不気味な感情 | シンシアリー * 心のままに

シンシアリー * 心のままに

何気ない日常です。

私は、ここにいます。


9月某日、

私は、神主である、
友人のお父様の神社に出向いた。


桜香さん、よくぞいらっしゃいました
さぞや、勇気がいった事でしょう。


この時、私は自分の身に起こった事
仕事の事などを、話した。

なぜなのかはわからないが、実は、
私は、この日の記憶があまりない。

ただ、神主さんが、言葉を選びながら
優しく、諭すように、


桜香さん、生きている人間が一番
怖いのです。
あなたに憑いている人の執念が
大き過ぎて、あなた自身の魂が
行き場を失っているのです。
私共は、清祓(きよはらい)と言う形
でしか、お救いは出来ないのです。

然るべき方に、お任せしましょう。
このままでは、桜香さん、あなたも、
相手方も、どちらにとっても、最悪の
結果を招き兼ねない。


どうぞ、ご自身の魂を正しい場所に
戻してあげてください。


神主さんのお話しは、私には理解が
難しかった。


然るべき方の連絡先を握りしめたまま
私は、数日、悩んでいた。


そんな最中、若社長が自損事故を
起こした。


車は大破し、若社長が運び込まれた
と言う病院に駆けつけた。


命に別状はなく、鞭打ちになったとの
事で、頚椎にギブスをはめた若社長を
見た時、ほっとすると共に、
とてつもなく気持ちの悪い感情が
わいてきた。


ザワザワ…ザワザワ…

身体の中から湧き上がる感情。

例えるのが難しいのだけれど、

海辺を這いまわるフナムシが、私の
身体を覆い尽くすような、不気味な
感じと、 叫びだしたくなるような
感情が交互にやってきて、私は、
いたたまれなくなって、そのまま
病室を飛び出した。