シスカンパニーの文学シアターシリーズ『風博士』
録画したままになっていたのを、ようやく鑑賞
ミュージカルと銘打ってはいないけど、ポイントポイントで歌うシーンがたーっくさん
敗戦間近の大陸でのお話し
※以下、内容に触れています
風船爆弾を研究していた中井貴一さん演じる”フーさん”
殺人兵器を作っていることに抵抗感を抱き、嘘の研究報告をして、実戦使用を避けさせた経歴を持つ
今は、大陸に渡り、軍人相手のピー屋(慰安娼婦宿)の主人をしながら、戦闘機の行きかう空を眺めながら、得意の風向きを読んでいる
その宿の娼婦、吉田羊さん演じる”鶯”と渡辺えりさん演じる”梅花”、そこに預けられる趣里ちゃん演じる心を病んだ少女”サチ子”
さらに、段田康則さん演じる心優しい日本軍大佐と林遣都さん演じる新米二等兵”スガシマホイチ”
この6人が、戦争という抗えない大きな波の中で、必死に生きようとする姿を描いた作品
暗いのかなと思いきや、小ギャクや小ボケがちりばめられていて、そこまで重くならず
慰安娼婦宿の主人を中心としたお話しだから、そこここに、そういうネタが埋め込まれているのは、致し方無し
それに、下品にならないように、最大限、配慮されてるのがわかるので、嫌悪感は沸かなかった
芝居心ありありのキャストさん揃いなので、集中力切れることなく、一気に観ちゃったよ
以下、キャストさんの感想を
☆フーさん(中井貴一さん)
飄々とした、いろんなことを悟ったようなふーさんを、自然体で、品よく、温かく演じていらして、こんな人のそばにいたいなぁって
優しく良く通るお声で、歌もセリフ回しもバッチリでした
☆鶯(吉田羊さん)
もう、粋な着物姿に、釘付け
美しいことこの上なく、目線や声でフ―さんに惹かれていることを、さりげなく表現されてるのが、もう、たまらない
お歌ももちろん素敵だし、艶っぽいのに、かっこいい、このお役は羊さんのためにあるって感じ
☆梅花(渡辺えりさん)
とにかく可愛い明るくて、生命力にあふれた梅花さん
見てたら元気でた
☆広瀬大尉(段田康則さん)
もう、安定のうまさ
見えない馬の扱いなんか、ピカイチ
笑わせようとしない感じが、絶妙で、クスッとしちゃう
☆サチ子(趣里ちゃん)
前半は、心を病んでしまった少女にしては、ちょっと語気が強すぎるかなぁ…っていう印象受けちゃったけど、独特の存在感で異彩を放ってた
☆スガシマ二等兵(林遣都くん)
うまいこの一言に尽きる
ドラマでも舞台でも、当たり前のように、その役として生きてる
すごい役者さんです
ラストシーンの解釈は、観るものにゆだねられてるんだろうけど、戦時中を描いてるのに、笑顔で幕…は、なんか良かった