こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
お客さんが商品を買う場合、一番最初に欲しいのは、『情報』です。
『情報』には、『目からの情報』、『耳からの情報』、『体験からの情報』など色々あります。
その中で、『目からの情報』を一番早く欲しがることが多いでしょう。
なぜなら、『素早く入ること』と、『自由に選べること』が理由です。
そのため、『POP』などを使って、写真やイラスト、言葉の説明で情報が伝えられています。
この『POP』に対して、お客さんは次のような反応をするのです。
◆(1)『自分で、見つけて、読む』
◆(2)『自分で、知らない解釈に、気付く』
◆(3)『自分で、判断し、納得する』
この時のお客さんには、常に『主導権』があります。
だから、興味がある情報に納得すれば、ストレスなく行動ができるのです。
もしも、この『POP』の内容に興味がなければ、読まなくてもかまいません。
また、途中で、『ちょっと違うな・・・』と思ったら、その時点で読むのを止めればいいのです。
このように、『POP』には、お客さんに『主導権』や『選択肢』を持ってもらえる特徴があります。
だから、お客さんにとってはとても便利なツールなのです。
ところが、このような『POPを貼ると店格が下がる』と、貼ることを嫌がるお店があります。
『そんなPOPを貼らなくても、お客さんの質問に対して、スタッフさんが接客の時に説明すればいい』と思っているのです。
しかし、本当にこれでいいのでしょうか?
先程の『主導権』で、考えてみますね。
お客さんが質問してスタッフさんが答える場合、『主導権』は、スタッフさんにあるのです。
すると、お客さんは、スタッフさんの話が終わるまで、聞き続ける必要があります。
そのため、その話を聞きたくなくても、『話の途中で断る選択肢』がないのです。
つまり、お客さんに『主導権がない』、『選択肢がない』状態になります。
この状態では、どんなに良い情報だったとしても、お客さんにとっては、雑音にしか聞こえないでしょう。
では、接客時にスタッフさんが、情報提供をするのはダメなのでしょか?
いいえそんなことがありません。
先程の『POP』の情報で納得できるお客さんは、自分自身に問題意識があり、しっかりした判断基準を持っているので、納得できるのです。
しかし、そのようなお客さんは少ないでしょう。
多くのお客さんは、何となくの問題意識はあるものの、しっかりした判断基準を持っていません。
だから、『スタッフさんが共感して、一緒に考えてあげる』必要があるのです。
そのためには、お客さんとの関係性を築かなければいけません。
しかし、このような関係性が築かれると、『あなたが言うのなら・・・』と、納得して行動してもらえます。
このように、情報を伝えるお客さんによって、『POP』と『接客』の両方で使い分けることが望ましいですね。
◆『主導権や選択肢を重視するお客さんには、POPでの情報提供で!』
◆『スタッフさんの共感や関係性を重視するお客さんには、接客での情報提供で!』
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則