お仕事で墨汁を使ったりすることがあります。
筆で和風の絵を描くときとかに。
まあ、スタンダードな使いかたですよね。
でも、その昔、手作業でデザインやってた時代の人たちは、黒のポスターカラーと墨汁を併せて活用していたそうです。
ポスターカラーを薄めるのに水を使うとグレーになっちゃうので、黒いもので薄めるのが良いのだ、とのことでした。
グラフィックデザインの最終形は、版下と呼ばれる黒白の原稿でした。
とにかく確実な黒が欲しいんです。
黒が薄いと印刷原稿には向きません。
古くから商業マンガの投稿規約などに「薄墨は使えません」と書かれたものをご覧になった方がおられるかもしれません。
実際のところ原稿がグレーだったとしても対応方法はあるのですが、いろんな理由で避けられていたようで。
ともかく、印刷のための最終的な原稿は黒と白で作る、それが掟でした。
カラー印刷でもそれは変わらなくて、写真以外の......たとえば文字や罫線は黒か白です。
それを聞いて以来、黒インク的なものがほしいとき、硬さの調整には墨汁を使うようになりました。
さて。
そんな墨汁ですが、ふとラベルを見てみると「清書用」って書いてありました。
小学校の頃には見てたのかもしれませんけれど、清書用じゃない墨汁ってのがあったのか、と気づきまして。
ほこりはもっとちゃんと拭いとけや、って感じですね。スミマセン。
呉竹さんのウェブサイトを見てみました。
https://www.kuretake.co.jp/faq/calligraphy/ink/q0001/
なんと、使う紙によって向き・不向きがあったらしいです。
......知りませんでした。文房具屋さんで目の前にあったやつを手に取っただけですので。
ときどき知った気になってる身の回りのものについて、改めて見てみるクセをつけないとダメですね。
思い込み、イクナイ。