こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
あなたのお店では、スタッフさんに『声掛け』してもらっているでしょうか?
『もちろん、当たり前のように、声掛けしてもらっているお店』は、今回のお話はあまり意味がないかもしれません。
しかし、『なかなか声掛けしてもらえませんというお店』は、この後も読み続けて下さい。
多くのお店を見ていて気付くことは、『声掛けをやっているか、やっていないか』は、店頭看板やPOPを見れば、大体分かります。
お知らせしている内容が、『商品中心』のお店は、『本来の声掛け』をしていません。
例えば、『この商品は、こんな良さがあって、おすすめです』
例えば、『こんなことができる商品が、今ならいくら!』
こんな感じの『商品中心』のお知らせをしているお店のスタッフさんは、『本来の声掛け』ではなく、売り込みに近いものを行っているでしょう。
なぜなら、『商品中心』なら、お客さんが誰であっても、売り込めるからです。
では、『本来の声掛け』とは、何でしょうか?
先程の店頭看板やPOPで伝えている内容が、『お客さん中心』のお店は、『本来の声掛け』をしていることが多いです。
例えば、『こんな〇〇はありませんか?』
例えば、『こんな悩みがある時は、どうされていますか?』
こんな感じの投げ掛けから始めています。
実際に、そのお店のスタッフさんの『声掛け』を聞いていると、
例えば、『どうされましたか?』
例えば、『〇〇で、気になることはありませんか?』
と、お客さんの聞き取りから始めていることが多いのです。
このように『声掛け』にも、『店頭看板』や『POP』のように、何から始めて、何で終わるという『基本の流れ』があります。
『基本の流れ』は色々ありますが、一例を紹介すると、
◆(1)『アプローチ』・・・お客さんが話しやすい雰囲気を作り出すこと
◆(2)『ヒアリング』・・・お客さんから現状の疑問を聞き出すこと
◆(3)『プレゼン』・・・お客さんに良い結果につながる原因とその対策を示すこと
◆(4)『クロージング』・・・お客さんに決断してもらって、スタートしてもらうこと
これらが、『声掛けの基本の流れ』になります。
ところが、このような『基本の流れ』が分かったとしても、先程の『商品中心』でお知らせしているスタッフさんは、なかなかこのような流れの『声掛け』ができません。
なぜなら、(1)や(2)を飛ばして、(3)の『プレゼンの中での商品』をお知らせしようとするからです。
そして一気に、(4)の『クロージング』で、売り込みます。
これをすると、ほとんどのお客さんはイヤがって、その売り込みを断ることが多いです。
お客さんから断られ続けたスタッフさんは、しばらくすると、もう声掛けしなくなります。
理由は、『声掛けが、つらいから』です。
そして、『声掛けなんか、つまらない』と感じます。
しかし、そのスタッフさんからすると、『本来の声掛け』は、(1)~(4)の基本の流れに沿ったやり方を知らないので、できないのです。
例え、知ったとしても、『商品中心の考え方』から、『お客さん中心の考え方』に意識が変わらないと、できないでしょう。
ところが意識が変わって、『本来の声掛け』をすれば、『声掛けは、楽しい』となります。
なぜなら、『お客さんに喜ばれて、高いメニューの商品が売れるから』です。
もしも今、『本来の声掛け』ができていないようならば、今回の内容を試してみて下さい。
その結果、1人のスタッフさんでも、『本来の声掛け』ができるようになると、単価アップという形で数字に表れることでしょう。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則