こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
多くのお店で、日報の作成をスタッフさんに求めています。
では、日報には、どんな役割があるのでしょうか?
基本的には、お店で起きた一日の出来事の報告です。
だから、「今日一日で、何が起きたのか?」を書きます。
その中で、特に大切と考えているのが、「お客さんと交わす会話の記録」です。
これにより、「スタッフさんが、お客さんとどんなコミュニケーションを取っているのか?」が分かります。
しかし、ほとんどの日報は、「お客さんとの会話」でなく、「スタッフさんの解釈」がほとんどです。
例えば、「今日は、天気が悪くてお客さんが少なかった」や「こんな商品が特に多く売れた」など。
では、どうしてこのような解釈が多くなるのでしょうか?
それは、用意した日報に、記録として書いて欲しいフォーマットになっていないからです。
フォーマットの一例としては、「毎日の日付」、「記入者の名前」、「会話したお客さんの名前」、「具体的な会話の内容」、たったこれだけになります。
ここで大切なのは、「具体的な会話の内容」を記録することです。
会話の内容を記録するポイントは次の4つの要素が含まれていることが理想になります。
それは、(1)現状シーン、(2)問題シーン、(3)解決策、(4)解決後のシーンです。
しかし、最初から4つの要素を書くのが難しいなら、(2)の問題シーンと(3)の解決策だけ書くようにしましょう。
例えば、美容室で、白髪染めのために、来られたお客さんとの会話の記録
スタッフさん「どうされましたか?」
お客さん「自宅で白髪染めをしていたら、髪がパサパサ、ゴワゴワになったんです」
スタッフさん「そうですね、ちょっと傷んでますね、これではまとまりにくいですよね」
お客さん「そうなんです、何とかならないかと思って来ました」
スタッフさん「市販の白髪染めは強い薬剤が含まれているため、髪にダメージを与えがちですが、美容室専用のヘアーカラーはダメージが少ないんですよ」
お客さん「へえ~、そんなものがあるのなら、それでお願いします」
こんな感じの日報が書かれていたとしたら、どうでしょうか?
この良い結果を生み出した日報は、他のスタッフさんと共有することができるため、全体としてのパフォーマンスを上げることができるのです。
また、この日報を書いたスタッフさんに店長さんから、「良い日報だね」と褒めることもできます。
そうすると、褒めてもらったスタッフさんのモチベーションは上がるでしょう。
日報は、ただお客さんとの会話の記録するツールだけではありません。
これを続けていると、お客さんとの会話によるコミュニケーションがますます深まるのです。
そうすると、お客さんに喜ばれ、お役に立つことができて、結果として売上げも上がります。
このような日報の活用を試してみませんか?
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則