ベルリン生活、8年目を迎えました。

 

まさかこんなに長く住むことになろうとは。

 

広島に15年、大阪に4年、ボストンに8年、ニューヨークに4年。

 

 

自分の中でホームだと思っていたボストンと同じだけ長く住んだ。

 

 

 

 

 

ベルリンに着いて最初の1週間は、寂し過ぎて夜に泣いた。

 

 

言葉も文化も違い過ぎて、新しい家と人間関係と仕事に慣れなくて精神的に大分病んだ。

 

 

漸くちゃんと話の通じる友達が出来て、音楽の仕事も少しずつ出来るようになって来て、楽しくなった。

 

 

空からベルリンの街を見下ろして、「ホームに帰って来た」とすら感じ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

だけれども、外国に住むというのは色々と段階があって、何も分からないまま、勢いと楽しさだけで行ってしまう初期段階と、言葉を理解し始めて、でも文化の違いで馴染めない次の段階と、自分のコミュニティを作ってしっかりと根を張っていく段階と。それらをループしながら螺旋状に上がってその土地に馴染む、もしくはその土地でのアイデンティティを形成していくような感じ。

 

 

 

どうやったってものすごく繊細で、その割には勢いで進んでしまってやっぱり傷だらけ、みたいな生き方をしているあたしは、どんなに頑張っても生粋の日本人で、周りを見て、バランスを伺い、タイミングを図りながらコミュニケーションを取り、だからこそはっちゃけるということが出来ない。自分を守ることばかりに忙しく、地元の人間と関わっていく積極性が、情報を自ら取りに行くようなバイタリティが、あたしには決定的に欠けている。

 

そもそも、他人にも世間にも興味がないのだろう。

 

 

 

 

 

 

周り回って現在のあたしは、また次の段階へと進んでいっている感じがある。

 

 

 

 

1週間のバケーションから戻って来て降り立ったベルリンの空港で「帰って来た」とは思えなかった。

 

 

あぁ、またこの日々か。

 

 

 

 

何を言っているのかは分かる。

 

勢いで伝えることも出来る。

 

 

 

 

住環境はとても好きだし、この街を自由で居心地がいいとも思う。

 

 

自分なりのチャレンジも見つけたし、それに対するサポートも沢山受け取っている。

 

 

新しい仕事も順調に入っているし、来年も良い年になるだろう。

 

 

 

 

 

 

そしてあたしはここで何をしたいのだろう。

 

 

 

 

 

 

8年も経って、改めて考える。

 

 

漸く腑に落ち始める。

 

 

 

 

 

 

 

良い節目の年になりそうです。