、
「そんなにみんなが観ているなら、おもしろいのかな」
と気になる。
私はわりと影響されやすいので、作品の中で誰かがおいしそうに何かを食べていれば、それも食べたくなる。
この連休も雨だったので、ほとんど家から出ず、話題になっていた作品を一通り観ていた。
ちなみに、お菓子は我慢した。
ドラマは一度見始めると止まらない。
だから本当は、最終話まで配信されてから観るのが好きだ。
続きを待つのが嫌だから。
ところが最近、「VIVANTがおもしろい」という話を目にして観始めたら、あっという間に最新話まで追いついてしまった。
次の配信までは、約2週間。
待ち遠しい。
最終話は11月らしい。
11月。
もう寒くなっているかもしれない。
今はまだ半袖で過ごす日もあるのに、この物語が終わる頃には季節まで変わっている。
普段なら避けていたはずの「続きを待つ時間」も、これはこれで楽しいのかもしれない。
映画も観たい。
ドラマも観たい。
アニメも観たい。
できることなら、ずっといろんな物語の中に浸っていたい。
人生が無限なら、そうしているかもしれない。
でも、私の時間もちゃんと過ぎていく。
現実でも遊びに行きたいし、
行ってみたい場所もある。
勉強もしたい。
会いたい人にも会いたい。
おいしいものも食べたい。
そして家に帰ったら、また映画やドラマやアニメを観たい。
結局、どちらも必要な時間。
自分の人生を楽しみながら、ときどき知らない誰かの人生を覗きにいく。
そんな時間が、今は好きだ。
問題はひとつ。
圧倒的に、時間が足りないこと。