こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
多くの小さなお店が、客数の減少に頭を抱えています。
しかし、この問題の核心をつかむためには、まず客数の分類を2つに分けて考えることが重要です。
(1)新規客の数
初めて来店されるお客さんの数です。
初めてなので、この後もまた来てもらえるかどうかは分かりません。
(2)既存客の再来店回数
すでに来店されたことがあるお客さんが、どれだけの頻度で再び来店しているのかの数です。
すでに来店されているお客さんでも、その用途によって来店頻度が変わってい来ます。
(1)の「新規客の数」は、難しい言葉で言うと「外部要因」に影響を受けることが多いです。
例えば、人口の減少や競合店の増加、市場の飽和などに左右されます。
これらの「外部要因」は、個々のお店の力だけで変えるのは難しいです。
しかし、(2)の「既存客の来店回数」は、お店の対応やサービスの質、お店とお客さんとの関係性で大きく変動します。
これを、「内部要因」として捉えて取り込むことができるのです。
では、お客さんがまた来ない理由とは何でしょうか?
いろいろな理由がある中で一番多い理由が、「お客さんがお店を忘れてしまうこと」です。
例え、前回の来店時にどれだけ満足してもらったとしても、忘れてしまわれると、もう来店されません。
しかし、実はこの現象の背景には、「お客さんがお店を忘れる前に、お店がお客さんを忘れてしまう」という事実が隠されているのです。
つまり、「お客さんがまた来ない理由」の一番は、「お店がお客さんを忘れてしまうこと」が挙げられます。
例えば、今まで何度も足を運んでもらっているお客さんが、ある日を境に突然来なくなることがあったとしましょう。
この事実をお店が把握するまでに、早くて3カ月、遅いと半年以上もかかります。
この背後には、「お店側がお客さんのことを忘れてしまっている」からです。
なぜこうなるのでしょうか?
それは、多くのスタッフさんが、「お客さんがお店を出ると、すぐにそのお客さんの存在を忘れること」が原因です。
その証拠に、数カ月後か半年後に、「そう言えば、あのお客さん最近見ないわね」と他人事になってしまいます。
これでは、既存客の再来店を期待するのは難しいと言えるでしょう。
では、どうすればこの問題を解決できるのでしょうか?
答えは、意外とシンプルです。
お店のスタッフさん全員が、「お客さんを忘れないという意識を持つこと」。
そのためには、「自分の仕事は、お客さんが次回来店されるまで続いている」と決めるだけです。
これを決めて、行動すれば、お客さんとの関係性がよくなり、再来店のチャンスは確実に増えることでしょう。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則