チャマと祐平がその場を去って5分余り・・・。
柾鷹と朋美は横に並んで、海岸線沿いを歩いていた・・・。
だがその場には沈黙が走っていた・・・。
柾鷹「・・・。」
朋美「・・・。」
柾鷹(・・・気まずい・・・何をどう話せばいいんだ・・・)
柾鷹は混乱気味だ。
柾鷹(・・・この沈黙をどうにかしないと・・・)
朋美「鷹くん・・・。」
柾鷹「へ?あ、な、何?」
柾鷹は驚いた。
朋美「風・・・気持ちいいね。」
柾鷹「う、うん。そうだね・・・。」
それから再び沈黙になった。
柾鷹(・・・せっかく新開さんが話しかけてくれたのに
・・・俺は何で話を繋げられないんだ
・・・そうだ・・・この前の準決勝の時の話題でも・・・)
柾鷹は思いつき、朋美がいた方向を向く・・・。
が、考えていた柾鷹は朋美より早く歩いてしまっていて、
朋美は後ろにいて、少し距離が開いていてしまっていた。
柾鷹(・・・しまった・・・早く歩きすぎてた
・・・と・・・とにかく話しかけないと・・・)
声をかけようとした、その時・・・。
朋美「鷹くん、待って。」
朋美は柾鷹の元に走ってきた。
そして柾鷹の直前で、
何も障害物はないのに、朋美はつまずいて柾鷹の元に倒れてきた。
朋美「・・・。」
柾鷹「あっ!」
柾鷹はその瞬間、柾鷹の両手は朋美の両肩を支え、
柾鷹は自分の正面で朋美を受け止め支えた・・・。
そしてそのまま沈黙がまた走る・・・。
柾鷹の耳には波の音しか聞こえていなかった。
柾鷹(・・・ど・・・どうしよう・・・)
柾鷹は顔を真っ赤にしながらも、どうしていいか迷っている。
柾鷹(・・・な・・・何か話しかけないと・・・)
朋美「ごめんね、鷹くん。ありがと・・・。」
朋美は下をうつむいて答えた。
柾鷹「い、いや・・・そんなこと・・・。」
柾鷹は自分が何を喋っているのか、わかってない状態だ。
柾鷹(・・・さ・・・支えちゃまずかったのかな
・・・でも咄嗟(とっさ)に手が出ちゃったしな・・・)
朋美「・・・。」
柾鷹(・・・やっぱ嫌がられたのかな・・・もしかして嫌われた!?・・・)
柾鷹のネガティブ思考は最高潮に達している。
柾鷹(・・・な・・・何か違う話題・・・違う話題・・・)
柾鷹は海の方を見た。
すると海にはクルーザーが走っている。
柾鷹「ほ、ほら。凄いクルーザーが走ってるね。」
柾鷹は無理やり話題を変えた。
朋美「でもあのクルーザー、遠い所にいるよ。よくわかるね。」
柾鷹(・・・よかった話題変えてみて・・・)
柾鷹は安堵の表情だ。
柾鷹(・・・ホントは凄いのか凄くないのか見えないけど・・・)
朋美「でも海ってホント気持ちいいね。風も気持ちいいし・・・。」
柾鷹と朋美は立ち止まって海を眺め、話し始めた。
柾鷹「ん?」
朋美「鷹くん、どうしたの?」
柾鷹(・・・あのクルーザー・・・)
朋美「どうしたの?」
柾鷹「い、いや、何でも。」
すると、柾鷹と朋美の所に海を走っていたクルーザーが近付いてきた。
柾鷹(・・・え?・・・何で・・・)