20110919 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

水野「では京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺います。小出さんこんばんは」

小出「こんばんは」

平野「こんばんは。どうぞよろしくお願いします」

水野「どうぞよろしくお願いします」

小出「こちらこそよろしくお願いします」

水野「まず、今ニュースでお伝えいたしました、この冷温停止宣言。これを年内に冷温停止を達成できると、明日政府は宣言するようですが。これ、その文字通り聞いたら誠に結構なことかと思うんですが。どういう事なんですか?」

小出「(苦笑)」

水野「冷温停止できてそれでよかったという、ふうに思えばいいですか」

小出「さきほど千葉さんがちゃんと、語ってくださいましたけれども。冷温停止というのはいわゆる原子力の場にいる人間の専門用語ですけど。

原子炉が正常に運転していた状態で、制御棒を入れて原子炉の核分裂反応を止める。そして徐々に冷やしていって100度以下にするという状態を、私たちは冷温停止と読んできました。

しかしもう、今の場合には原子炉の炉心自身がメルトダウンをしてしまっている。圧力容器という鋼鉄の入れ物自身がもう底が抜けてしまっている、ふうに東京電力も政府も認めているわけですから。冷温停止というテクニカルタームは、もうそもそも意味がありません」

水野「意味が無いんですか。冷温停止ということ自体がもうありえないということですか」

小出「はい。あのもう、はい。私たちが普段使ってきた冷温停止という言葉は、もうそんなものが使える状態では全く無くなっています。」

水野「穴が開いてるんですもんね」

小出「そうです」

水野「で、あの、本来だったら核燃料が器の中にある状態で、冷やして冷えてきたことを」

小出「そうです」

水野「冷温停止というのに」

小出「そうです」

水野「もうあの器の中に核燃料はないんですよね」

小出「ないんです。そうです。」

水野「それを冷温言われたって意味がないって言うことですか?」

小出「はい。私はそう思いますし。そうでないという専門家がいるならそのかたのご意見を聞いてみたいと思います。」

水野「もうお電話ください。たね蒔きジャーナルに」

小出「はい。はい」

水野「そういうことなんや。そこに、先生、なんていうんか、この器にね、言ったら本来ものすごく燃え盛っている核燃料がないということはですよ。そらそのうち温度は下がるんじゃないんですか?」

小出「当然下がるんですね。ですから圧力容器の中に燃料ないわけですから。100度以下に下がらなければむしろおかしい、のです。はい」

水野「はあー。」

平野「先生そのー」

小出「はい」

平野「しかし、まだ、こう注水というのはどんどんやっぱ続けなければ駄目なんですよね」

小出「えーとですねー。少なくとも2号機と3号機に関しては。いったい炉心がどうなってるのか、そのことが確定的にわからない、のです。

1号機に関しては5月の半ばに原子炉建屋の中に作業員のかたが入って、原子炉水位計というのを調整した結果、すでにもう炉心に水がないということがわかったわけですけれども。2号機と3号機は今だに、原子炉建屋の中に人が入ることすらができない、のです。水位計の調整もできませんし、原子炉の中にどこまで水があるのかも今だにわからない、というそういう状態なのです。

えーですから、もし炉心というものがまだ少なくとも形を保っているというのであれば、水を入れ続けて何とか持ちこたえるしかないわけですし。えーそのために東京電力も必死で水を入れてる。作業員の方々が被ばくをしながらですね、なんとか持ちこたえようとしているというそういう状況が続いてるわけです」

平野「水をいれるとしかし、汚染水はまだずっと処理をしていかなければならない、ですよね?」

小出「はい。えーと汚染水の処理というのはまあ実は処理をするということはたいしたことでは、意味の有ることではなくて。汚染水が環境にもれないようにしなければいけないということが、本当は大切なんです」

平野「そうですね」

小出「えーそのためには、原子炉建屋、タービン建屋、トレンチ、ピット、竪坑というコンクリートの構造物の中に今汚染水がたまってるわけですが。それが今、どんどん今現在も地下に漏れていってるはずだと私は思います。

それを、漏れないところに汲み上げなければいけないのですけども。そんな作業を全くしないままですね、なにかその浄化装置が動いたからいいんだというようなことを言ってる、わけですね。ほんとに、あの、大切な事がなんなのかを皆さん間違えていると私は思います」

水野「コンクリートの中にもう埋まりこんだ漏れ出している、その核燃料をとにかく取り上げなきゃいけないんですね」

小出「えーと……核燃料を取り上げるということはまずはできません。」

水野「出来ないんですか。でもずーっと地下に染みていくばかりなんですか。」

小出「えーと……ここ、これから1年あるいは2年、そういう単位で核燃料に手を触れることはできません。はい。ですから、それが地下に漏れ、沈み込んでいってるのだとすれば、それが地下水に接触して汚染を広げることを防ぐということが、多分せめ、せめて出来ることです」

水野「ふーん。」

小出「ただしもうすでに汚染水が溢れてるわけですから。それが外に出ないように早急に汚染水を汲み上げる。まあ私はたね蒔きジャーナル、この番組で、3月から行ってきましたけど、タンカーならタンカーというような漏れない構造物に早く移して欲しいと私は願っています」

水野「このマエカワヤスコさんというかたもおハガキ下さっていて」

小出「はい」

水野「リスナーの方ですけど。あの政治家がですね、先生と番組の中でちゃんと約束した、あの大型タンカーの話はどうなってるんですかって。」

小出「はい」

水野「先生が。小出さんが、政治不信だと、政治が嫌いだと言われた気持ちがよくわかりますと。」

小出「はい」

水野「このようなご意見を複数いただいて、おります。えーそれからそのー政治という話で言いますとですね。野田さんが総理になられて、明日からニューヨークに行かれるんだそうです」
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