司馬遼太郎の『坂の上の雲』に登場した秋山兄弟や正岡子規たちの周辺に触れながら、正岡家の養子・忠三郎を中心に、取り巻くひとびとの境涯を描いている。
 ある調べ物をしていて、この本の存在を知って読んでいたのだが、正岡子規の妹律やその後の正岡家のことは何も知らなかったので、興味深かった。
 数年前、子規の住まいが公開されてヘチマの花咲く季節に訪ねたことがあった。いつも最後の絶句を目にしている自分としては、新鮮だった記憶がある。鶯谷から歩いていけるところだったかな。
絶句
「糸瓜咲て 痰のつまりし 佛かな」
「痰一斗 糸瓜の水も 間に合わず」
「をととひの へちまの水も 取らざりき」