こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
ほとんどのお客さんは、毎日何らかの用事があって、忙しく動いています。
忙しくて時間がないので、余程のことがない限り、いつもと同じことや、どうしてもやらなければいけないことだけやっているのです。
そんなお客さんに、『こんな商品は、いかがですか?』と投げ掛けても、振り向いてくれません。
だから無理やり振り向かせようと、『今なら、この価格ですよ!』と強引に売り込むしかないのです。
昔は、このやり方でも、売れていた時はありました。
しかし、今は、それほど反応がないはずです。
但し、『通販番組』などのように、計算されたストーリーを交えて伝えられると、一定数のお客さんが反応しています。
どうしてでしょうか?
1つ考えられるのは、『やっぱり、価格が圧倒的に安い』と感じるからです。
『圧倒的に安い価格』を特典にすると、それだけで反応してしまいます。
しかし、それだけでは、逆に、『怪しい?』と不安がられて、逆効果になることもあるのです。
このことを良く理解している『通販番組』は、イキナリ商品や特典だけで売り込んだりしません。
これは、番組を良く見ていれば、分かります。
ほとんどが、まず『お客さんに、共感すること』から始めているのです。
例えば、
◆『こんなことでツライ思いをしているあなたに』
◆『こんな出来事があって、どうしようと思っているあなたに』
など、お客さんに共感して、『現状に疑問を持ってもらうこと』からスタートしています。
そして、
◆『でも、毎日忙しいから、今はちょっと無理と先延ばししていませんか?』
◆『そんなあなたと同じような思いをしている方は、意外と多いんですよ』
と事例を示して、さらに共感するのです。
そうすると、『そうそう、私もそうなのよ』と、お客さんの心が開き出します。
この後、
◆『原因は、これで、これを解消すると、こんな結果になりますよ』
と、良い結果であるゴールをイメージさせるのです。
このように、共感しながら、『スタートからゴールまで』のストーリーにのせると、リアル感が感じられるので、その解消方法を知りたくなります。
この一瞬を逃すことなく、
◆『この商品なら、それが簡単にできますよ』
◆『今なら、何とこの価格です』
◆『さらに、特別に、この価格に!』
◆『おまけに、こんなものまでお付けして、同じ価格!』
とたたみかけて、背中を押し続けます。
そうなれば、その勢いに押されて、電話を掛けてしまうのです。
どうでしょうか?
これは一例なので、『圧倒的に安い価格』にしなくてもかまいません。
共感しながら、『スタートからゴールまで』をストーリーにのせて、リアル感を感じさせることが大切になります。
今度、『通販番組』を見る機会があったら、今回のことを意識して見て下さい。
結構、勉強になりますよ!
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則