アスファルトに叩き付けられた雨粒ではなく、まるでアスファルトに還っていくかのように注ぐ雨。

風に飛ばされる事もなく、その様は美しい。


皐月の涙。

傘などなくたって構わない。

彼女が雨に濡れるのが好きだと言っていた。

汚れた自分を洗い流してくれるから?って聞いたら、いや、緊急事態な感じが良いんだよ。びしょ濡れになってる自分に酔えるんだと言った。

優しい雨に撃たれていたいのとはまた違うのかな?

激しい雨程、燃えるらしい。

僕はそれを心の隅で、なんとロマンチックなんだ。と思いながら。頭の中で理性的な下らない分析をして、彼女を責めて、自分を正当化していた気がするな。

幼い恋は美しい。

青春の光。