こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
『問題』と『課題』の違いは、何でしょうか?
急に言われて、すぐに答えられる人は少ないでしょう。
なぜなら、何となく同じように感じてしまうからます。
しかし、全く違うものなので、ここが分からないと『問題』が解決しないのです。
では、『問題』と『課題』とは、一体どういう違いがあるのでしょうか?
色々な捉え方がありますが、その1つを紹介します。
『問題』とは、『あるべき姿と現状の姿との差(ギャップ)』と言えるでしょう。
一方、『課題』とは、『差であるギャップを解決すべき内容』と言えます。
このように捉えると、『問題』であるギャップだけが分かっても、何も解決しないこと分かるでしょう。
なぜなら、それを解消すべき内容の『課題』が必要となるからです。
だから、『問題』と『課題』はセットで考えないと上手く行かないことになります。
これを簡単な事例で説明すると、
例えば、今月の目標の数値が『100』で、現状の数値が『70』だったとしましょう。
この場合、あるべき姿は『100』で、現状の姿は『70』です。
なので、あるべき姿と現状の姿の差(ギャップ)である『問題』は、『30不足』になります。
このように全ての『問題』が数値化されることはありません。
しかし、数値化した方が分かりやすいので、このまま進めますね。
『問題』が『30不足』であることが分かったら、次はこれを解決すべき『課題』を考えればいいのです。
例えば、結果として、『30だけ足りない』のだから、この『30』を何とかすればいいことになります。
この時、『問題』に引っ張られ過ぎて、『なぜ、30できないのか?』と考えてしまうと、解決策はなかなか見つかりません。
なので、この場合の最終的な解決策は、『危機感を煽った上で、もっと頑張れ!』という精神論で終わることが多いでしょう。
このようにならないために、『課題』に目を向けるのです。
そうすると、『良い結果につながる原因』を探そうとします。
その時の質問が、『100できたとしたら、何をした時か?』で、それにつながる質問が、『なぜ、70できたのか?』です。
ここを深く突き詰めると、『あっ、そうか』、『これをすればできそうだ』、『よ~し、こうしよう』となります。
これが、『課題』です。
『課題』が決まれば、『それを実現するための具体的な行動としての対策』を立てれば、後はそれをやればいいことになります。
そして、その具体的な行動をやった結果、『あるべき姿』と『現状の姿』の差(ギャップ)をまた比べればいいのです。
もしも、そこにギャップがあれば、それが『新しい問題』となって、その『新しい問題』から『新しい課題』を決め、『新しい対策』をやることができます。
これを繰り返すことで、『あるべき姿』が達成されるのです。
つまり、『問題と課題はセットで考えよう』という意識があれば、対策につながりやすくなります。
このちょっとした意識の違いが大きな結果の違いとなって現れるでしょう。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則