こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
『商品の良さ』を表す式で有名なものに、次のようなものがあります。
◆『商品の良さ』=『価値』÷『価格』
この式は、次のような意味合いがあります。
それは、
(A)同じ『価値』なら、より安い『価格』で提供すると良い
(B)同じ『価格』なら、より良い『価値』を提供すると良い
(C)さらに良い『価値』なら、さらに高い『価格』で提供すると良い
物が少ない時代は、この『商品目線の式』で、上手く行っていました。
しかし、今の物が余り出している時代では、この『商品目線の式』では、ダメなのです。
もちろん、今でも、世の中にない新しい商品には、この式が成り立ちます。
ところが、ほとんどの商品は、すでに世の中にある物ばかりです。
そうなると、『お客さん目線の式』が、必要になって来ます。
例えば、次のような式です。
◆『お客さんの気持ち』=『求める結果』÷『必要なシナリオ』
この式は、『商品の良さ』が、良いか悪いかというよりも、『お客さんの気持ち』が、満足するか不満かが優先するのです。
例えば、先程のように、この式の意味合いを表すと、
(A)同じ『求める結果』なら、よりラクな『シナリオ』で提供すると満足する
(B)同じ『シナリオ』なら、より『気持ち良くなるもの』を提供すると満足する
(C)さらに上を『求める結果』なら、例え難しい『シナリオ』でも挑戦し、満足する
こんな感じになりますが、どうでしょうか?
とは言っても、『商品の良さ』は大切です。
しかし、それだけに囚われていたら、肝心の『お客さんの気持ち』が理解できません。
理解できないと、共感できないので、お客さんに満足してもらえることは、まず無理でしょう。
そうすると、『商品』が売れないのです。
では、『お客さんの気持ち』を理解するには、どうすればいいのでしょうか?
そのためには、最低、次の4つのポイントは押さえたいですね。
(1)『どんなお客さんに、気持ち良くなって欲しいのか?』
(2)『どんなシーンになると、お客さんは気持ち良くなるのか?』
(3)『どんな問題点を解消すると、そのシーンを体験してもらえるのか?』
(4)『どんなシナリオを用意すれば、その問題点を解消することができるか?』
この4つになります。
ここを意識して、そのお客さんに合ったシナリオを組み立てることができると、お客さんは、例え高くても、例え難しくても、挑戦しようと思うものです。
このように考えると、『商品の良さ』は、『シナリオ』の一部にしか過ぎません。
だから、『商品の良さ』だけにこだわっていると、失敗してしまいます。
ポイントは、『目の前のお客さんの気持ちは、どんな結果になると満足し、そのためにどんなシナリオを組み合わせると不満を持たないのか?』、ここを一緒に考えてあげることです。
『お客さんの気持ち』を優先すれば、『価格』が優先されることはまずありません。
一度お試しを!
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則