こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
あるお店に来られたお客さんを、1年間の来店回数で、次のような客層別に分けてみました。
その客層別とは、
◆(A)『年間10回以上のお客さん』
◆(B)『年間3~9回のお客さん』
◆(C)『年間1~2回のお客さん』
来店回数の分け方は、お店の事情によって変わるでしょう。
それでも、ある程度の傾向は同じだと思います。
その結果、このお店の顧客数の構成割合は、次の通りです。
ちなみに、顧客数とは、会員番号などを付けた頭数になります。
◆(A)の顧客数は、全体の10%
◆(B)の顧客数は、全体の30%
◆(C)の顧客数は、全体の60%
もう一つの結果として、それぞれの客層の売上高の構成割合は、次の通りです。
◆(A)の客層の売上高は、全体の60%
◆(B)の客層の売上高は、全体の30%
◆(C)の客層の売上高は、全体の10%
こんな感じのお店であったとします。
もしも、あなたがこのお店の社長さんだとしたら、このデータをもとにどのような対策をするでしょうか?
色々あるでしょうが、気になるのが、(C)の顧客数が『全体の60%』というデータです。
『年間1~2回のお客さんが、全体の60%もいる』ことに驚きます。
これを逆に見ると、全体の60%のお客さんがリピートしていないことを意味するのです。
これは、とても恐ろしいことになります。
しかし、このようなデータを出していないお店では、ほとんど気付いていません。
では、どうしてこのようなデータになるのでしょうか?
それは、『多くのお店が、新規集客の特典を割引きにしている』からです。
例えば、『新規客限定、初回半額』、『2回目30%OFF』など
この特典でやって来るお客さんは、『割引きに興味がある』のです。
だから、割引きがなくなったら、もう来ません。
お店側もこのことは、ある程度分かっています。
しかし、『割引き特典を止めると、集客できない』と思い込んでいるので、止められないのです。
どうでしょうか?
あなたもそのようなことを考えていませんか?
しかし、これは単なる勘違いで、『割引き特典を止めても、大丈夫』なのです。
『なぜ、そんなことが言えるのか?』と言うと、(A)のお客さんの存在にあります。
この(A)のお客さんの顧客数は、『全体の10%』と低いですが、客層の売上高は、『全体の60%』もあるからです。
このお客さんは、『割引き特典』では来ていません。
だから、『このお客さんが、どんな理由で来ているのか?』をハッキリさせて、それで集客すれば、割引き特典は止めらるのです。
しかし、1つだけ問題があります。
それは、(C)のお客さんが確実に減ることです。
これを防ぐには、(B)のお客さんを増やすことがコツになります。
その上で、(A)のお客さんを集める対策を打てば、客数は減るかもしれませんが、売上げは上がり出すことでしょう。
ここが理解できると、『何をやらなければいけないのか?』が分かってくるのではないでしょうか?
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則