「こんなにでかくてかっこよくてアガりどころしか無い映画があるのか!」と衝撃を受け、映画館に何度も(正式には8回)足を運んだ『パシフィック・リム』から5年─。
待ちに待った続編『パシフィック・リム アップライジング』が公開されたので鼻息荒く観てきましたよ…
前作は戦闘シーンがほぼ夜で暗かったから!
真っ昼間から明るいところでイェーガーが!たくさんの新型イェーガーが!
大暴れするの最高でぇぇえええす!!
と、喜んだのはそれぐらいで…
前作で愛した大切なキャラクターが「なぜこんな扱いを」っていうほどアレな描かれ方をしていて、鑑賞中ショックから立ち直れなかったんですね…
(一晩経ってもまだ信じられないぐらい凹んでるよ…)
『パシリム』の正式な続編のはずなのに、『トランスフォーマー』とか『パワーレンジャー』とか『インデペンデンス・デイ(リサージェンスのほう)』的な既視感というか、要は『パシリム』っぽさが薄いのもすごく寂しくて…!
それはなぜだろうって考えたら、個人的にはもう絶対的に
<「フェティッシュ」の圧倒的欠如!>
だと思うんですね。
デルトロ監督の前作『パシリム』にはもううう画面中にそれが蔓延していたわけですよ、
たとえばイェーガーに乗るときに着用するパイロットスーツの“脊椎”パーツが、チャキチャキチャキッと生き物のように動いてカシッと締まる様子とか…
二人乗りの操縦席で重そうなハンドル(何ていうのあれ)を両者そろって「ぎっちょん!」て引くシーンとか…
敵に向かうイェーガーを「真下から」捉えたアングル(仰向けに寝ている真上をイェーガーが跨いで通っていく感じ)とか…
一見するとどうでもいいような細かないちいちが本当に丁寧で、デルトロの目線のおかげで気持ち良くなれる箇所が満載だったんですよ!
『アップライジング』には、残念ながら私はそういう気持ち良さを前作ほど感じ取ることはできませんでした。
※戦闘シーンでは拳を突き上げたくなるところはいくつもあった、あったんだよ!
操縦席が「一段下がって」しかも「前後にスライド」しながら撃てるあのイェーガーとか最高だったしね!
『パシリム』続編でヒャッハーするはずが、まさか自分の前作への愛の深さを再確認する作業になるだなんて…
ほんとにこんなはずじゃあなかったんだ…
だけれどもですよ、『アップライジング』にも救世主はいたんですよ!
新キャラに魅力的な奴がマジでおらず「越えられない壁ぇ…」と絶望していたところをですよ、
救ってくれたのは他でもない、前作から引き続き登場のハーマン・ゴットリーブ博士その人だったんですよ!!
ハーマンありがとう、『パシリム』を『パシリム』たらしめる重大要素はイェーガーでも怪獣でもなくハーマンでした。
ハーマンこそが、物語を動かし観客のテンションをぶちアゲるメシアなのでした。
いやマジでハーマンいなかったら『パシリム』にならなかったと思う、ハーマンの貢献度凄まじいよ!!
もうとにかく物申したいことが多すぎるの、正直アクションパート以外のドラマ部分がいくらなんでも退屈すぎて悲しくなったの、だけれども「これこれパシリムのこれが見たかったのよ!」という素敵ポイントもちゃんとあるにはあるの…
見た方はぜひ語りましょう、否定派も擁護派もとことん語らいましょう、「ぼくの考える最強の『パシリム3』」まで広げましょう、映画館で見て持ち帰って再集合して思いの丈をぶつけ合うまでが『パシリム』です!!
▼映画 『パシフィック・リム アップライジング』公式サイト