こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
誰でも『衝動買い』の経験があると思います。
と言うよりも、ほとんどの買い物が『衝動買い』と言っても過言ではありません。
なぜなら、買った後で、『なぜ買ったんだろうか?』と考えた時、ハッキリとした理由を即答することができないからです。
ほとんどは、『ただ何となく欲しくなったから』という理由になります。
もちろん、しっかりとした理由を答える方もいますが、それは『買った瞬間の理由』ではなく、『後付けの理由』が多いのです。
『買った瞬間の理由』は、『買う楽しみがあるから』になります。
この楽しみは、『快楽』であり、本能に近い感情のようなものです。
本能に近い感情なので、『理由のあるなし』に関係なく行動してしまいます。
だから、この感情を上手く利用すれば、お客さんに『衝動買い』してもらえるのです。
例えば、『今なら半額!』という割引きは、今でも強烈に感情を刺激します。
『今なら半額!』をいう割引きを見るだけで、なぜかワクワクする人もいるのです。
これは、その商品が自分にとって『必要性』があろうがなかろうが、ワクワクします。
しかし、よく考えると『今は必要ない』となば、理性が優位に立って、感情を抑えられるのです。
そうなると、『衝動買い』は起こりません。
この心理を熟知している商売人は、理性が優位に立つ前に、感情だけで行動させるようにします。
そうすると、無意識に、『衝動買い』してしまうのです。
例えば、深夜の通販番組などが、上手に行動させています。
これにはちょっとした仕掛けがあって、同じやり方を繰り返しているのです。
そのやり方とは、次の3つの流れでできています。
◆(1)『感情を揺さぶる』
深夜の時間帯は、1日を振り返って、『ストレスを解消したい』、『できれば気持ちよくなりたい』という感情がわいて来る時間帯です。
そのため買い物行動は、『快楽を得る一番の方法』なので、感情が揺さぶられます。
◆(2)『買う理由を用意する』
買い物をするには、それなりの『買う理由』が必要です。
なので、その理由をあらかじめ用意します。
例えば、『困っていることの解消』、『自分へのご褒美』、『今、人気で多くの人が買っている』など、簡単な理由でも『買う理由』になってしまうのです。
◆(3)『今しか手に入らないと感じさせる』
通販番組は、特にここを意識しているので、思わず買ってしまいます。
では、なぜここを意識しているのでしょうか?
それは、『今しか手に入らないと感じさせる』ことで、理性が優位に立たせないようにしているのです。
だから、ただただ感情を煽って、背中を押し続けます。
これはとても大切なことで、ここで躊躇させてしまうと、先送りされて買ってもらえないことが分かっているからです。
このような流れの仕掛けをされると、思わず『衝動買い』してしまいます。
これは、何も『深夜の通販番組』だけのものではありません。
商品を売るための基本中の基本なのです。
だから、同じやり方を何回も繰り返しています。
どうでしょうか?
あなたのお店でも、このことを意識して、今年1年やってみて下さい。
きっと良い結果になるはずです。
今年もよろしくお願いします。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則