「おう、ボウズ。近頃のラーメン屋ってえのは、客の細か〜い好みの注文まで受けるらしいな。」
「そうなんだよ、とーちゃん。麺の硬さ、味の濃さ、油の多さ、ニンニクの量とかね。」
「そうなると大勢客が来たら覚えること多くて大変だよなあ。」
「バカじゃ務まんないよね、ラーメン屋って。」
「おいおいおい、俺をシゲシゲ見ながら、バカとか言ってんぢゃねーぞ。照れるぢゃねーかよー。」
「じゃあ、とーちゃんは、そんな細かい注文さばくこと出来るの?」
「バカヤロー、こちとら昭和の厳しい時代を生きて来た身だぞ。出来るとか出来ないとかじゃなくて、そんな過保護な商売、昭和の男の心意気が許さねーのよ!!」
「うーん、なんか、男気な感じを出しつつうまく逃げたな。」
というわけで、この街に住んで、23年。
ずーっと気になっていたけど入るのをためらって来た駅前ラーメン屋がある。
それが、横須賀市の京急県立大学駅前にあるラーメン屋、「ささもと」だ。
なんで、ためらってたかって言うと、
・店構えが昭和で、地味~で、全然魅力的じゃないのだ。
「意外とこういうなんの変哲もない店が、隠れた名店だったりするんだよね・・・・ってこともなさそうだな~。」って感じが、23年間、最後の勇気を拒んできたのだ。
この日、わけあって、ついにそののれんをくぐりました。
入り口には、当時はなかった『昔懐かしい 昭和のラーメン』の張り紙が・・・・。
店に入ると正に懐かしい昭和の雰囲気。
4、5人ほどが座れる小さなカウンターに、4人がけのテーブルが1台のみ。
入ったとたん、昭和の人なら知ってる『子供がまだ食ってる途中でしょうが』というフレーズが脳裏をよぎりました。
そして、極めつけはそのメニュー
・ラーメン 大中小、チャーシューメン、メンマラーメンのみ。
(つまり全部醤油ラーメン一択)
面の硬さとか、濃さなんて選べません。
この潔さ、昭和の男の心意気ですねー。実に好感です。
味はやや薄目ですが、地域の、あるいは昭和の年配の方ターゲットなのかな~と思うとこれも好感。
なんか、最近のこれでもかってくらい、奇をてらったり、脂ぎったりとは真逆の、ごく自然体の、そして媚びない、ラーメン屋。
なんか、必死に新しいラーメンに群がって食べログとかに投稿するような人たちとは違う次元の雰囲気を楽しみたい人におすすめのラーメン屋でした。
リピーターになっちゃおうかな~。