あーーーーー
やっと二年越しの海宝くんクリスに会えたー
感無量
以下、ネタバレあります
長いです暑苦しいです
いましたよそこには…わけもわからずベトナム戦争に駆り出され、必死に戦って帰国してみれば後ろ指をさされ、母国に居場所を失いベトナムに舞い戻ったものの、そこでもまた、自分の身の置き所を見つけられず、もやもやイライラしている一人の普通の青年、クリスが…
いっそのこと、ジョンや他の兵士たちのように、パッと憂さ晴らししながら、テキトーに生きられたら、どんなに楽だったろうかと思う
でも、真面目で優しくて不器用なクリスには、それができなくて…
…というのが、思いっきり顔と態度に出ちゃってる冒頭の海宝クリス…いいっす
ライトが当たっていない時の小芝居が気になるのでね、前回(チョさん)も今回も、エンジニアの店のシーンでは、ずっとクリスを追ってまして、昨日の海宝くんクリスは、1人上手のテーブルでビール飲んで、ちょっといらつきながらつまんなそうにしてる時、ちょろちょろちょっかい出しに来る女の子を、しっしっと追い払ったり、テーブルに座ってくるしつこい子にはお尻ペチってして、あっち行けってしてました
派手めなシャツの男性に、ドラッグ?みたいのが入った小袋を、無理やり手に押し込まれた時は、ちらっと見て、ポイって遠くに捨ててました
そういうとこ良き
…と、このまま行くと、全編に渡って海宝クリスの挙動を説明してしまいそうなので、一旦、立て直して…
今日、私が一番泣かされたのは、昆ちゃんキムとにかく、表現が素晴らしくて、身の上話のくだりで、まず涙腺崩壊
その後、クリスに、こういうのはどう?と持ち掛けられて、何なの?って聞き返す時の声と顔、心細そうなことったらなくて
結婚パーティ…トゥイの乱入で、サイゴンが陥落したら、クリスがアメリカに引き上げてしまうのだと気づいた時の昆キムが、もう消えちゃいそうなくらい小さくなっちゃってて君を連れて行くよと、クリスに腕を掴まれてからの、信じていいのかな?って、泣きながら笑ってる昆キムの顔見ながらの♪世界が終わる夜のように は、胸がえぐられて
歌い終えてから、2人で無邪気にじゃれ合うシーンは、結末を知っているから、余計に切なくて、こっちも微笑ましく見ながら悲しくて泣く
あ、海宝くん、ここで、おいでってキムに手を広げて、そこに走って飛び込んだ昆キムを上に持ち上げながらのキスっていう難易度の高い技をキメてきた
海宝くん、いろんな隠し技持ってるのね
ラブシーン苦手かも…なーーんて思っちゃっててごめんなさい
昆キム、感情表現がすごく上手だから、クリスに再会できるってわかった時の、はじけるように嬉しそうな様子と、ホテルの部屋でエレンの存在を知った時の絶望の様子の対比が凄くて、ここでもキムの気持ちが、こちらにぐさぐさ刺さって、爆泣き
ジョンの言う、こんなに愛に生きる女を…っていうのが、ピッタリで、苦しくなってしまった
今まで、昆ちゃんって、割と怒ってる役で観ることが多かったから、こんなに泣かされるとは思ってなくて…ウエルカムな大誤算
昆ちゃんキム、めちゃくちゃ素晴らしかったです
そして、私の中で、こだわりが強いエレンさん…今回の仙名さんエレンは、落ち着いていて、優しみと温かみがあって、クリスのことを心底心配してそっと寄り添って支えてくれていそうなエレンさんでしたあー、良かった
キムと子供のことを知ったクリスが、エレンに話があると言った時、何かを察知したようにさっと表情が曇り、受け止める覚悟で頷く様子も素晴らしかったし、キムと会ってしまった時の、戸惑いながらもキムを傷つけないように言葉を選んで話している感じとか、どちらを取るの?彼女?私?のところも、”私”を少し控えめに言っていらしたし、クリスの告白を聞いてから、まるでお母さんのように、クリスを抱きしめて、よしよしするみたいに包み込んでる感じとか、あー、クリス、この人に守られながら生きてきたんだな…って感じた良き
さてさて、海宝くんクリスに戻りますけど、泣かされたのは、サイゴン脱出のシーンで、必死の形相でなんとかしてキムを迎えに行こうとする姿と、諦めきれずに鉄策をよじ登って、わずかな希望にかけて叫ぶ「キ――――ム!」の声喉やっちゃうんじゃないかっていう位の渾身の叫び
その後、ヘリに乗り込んでからの、身を乗り出しての「降ろしてくれー!」「キー――――ム!」本気を感じるから辛い上空に上がってからも、きっと諦めきれずに、ジョンになんとかしてくれ
って言ってそうだな…って
そして、ラスト、横たわるキムを見つけてからがリアルだった…
まさかこんなことをするとは…っていう動揺がひしひしと伝わってくるワナワナした様子と、自分はキムになんてことをしてしまったんだと申し訳なさそうにおどおどと抱きしめる姿と、息絶えたキムにかける後悔と絶望しかない「キー―――――ム!」の叫び声うー
2人とも悲し過ぎる
戦争のバーカ
でね、全部観終わって、帰り道、あれこれ反芻していたら、やっぱり、圧倒的にクリスの出番少ないなぁ…って特に、アメリカに戻ってから、クリスが苦悩する姿って、悪夢のシーンと、ジョンがキムに言う「帰国して彼は言葉を失った」と、エレンにベトナムの話をするシーンのみ、しかも25thロンドン版では、「帰国して1年間クリスは言葉を失った」と言ってるけど、日本版には1年間という表現はない…
でも、そんな中でも、海宝くんは、ちゃんと細やかなお芝居で、クリスの苦悩の部分、浮き上がらせてくれてたから、やっぱりさすがだなぁ
真面目で優しくて不器用なイメージに、ほんのちょっとヘタレ味が加わったような海宝クリス…戦争に駆り出される前は、実は、誰かを守ったり助けたりじゃなくて、誰かに守られたり支えられたりして生きてきた青年だったのでは…と感じた
お姉さんが2人居そうな感じ
そんなクリスが、地獄のような日々の中で、意を決して、キムを守ろう救おうとしたものの、上手くは行かず、結局、一年心を閉ざした後、ジョンやエレンに支えられながらなんとか前を向いて生きようとした矢先の、キムとの悲しい結末…この先ずっと重たい十字架を背負いながら生きていかなきゃならないわけで、なんとも今後が心配になったよ
市村さんは公演が進んで、前回よりも脂が乗って来た感あったし、神田さんトゥイ、理生くんジョンなど安定のベテランさんも含めて、物語の世界にどっぷりと浸れて、あぁ、サイゴン観たって言う満足感ありあり
そんな中、帰宅して、娘に便乗して見た海宝くんのLINEライブが、なんともゆるゆるでいい具合に脱力ー
どうか、このまま、無事に走り続けてー