地域工務店がつくる「地域施設」 | ainohablog

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相羽建設の広報ブログ

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今回のブログは、相羽健太郎が地域施設についてお話をしたいと思います。


少し堅いお話ですが、「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(林野庁 平成23年)というものがあります。
概要としては「地域の中小規模の公共建築物は木造でつくって、木材を利用しましょう」という法律です。法律ですが現状は、強制力はなく努力目標的な法律です。とは言え、大きな一歩だと感じています。
あまり意識したことはないかもしれませんが、皆さんのお住まいの地域の施設はどんな構造でできていますか?もちろん施設と一言で言っても多様です。

市役所や図書館などの行政施設、スーパーやコンビニなどの商業施設、高齢者施設に幼稚園や保育園などの文教施設、学校施設など私たちの身の回りには多くの施設があります。
一方でこれらの施設の多くがコンクリートや鉄骨などによる構造でつくられていて、ゼネコンと言われるようなビルやマンションなどを中心とした大手総合建設業者によって手掛けられています。
もちろんゼネコンさんやそれらを専門とした設計者にしか手掛けられない場合もあります。しかし、地域の工務店や職人さんでも十分に手掛けられるにも関わらず、様々な理由によりほぼゼネコンさんの寡占状態であることは非常に残念なことではないかと思っています。



(写真:ベストライフ杉並)

木造はその材料含めて地域循環、地域消費を象徴するモノであると感じます。
一方でコンクリートや鉄骨は地域と言うよりは、生産性や品質を安定させることにメリットがあります。
だからこそ施設とひと括りにするのではなく、規模によって、そのメリット、デメリットによって地域施設の建て方は区分されても良いと考えます。
具体的には中小規模の施設は、地域の人による利用が多く、地域に根ざした建築物です。地域の個人病院や、高齢者施設、公民館、幼稚園、保育園などと言った施設は、規模も用途もまさに中小地域施設です。
一方で、市役所やショッピングモール、大きめの図書館や学校などは、地域施設の側面もありますが、もう少し広域な用途であり規模が求められていると考えます。
私たち相羽建設は中小規模の施設が木造化されることを願っていますし、そうあるべきだと考えています。
地域の特に生活弱者(子供や高齢者)が使うような中小規模の施設は無味無臭な建物や内装ではなく、より住宅に近い建物であり内装であり、雰囲気であるべきだと思うのです。そのことで家同様の安心感や地域の温もりを感じて貰えれば良いのではないでしょうか。
また地域の人に使われる施設だからこそ、地域の人や材料、物語があってつくられるべきだとも考えています。結果そのことが愛着を生み、より長く利用し続けられるような地域施設になるのではないかとも思うのです。



(写真:いづみ愛児園)

そういった想いもあり、相羽建設ではここ最近、以前よりも地域の木造施設であり中小規模施設に力を入れてきました。
お陰様で様々なご縁やご協力をいただき、高齢者施設や保育園、幼稚園、民間企業社屋、工場など様々な非住宅の施設に関わらせていただいております。
今後も地域に生きる地域工務店として積極的にこういった地域施設に関わっていきたいと考えています。

住宅同様に、読者の皆さまにもご興味、ご関心を持っていただき、地域の施設が「地域の人と物語」によって建てられる、そんな街になっていくようサポートをいただけると嬉しく思っています。具体的には、皆さまの関わる、使用、利用する施設について、なにか建築に付随するお話があった際には「地域の施設こそ、地域の人や物語を」と声をあげていただければ、今よりももっと豊かな街であり、暮らしがあるのではないかと思うのです。



(写真:まつぼっくり保育園)

今秋には現在八王子で工事している、八王子セミナーハウスという施設の食堂棟が完成します。お近くの方は誰でも利用可能ですので、ぜひご覧いただき、ご利用いただき、地域木造施設のひとつのカタチを体感いただければと思います。

※ちなみに八王子セミナーハウス食堂棟は木造で、多摩産材を利用し、相羽建設の住宅を施工している地域の大工さん達でつくられています。



(写真:八王子セミナーハウス食堂棟)


さて、今週末は「多摩湖の家」の完成お披露目会を開催します。
相羽建設初のパッシブエアコン搭載の木造ドミノ住宅です。
みなさまのご来場をお待ちしております。






■9月10-11日(土日)10:00-17:00
「多摩湖の家」完成見楽会&販売会
当日のご連絡先 090-7738-2593

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 記:相羽 健太郎