千鳥の母は話し始める・・・。
千鳥の母「あの子には
・・・千鳥には幼い頃からあったんです・・・。」
佐々木先生「・・・別人格の兆候ですか?」
千鳥の母「はい・・・。ですが、その時はあまり気にしませんでした。
感情の起伏が激しい子なんだろうな・・・としか。」
佐々木先生「・・・。」
千鳥の母「・・・でもそれなら何故、この前の火事の件は
佐々木先生が責任をお受けになったんですか?
本当は千鳥のはずなのに・・・。
先生は真相を知ってるはずじゃ・・・。」
佐々木先生「・・・知っています。
ですがお母さんに、お教えする事はありません・・・。」
千鳥の母「何故ですか?警察にも話したんじゃ?」
佐々木先生「警察にはお母さんが知ってる通りに話しました。
・・・あたしが知っている真相は現実離れですから・・・。」
千鳥の母(・・・??・・・)
佐々木先生「あたしが間違っていた
・・・としか言いようがありません・・・。」
千鳥の母(・・・???・・・)
千鳥の母は佐々木先生が何を喋っているのか理解できなくなっていた。
千鳥の母(・・・やっぱり不気味だわ・・・この先生・・・)
千鳥の母は少しばかり恐怖を感じた。
千鳥の母「で、ではどうして学校を?」
佐々木先生「あたしが自らお願いしたことなんです・・・。
・・・少しばかり・・・彼女は違っていたので・・・。」
千鳥の母(・・・違っていた?・・・)
千鳥の母は「何が?」と聞こうとしたが、聞くことはなかった。
千鳥の人格の兆候のことだろう
・・・その程度しか頭に浮かばなかった。
千鳥の母はその言葉に疑問を感じていたぐらいにしか・・・。
佐々木先生「学校生活では落ち着いていましたが、
娘さんには、
これからも人格障害らしきものは起こると思います・・・。」
千鳥の母「・・・。」
佐々木先生「・・・すいません。お話はここまでで・・・。
片付けや整理などがありますので・・・。」
千鳥の母「あ、はい。すいません。」
そうして佐々木先生は片付けを再開しだした。
それを見た、千鳥の母は帰っていく。
佐々木先生「・・・。」
時を戻し、現在・・・。
千鳥「それじゃあ、あたしは・・・人格に問題があるってことですか?」
佐々木先生「あなた自身じゃないわ、あなたの中にいる違う・・・。」
千鳥「でも!・・・事件の真相は言ってくれないんですね?
本当はあたしのはずなのに・・・。」
佐々木先生「・・・1つだけ教えてあげる。
本当はあなたは事件を起こそうとした・・・。
けど起こせなかった・・・それだけのことよ・・・。」
千鳥「え?どう言う意味なんですか?」
佐々木先生「・・・。」
千鳥「やっぱり言えない・・・ってことですか?」
佐々木先生「・・・ええ。ごめんなさいね・・・。」
千鳥「・・・。」
そして沈黙が走る・・・。
数分後・・・。
千鳥が口を開いた。
千鳥「でも1つだけわかりました・・・。
あたしが普通の人じゃないってことだけは・・・。」
佐々木先生「・・・。」
佐々木先生は何故か口を開こうとしない。
千鳥「これからも、ソレと一緒じゃなきゃだめですもんね。
ちょっと吹っ切れました。」
千鳥は笑顔を見せた。
佐々木先生「・・・稲葉さん、友達とかいるの?」
千鳥「え?どうしたんですか急に?
・・・親友って呼べる友達はいませんよ。
みんな心の中で、どこかあたしに壁を作ってる感じ
・・・怖がってるってのだけは少しわかるんです。」
千鳥は遠くを見ながら喋っている。
佐々木先生「・・・稲葉さん。譲り葉って知ってる?」
千鳥「ユズリハ・・・ですか?
いえ、よくは・・・。」
佐々木先生「・・・もっと人と触れ合って、いろんな物をもらいなさい。
・・・それで古い物は消えていくから・・・。」
千鳥「え?人と触れ合う・・・。」
佐々木先生「・・・本当はあなたに先にするべき話だったかもね・・・。」
千鳥「それって、誰かに話したってことですか?」
佐々木先生「・・・ええ。あなたによく似た子にね・・・。」
すると佐々木先生は、
少し離れた堤防にいる柾鷹に向かい歩き出した。
千鳥「?」
柾鷹「ん?佐々木先生!」
柾鷹は直前まで近付いてくるのに気付かず驚いた。
佐々木先生「滝雄くん、今は1人ぼっちなんでしょ?」
柾鷹「あ、み、見てたんですか?」
佐々木先生「少し前にね・・・。」
柾鷹「お、俺!話とか聞いてないですから!絶対に!」
柾鷹は何も悪くないのに必死に弁明している。
佐々木先生は真っ直ぐ柾鷹を見ている。
佐々木先生「・・・滝雄くんに会わせたい子がいるの。
・・・付いてきて・・・。」
佐々木先生は振り返り、千鳥の場所に戻り始めた。
柾鷹(・・・あの人に・・・)
柾鷹は言われるまま、佐々木先生の後を付いていく。
そして千鳥の元に、佐々木先生は柾鷹を連れ戻ってきた。