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あい♥のブログ

ポケモンとガルフレが大好きな大学生が、気ままに更新する、愛がいっぱいのブログです♥

聖櫻学園2年1組の教室。
始業のベルと共に、担任の小林 真衣(こばやし まい)は一人の女生徒を伴って教室に入ってきた。
長身でモデルの様な細身のプロポーション。
ショートヘア。少し赤味を帯びた様な髪。
均整のとれた可愛らしい顔をした美少女。
転校生だ。
ざわめく教室の生徒を制して、小林はその女生徒を紹介した。
「転校生の、春賀 光(はるか ひかり)さんです。」

続けて、小林は簡単な説明を加えた。
アメリカからの帰国子女であること。
日本語は問題ないが、聴覚障害があり、普通の会話は少し困難であること。
だが、成績は優秀であり、家族の強い希望で普通の高校である聖櫻学園に転入してきたことなどが語られた。
最後に、春賀に自己紹介を促した。

彼女は、少しはにかんだ様な表情を見せたが、すっと一歩前に出て、、
「は・・はるか、ひ・かりと、いいます」
と言った。
特徴的なイントネーション。日本語に不慣れな外国人のカタコトの様な発音にも聞こえる。
クラスの中でざわめきが起こる。
だが、彼女はそれにひるむことなく、
「あの・・みみが・・わるいので・・迷惑かけること、あるかもだけど、みんな・・と、仲良くしたいです。」
そして、勢い良く頭を下げて、
「よろしくおねがいします」と言った。

彼女が顔を上げると、自然と拍手が湧き起こった。
クラスの生徒は、なにか、暖かなものが心の中に流れ込んでくるのを感じた。
恐らく耳が不自由だからなのだろう、この発音が少しおかしな美少女を、クラスの皆が暖かく迎えようとする雰囲気が満ちた。


そんな中で、先生は私の隣の席を指さした。
「えっと、宮里さんの隣りの席が空いているわね。」
そして、春賀の耳元に顔を寄せて、
「春賀さん、あの席に座って。」
と言い、次に私に向かって、
「宮里さん、しばらく春賀さんの面倒を見てあげてね。」
と言った。

彼女、光は席に着くと、私に向かって満面の笑顔を見せた。
私は、
「私、宮里麻由子。宜しくね」と、笑顔と一緒に返事を返した。
だが、光はきょとんとした表情をしている。
咄嗟に、さっきの担任の言葉と、光の自己紹介を思い出した。
---耳が悪いのか!
私はすばやく、ノートに自分の名前を書いて、それを光に見せながら、握手を求めた。
光もまた、あの笑顔で、私の手を握り返して来た。
「よろしく、みやざとさん」
「よろしく、春賀さん」

それが、私とひかりの出会いだった。


WONDER-弐 「不思議な少女」に続く…