機内ではワインがお食事のお供としてとても人気ですが、こんなお話があります。
ワインは種類がある場合、試飲ご希望なお客様もいらっしゃいます。
ソムリエは数えきれないほどの数がCAには存在しており、資格も取りやすいので(CAの勤続そのものが試験の負担を軽くするシステムなんですよ)
ワイン2種を試飲していただいたときのことだったのですが・・・
いかがでしょうか? まずはおすすめの2つを、先ほどお聞きしたお好みに合わせて、お持ちしました。
うん!こっちこっち。僕はワインにうるさい方だから間違いなし。これはなかなかいいね。これを頂くよ。
さすがにいいものを用意しているよね。
光栄です。すぐに、ご用意してお持ちします。
そしてギャレーに戻って・・・・。
OKでした。こちらのワインがお好みに近いそうです。先輩さすがですね~。助かりました
よかったわ~。どっちって?お好み。
こちらです。さわやかな口当たり・・と絶賛なさっていました。これもかなり高級品ですか?
うっそ~!!ほんとに、こっち?
はい。こっちです。何か?
間違って、一番安いワインをこっちのグラスに入れちゃったのよ。くるみちゃんが、おすすめしている時に
気づいたけど、まさか途中でお下げできないし、高級な方をお選びになると思っていたから・・・。
ここ(ファーストクラスの)のじゃないとか?
うん、これエコノミー用ワインだから。別のお客様からご希望でね。まあ、お好みなんだから仕方ないね。
このまま、おすすめしてきて。
その後、そのお客様はそのエコノミー用ワインを6杯も飲まれたのです。(経費削減にご協力ありがとうございます
)
グルメなお客様のお話を使って、くるみちゃんにワインのことを教えてあげようと思ったけど、変更!
自称・グルメは真のグルメにあらず(な場合が多い)・・・これは、ファーストクラスでお客様から
私が教わったことなんだけどね~。
そのときは、そんなもんかしら~?と思っていたけど、
その後フライトを積み重ねていく内に、それは本当だと知った。
私はワインには詳しくないから、食事に合うものを選んでくださるかしら?プロにおまかせします。
と、おっしゃった、某有名マダムなお客様(ほんとうのセレブ)が、お出ししたワインすべての銘柄を、
あら~、これは0000かしら?(かしら?とおっしゃるが、全部ビンゴである
)ぴったりね、お食事と。
などというシチュエーションに数え切れない程、出合ったからです。
ワインや食事の知識も身につきますが、人間はいかにふるまうべきか?
他人は自分をどのように見ているか?などという、普遍的テーマについての学びも
空では手に入るというわけです。
やはりCAの仕事は深いかもしれません。